ミッドソール、アウトソールの形状が改良され、跳ね返る感覚が向上。ミッドソール素材には軽量で反発性に優れ、地球環境にも優しいFF BLAST PLUS ECO(エフエフ ブラスト プラス エコ)が全面に採用されている。前作「NOVABLAST 3」からはどのように進化し、同シリーズの「SUPERBLAST(スーパーブラスト)」とはどこが違うのだろうか。
弾むような心地好いライド感で人気を得ている「ノヴァブラスト」。特に定期的にレースに出場するランナーのデイリートレーナーとして支持を集めている。日常のジョグから、スピードを上げたインターバルトレーニングまで幅広く対応する力があるからだ。また、フルマラソンを4〜5時間で走るランナーのレースシューズとしても好評だという。
シリーズ最新作となる「ノヴァブラスト 4」は、どんなコンセプトでアップデートされたのだろうか。
バウンス感を追求し心地好いライド感を実現
「ノヴァブラスト特有のバウンス感(沈んで跳ね返る感覚)をより高めることを目指しました」と、企画担当の
アシックスジャパン株式会社・鈴木利奈さん。
「ノヴァブラスト 3」からは、ミッドソールとアッパーの素材が変更され、ミッドソールおよびアウトソールの形状がアップデートされている。
「前作はFF BLAST PLUSをミッドソールに使用していましたが、今作では反発性を維持しながら、より環境に配慮したFF BLAST PLUS ECOを採用しています。形状のアップデートについては、反発を高めるための構造に改 良しました。
蹴りだすときに圧がかかりやすい、母子球や親指部分のミッドソールの厚みを増やしています。底面部を局所的に厚くすることで、バウンス感を高めました。
アッパーにはウーブン素材を採用しました。軽量で伸縮性に優れた素材です。また前足部とシュータンに孔を多く設けることで通気性を高めています」
サステナビリティにも配慮されたシューズ
FF BLAST PLUS ECOは、軽量で柔らかく跳ねるように反発するFF BLAST PLUSの機能はそのままに、素材の約24%を植物由来に変えた環境に配慮されたフォーム材。ソールの厚さが最大41.5mm(ミッドソールは最大31.0mm)、ドロップが8mmというスペックは前作同様だ。昨年発売された「GEL-KAYANO 30(ゲルカヤノ 30)」(同じくミッドソールにFF BLAST PLUS ECOを採用)は、アシックスとして初めて製品ライフサイクル(材料調達・製造・輸送・使用・廃棄)で排出される温室効果ガス排出量(カーボンフットプリント)が表示されたが、「ノヴァブラスト 4」についてもカーボンフットプリントが明示されている(11.2kg CO2e)。
アシックスは2050年までに事業における「温室効果ガス排出量実質ゼロ」の実現に向けた取り組みを行っており、カーボンフットプリントの表示もその一環。今後も、カーボンフットプリントの表示は順次行っていく予定だという。
人気モデル「スーパーブラスト」とはどう違う?
前作「ノヴァブラスト 3」からのアップデートは確認できたが、「スーパーブラスト」との違いも気になるところ。「ノヴァブラスト 4とスーパーブラストではミッドソールの素材も厚さも異なります。スーパーブラストのミッドソールは2層構造で、その大部分はFF BLAST TURBO(エフエフ ブラスト ターボ)というトップレーシングシューズのメタスピードシリーズにも採用されている反発性の高い素材です。
また、ソールの厚さはノヴァブラスト 4が最大41.5mmで、スーパーブラストが最大45.5mmとなっています。走行時に得られる反発性はスーパーブラストの方が高いですが、ノヴァブラスト 4はミッドソール素材の柔らかさを感じやすいシューズになっています。
どちらのシューズも“跳ねる感覚”に注力していますが、その跳ねる感覚をミッドソール素材の違いと厚みで差をつけているというのが2モデルの違いです」