こういった社会背景のなかで、AI の「目」から身を守る術として提案されたのがUNLABELED(アンラベルド)による「AI によるラベリングから逃れるためのカモフラージュ」だ。UNLABELEDは、Dentsu Lab Tokyoと株式会社Qosmo が共に立ち上げたテキスタイルレーベル。今回は、初の展示会『Camouflage Against the Machines』の開催に際して、この「AI によるラベリングから逃れるためのカモフラージュ」の背景にある思想について、Dentsu Lab Tokyo・クリエーティブ・ディレクターの田中直基氏、株式会社Qosmo・代表の徳井直生氏にインタビューを行った。
PROFILE|プロフィール
田中直基
Dentsu Lab Tokyo クリエーティブディレクター。大学・大学院では、マテリアルエンジニアリング専攻。言葉、映像、デザイン、テクノロジーなど、課題に適した手段でニュートラルに企画することを得意としている。主な仕事にTOKYO2020パラリンピック開会式(選手入場パート)、「マツコロイド」、NHKのAI野球解説システム「ZUNO」、Eテレ「デザインあ」など。受賞歴に文化庁メディア芸術祭審査員特別作品、グッドデザイン賞、カンヌライオンズなど。京都芸術大学情報デザイン学科特別講師。
PROFILE|プロフィール
徳井直生
株式会社Qosmo 代表取締役 / 慶應義塾大学 政策・メディア研究科(SFC) 准教授 / Dentsu Craft Tokyo, Head of Technology
2009年にQosmoを設立。Computational Creativity and Beyondをモットーに、AIと人の共生による創造性の拡張の可能性を模索。AIを用いたインスタレーション作品群で知られる。2019年4月からは慶應義塾大学SFCでComputational Creativity Labを主宰。研究・教育面からも実践を深めている。著書に『創るためのAI 機械と創造性のはてしない物語』(BNN)など。東京大学 工学系研究科 電子工学専攻 博士課程修了。工学博士。
田中そもそもは2019年の2月ぐらいに、僕と徳井さんの2人で雑談をしていたところから始まったプロジェクトです。はじめはTシャツにプリントしたものを作りました。それはミラノで開催されたMeet the Media Guruというメディアアートのカンファレンスで徳井さんが招待講演をする機会があって、そこでも紹介してもらいました。 そのタイミングで徳井さんが慶應義塾大学の准教授になられるということで、次のプロトタイピングをSFCの学生さんとも共同でやってみようという形で進め、こちらは2020年2月にMedia Ambition Tokyoで展示を行いました。