2020年のブランド発足後、早々に国内のクラフトアワードや
D2Cアワードを受賞するなど、華々しくデビューした「A&D/W」。アウトドアに囲炉裏を持ち込むというユニークな発想と、メンテナンス性がよく持ち運びも簡単な組立式の構造、そして上質な佇まいを持つ「七輪囲炉裏」は、すぐさまキャンパーの注目の的となった。
そんな新進気鋭の「A&D/W」だが、その仕掛け人は意外にも岩手の伝統工芸の家具メーカー。親子3代続く職人の手から、どのようにして「七輪囲炉裏」が生まれたのだろうか。まずはマルイ造形家具工業という会社について尋ねた。
「マルイ造形家具工業は岩手県九戸村(くのへむら)で私の祖父がおこした民芸家具メーカーで、今年で創業78年。伝統の南部箪笥(たんす)の工法は祖父から父に伝えられ、今は私の弟、千葉暢威が社長となり、職人たちに受け継がれています。
私たちは3兄弟で、三男の暢威は九戸村で職人として働いてきた叩き上げ。次男の私と長男は異業種での経験を活かし 、現在は3人の共同経営で家業を守っています。