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ファッションテックの領域のヴェールを取り払う:ZOZO NEXTによるSXSWへの挑戦

2022年3月にアメリカ・テキサス州で開催される世界最大級のテクノロジーの祭典「SXSW 2020」。今回、ZOZOグループにて新規事業創出やテクノロジーの研究開発を担う組織ZOZO NEXTがグループ初の試みとしてSXSWクリエイティブ・インダストリーズ・エキスポに出展する。「UNVEIL THE FUTURE OF FASHION TECHNOLOGY」をコンセプトに、テクノロジーが導くファッションの未来を紐解く本展示。そこで投げかけられるファッションをめぐる新たな体験や価値とは?
今回は、SXSWの出展プロジェクトを牽引したZOZO NEXT担当者による座談会を実施。ZOZOグループ初の海外展示への期待やブースに込めたコンセプトや想いを、ZOZO NEXT・MATRIXの田島 康太郎、玉村 雄大、中丸 啓、権 美愛にインタビューを行った。(2022年2月25日収録)
PROFILE|プロフィール
田島 康太郎

ソニー株式会社にて半導体事業部を経て、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントに出向。日本並びに欧米、欧州市場においてPlayStationⓇVRを用いた新規事業開発業務に従事。2019年よりZOZOテクノロジーズに入社し、素材やデバイスを活用したスマートテキスタイル開発ならびにファッションテックを取り扱うオウンドメディアを統括。2021年10月より新規技術開発とその事業化を行うMATRIX部門のdirectorを務める。

PROFILE|プロフィール
玉村 雄大

IT系メガベンチャーにてゲーム関連の映像制作や3DCG分野の業務に従事した後、2020年にZOZOテクノロジーズに入社。XR / AIチームにて主にバーチャルファッション領域のプロジェクトを推進。自身もCG制作を行い、メインツールとしてHoudiniやUnreal Engineなどを使用する。

PROFILE|プロフィール
中丸 啓

研究者、ZOZOテクノロジーズ新規技術開発とその事業化を行うMATRIX部門に所属。博士(政策・メディア)。柔らかな機能性素材やデバイスの開発と、それらを活用したインタラクション・UX設計を専門とする。論文や特許など技術領域を軸に、Ars Electronica Festival等での作品展示も展開する。ACM DIS 2019 Best Paperなどを受賞。

PROFILE|プロフィール
権 美愛

制作会社を経て株式会社VASILYに入社後、自社事業であるファッションアプリIQONに関するデザイン制作、ディレクションを担当。会社の合併・分割により、現在は株式会社ZOZO NEXTへ転籍。AppやWebのUXやUI設計、Graphicなど、社内プロダクトに関わるデザインを統括。

ZOZO NEXTの取り組みを総披露

今回、どのような経緯でSXSWの出展に挑戦することになったのでしょうか?
田島元々、株式会社 細尾様と東京大学様とスマートテキスタイルの研究開発プロジェクトを中丸と私で行なっており、その成果展示として昨年4月から9月にかけて京都で成果展示を開催しました。それが大きな反響をいただき、そこから海外に出展をする運びとなりました。数ある海外展示会の中でもSXSWはどうかというのは、代表の金山からの提案です。それが昨年の10月頃ですね。
SXSWは2007年からTwitter社、2011年にはAirbnb社やPinterest社といった海外の著名なベンチャー企業が展示を行っていて非常に面白いと思いました。また、私たちのチームであるMATRIXは、メディア、テキスタイル、XRと多様なプロジェクトを有しているので、SXSWのカラーにすごく合うと感じて出展に踏み切りました。
みなさんは、出展にはどのような印象を持ちましたか?
玉村SXSWの名前は知っていましたが、僕のなかでは音楽フェスというイメージが強く、エンタメ寄りな印象でした。テック系のブースを出していることを今回初めて知り、映画や音楽など多様な分野が混ざり合っているところが、普通のテックイベントよりも面白いんじゃないかなと思いました。来場者も多様な領域の方々が来るだろうし、様々な反応を得られることを期待しています。
中丸MATRIXは普段、チームごと別々にプロジェクトに取り組んでいるため、スマートテキスタイルとXRのプロジェクトなど複数のプロジェクトが一緒にプロダクトを披露するのは初めての試みです。10月から新たに生まれたZOZO NEXTという会社(※)が、どんな新しいことをやっているのかをひとつのコンセプトとしてまとめて、音楽とイノベーションの祭典に持っていくということは、とてもチャレンジングだなと思いながら取り組み始めました。
初めに出展を聞いたときは、すごく驚きました。この規模のチームで、あの大きな展示をできるのかという不安はありましたね。でも、他のチームがやっていることに触れていない部分も多かったので、そういう意味で連携を取りながら同じところに向かってつくり上げていく経験ができて、すごく良かったと思っています。
(左から:MATRIXディレクター・田島 康太郎、デザイナー・権 美愛、XRリーダー・玉村 雄大、Textileリーダー・中丸 啓)
(左から:MATRIXディレクター・田島 康太郎、デザイナー・権 美愛、XRリーダー・玉村 雄大、Textileリーダー・中丸 啓)
実際に、準備はどうですか?
田島ZOZO NEXTはすごく人数が少ない組織ですが、SXSWクリエイティブ・インダストリーズ・エキスポのブースで最も大きなブースを出展します。ブースのコンテンツの準備だけでなく、それ以外のノベルティの準備や輸送まで、すべてをやっていますので、とてもじゃないけどこの人数で対応することではないです(笑)
次から次へと、タスクが出てきましたよね。
田島今のコロナ禍の状況だからこそ、どうやって入国するのか、滞在期間中のガイドライン策定なども含めて、色々なことを自分たちのチーム主導で解決しなければいけません。大変なことは多いですが、やりがいを感じます。
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