2023.01.04

フルモデルチェンジで劇的に進化 アディダス「ADIZERO SL」の持つポテンシャルに迫る

1秒でも速く、ベストタイムを目指して走るランナーに向けて開発されているアディダスのアディゼロシリーズ。アディゼロシリーズのシューズは、過去2年間で世界トップクラスのランナーたちによる7つの世界記録更新を支えるなど、多くのランナーの記録更新をサポートしてきた。
 
ADIZERO SL(アディゼロ エスエル)」は、軽量性に優れたモデルで、今まで主にエリートランナーのトレーニングシューズとして愛用されてきた。しかし、今回のフルモデルチェンジにより、幅広いレベルのランナーが、それぞれの用途に合わせて活用できる、ベーシックモデルへと進化を遂げた。
 
今後アディダスの大定番モデルとなり得るポテンシャルを秘めた「アディゼロ エスエル」は、何を目指して開発し、どのような機能が詰まっているのか。アディダス マーケティング事業本部 カテゴリープランニング シニアマネージャーの山口智久さんに話を聞いた。

画像: メディア向けの『SS23 ADIZERO SL トライオンセッション』でアディゼロについて語る山口氏
メディア向けの『SS23 ADIZERO SL トライオンセッション』でアディゼロについて語る山口氏

アディゼロシリーズとSLの誕生

まずはアディゼロシリーズと、「SL」について少し振り返りたい。
 
「速さを再定義し、さらに限界を押し広げたいという考えのもと、2005年にスタートしたのがアディゼロシリーズです。シューズクリエイターの大森敏明氏に協力を依頼し、無駄ゼロ、ストレスゼロ、エネルギーゼロを追求。特にフィットと軽量性にこだわり、最高のフィット感を提供するために、ラスト(足型)は0.01mm単位までこだわって削り出したものを採用しています」
 
2008年のベルリンマラソンで「ADIZERO ADIOS(アディゼロ アディオス)」を着用したハイレ・ゲブレセラシェ選手が当時の世界記録を更新し、アディゼロはその名を世界に轟かせ、以来、多くの世界記録更新をサポートしてきた。
 
「SL」の原点にあるのは、1972年に誕生したランニングシューズ「SL72」。SLはSuper Lightの頭文字をとったもので、ナイロンアッパーやEVA製のミッドソールなど、当時の最先端技術を取り入れたモデルだ。2020年に、そのDNAを受け継いだ軽量性と反発性に優れた「SL 20」が登場。2022年春にアディゼロシリーズに加わることとなり「ADIZERO SL 20.3」がリリースされた。そして今回、フルモデルチェンジして生まれ変わったのが「アディゼロ エスエル」となる。

画像: ランニングシューズに必要とされる機能をバランスよく備えた「アディゼロ エスエル」。14,300円
ランニングシューズに必要とされる機能をバランスよく備えた「アディゼロ エスエル」。14,300円

「アディゼロ エスエル」は最高のデイリートレーナー

「フィット性、軽量性、反発性、クッション性など、ランニングシューズに求められるさまざまな機能を備えた、ザ ベスト オブ デイリートレーナーと自信を持って言えるシューズに仕上がりました。エリートランナーのジョグはもちろん、市民ランナーのレース&トレーニング、ファンランナーの日々のランまで、全てのレベルのランナーのあらゆるシーンを支えることができると自負しています」
 
ミッドソールは、軽量性と耐久性、安定性を備えたLITSTRIKE EVAをベースに、前足部にLIGHTSTRIKE PROを採用している。LIGHTSTRIKE PROは、トップレーシングモデルの「ADIZERO ADIOS PRO 3(アディゼロ アディオス プロ 3)」にも採用されている反発性と軽量性に優れたフォーム素材。2つのフォーム素材を組み合わせることが、さまざまなシーンに対応するバランスの良さに繋がっている。

画像: ミッドソール前足部にLIGHTSTRIKE PROを採用している
ミッドソール前足部にLIGHTSTRIKE PROを採用している

「着地から蹴り出しまでの一連のランニングモーションを支え、スムーズなものにしてくれるシューズです。LIGHTSTRIKE PROを組み合わせることで、鋭い蹴り出しが可能になっています」
 
アウトソールには高いグリップ性を備えたラバーアウトソールを採用。路面をしっかりと噛むことで、エネルギーロスを減らして強い蹴り出しパワーを生む。シューズの安定性にも貢献し、安心してシューズに足を任せることができる。
 
アッパーにはLIGHT WEIGHT SANDWICHMESHという名のメッシュ素材を採用。足を柔らかく包み込むようにフィットしたうえで、通気性とサポート性を両立している。

画像: アウトソールのグリップ力の高さも「アディゼロ エスエル」の特長
アウトソールのグリップ力の高さも「アディゼロ エスエル」の特長
画像: アッパーは足にソフトにフィット。長時間の着用の際も快適
アッパーは足にソフトにフィット。長時間の着用の際も快適

アディダスの新定番となり得る万能性

「SL 20」や「アディゼロ SL 20.3」は、軽量性と反発性に優れたシューズで、エリートランナー、シリアスランナーのスピード練習などに適しているという印象で、実際にそういった活用をしているアスリートの話を聞いたこともあった。
 
それと比較すると「アディゼロ エスエル」は、フルモデルチェンジを謳っているだけあり、走り心地は大きく異なっていた。

画像: トライオンセッションに参加した他のランナーの評価も上々だった
トライオンセッションに参加した他のランナーの評価も上々だった

実際に走ってみると、従来モデルと比較して明らかにクッション性が高くなっているのがわかる。着地感はソフトながら、ソールの横幅が広めにとられていて接地面積が広いため、安定感があり、ブレは感じない。ビギナーランナーの初めの一足としても十分に活躍してくれそうだ。
 
また前足部のLIGHTSTRIKE PROの効果か、蹴り出し時に適度な反発性が感じられ、ピッチを上げたり、スピードを出すのも難しくなさそうだ。これならば確かに中・上級者のトレーニングにも対応できるのだろう。レースシューズに「アディゼロ アディオスプロ 3」や「アディゼロ タクミ セン 9」、「アディゼロ ボストン 11」などを使用しているランナーならば、ジョグや距離走などの普段のトレーニングにベストマッチするシューズとなるはずだ。

画像: 「迷ったらアディゼロ エスエルを選んでおけば大丈夫」と思わせてくれるバランスの良さ。そして、アディダスのシューズをレースシューズにしている人は、間違いなく持っておくべき一足だろう
「迷ったらアディゼロ エスエルを選んでおけば大丈夫」と思わせてくれるバランスの良さ。そして、アディダスのシューズをレースシューズにしている人は、間違いなく持っておくべき一足だろう

アディダスには毎日の走りを支えるオールラウンダー、ビギナーランナーのレース完走をサポートするシューズとして「SOLARGLIDE 5(ソーラーグライド 5)」があるが、その役割も「アディゼロ エスエル」が担えそうな印象がある。
 
「ソーラーグライドの要素をブレンドさせようとした意識はないのですが、アディゼロシリーズでデイリートレーナー作ったときのアウトプットが、結果的にソーラーグライド的な要素も備えたということはあるかもしれません。クッション性の高さや安心感、毎日使いたくなる快適性という部分は共通していると思いますので。

ランニングのレベルが上がれば、履き分けが細かくなり、シューズに対して専門性を求める部分も出てくると思いますが、アディゼロ エスエルについては誰にでも寄り添う、誰にでもフィットする、日本人にとっての白米のような、そんなシューズなのではないかと思います」
 
「アディゼロ エスエル」は今後、アディダスの定番ランニングシューズとして、多くのランナーを支えていくポテンシャルを持っているモデルと言えるだろう。一度足を通せば、総合力の高さを実感できるはずだ。

PROFILE|プロフィール
山口智久(やまぐちともひさ)
山口智久(やまぐちともひさ)

アディダス ジャパン株式会社 アディダス マーケティング事業本部 
カテゴリープランニング シニアマネージャー

2006年アディダス ジャパン株式会社入社。入社以来マーケティング本部プロダクト部門に在籍、10年以上にわたりスパイクやサッカー日本代表ユニフォームの企画開発に携わった後、2020年より現職にてランニングを中心とする全競技カテゴリーのプロダクト・プランニングを担当。ランニング中長期戦略プロジェクトチームリーダーも兼務。

Text by Fumihito Kouzu

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