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2023.06.15

軽量で涼しい「deuter(ドイター)」のバックパック「SPEEDLITE25(スピードライト25)」の使いやすさ

1898年にドイツで創業し、今年で125周年の名門「deuter(ドイター)」のバックパックは背面の通気性が高く行動しやすいのが特徴だ。機能を高めつつ合理的に軽量化を果たした「SPEEDLITE25(スピードライト25)」は、汎用性のある容量25Lのバックパックとして同ブランド最軽量(710g)のモデルである。
「スピードライト25」で実現している軽さと機能の両立について話を聞くべく、日本で「ドイター」の製品を取り扱うイワタニ・プリムス株式会社の金牧秀明さんを訪ねた。

楽に速く歩くためには、本体重量のみならず体感重量を軽くすることが不可欠

スピードライト25 20,900円(税込) 高さ55cm 幅29cm 奥行19cm ブルー系の「アズール×リーフ(写真)」とグレー系の「グラファイト×シェール」の2色展開
スピードライト25 20,900円(税込) 高さ55cm 幅29cm 奥行19cm ブルー系の「アズール×リーフ(写真)」とグレー系の「グラファイト×シェール」の2色展開
すっきりと縦に長いデザインで安定性が高そうだと思いつつ、手に持ってみると確かに軽い。日帰りから1泊ぐらいの山歩きに適した装備一式が入る容量25Lのわりには、奥行19㎝とやや薄い。街で使うにも適している、というのが第一印象だ。
「もともとはスピードハイキングのために作られているんですが、軽さを追求したマルチユースバッグとして幅広い用途に使っていただけます。軽量性は現在、多くのユーザーが求めるところですね。『ドイター』としては、軽さは単純にザック本体の重量ではなく、実際に背負って行動する際の、体感も大事という考え方があります」
本体の軽量化を図りながら、使い勝手を犠牲にしない。むしろ機能の充実を追求する姿勢が「ドイター」の製品づくりの根幹だと、金牧さんは説明する。
バックパックの横ブレを防止して身体の負担を軽減するヒップベルトは幅広で薄く、さらに通気性が高い
バックパックの横ブレを防止して身体の負担を軽減するヒップベルトは幅広で薄く、さらに通気性が高い

軽量な樹脂フレームでバックパックの剛性を確保すると、身体が楽になる

 「本体の軽さだけを追求するならパーツを減らして、生地をどんどん薄くしていけばいい。しかし、そうするとバックパックを背負ったときの安定性が悪くなり、体感的に重くなります。早歩きや小走り、あるいは下り坂などでバッグがブレると落ち着かない。変なところに痛みを覚えたり、疲労を感じる結果になります」
それを避けるために必要なのが、バックパックの剛性を確保するためのフレームだ。しかしフレーム自体の重量が大きいと軽量性が損なわれてしまう。
「この『スピードライト25』には、軽量で強度のあるデュポン社のデルリンフレームが採用してあり、フレームで剛性を確保することでバックパックのブレを抑え、体力の消耗を軽減します。パーツを減らさず、軽量化を図りつつバックパックを安定させ、速やかな行動を可能にする。これが『ドイター』のものづくりです」
コンビニのレジ袋と布製のトートバッグなら、レジ袋のほうが圧倒的に軽いが荷物が安定しない。2Lのペットボトルを2~3本も入れたら、手にかかる負担が大きくて指が痛くなる。縫製のいいトートバッグならレジ袋より安定するし、持ち手のデザインがいいので指も痛くなりにくい。バックパックにも同様のことがある。
「剛性を確保しつつ、生地も軽量化しています。現在の『スピードライト25』の生地はおもに140デニール[1]。過去のモデルは210デニールです。この差の分だけ薄く、軽くなりました。ちなみにトレイルランニング用のバックパックに使っている生地は70デニールです。『スピードライト25』は走る用途ではないので、剛性や強度との兼ね合いで140デニールの生地がベストな選択です」

立体構造で通気性を高める「ライトエアバックパネル」でさらに活動しやすく

凹んだ部分を空気の層が循環するので熱がこもりにくい「ライトエアバックパネル」を背面に採用
凹んだ部分を空気の層が循環するので熱がこもりにくい「ライトエアバックパネル」を背面に採用
「ドイター」は背面の通気性に優れる、蒸れにくいバックパックのブランドとして有名だ。1984年に開発して特許を取得した「エアコンフォートシステム」を代表例に、他にも用途に応じて背面の構造を最適化している。
「スピードハイキング用の『スピードライト25』に採用されているのが、面ではなく点で接する凹凸のある『ライトエアバックパネル』です。この立体的な構造は画期的なもので、汗による背中の濡れや蒸れ、熱のこもりを軽減します。山歩きにおいて背中の不快感は大きな疲労感につながるので、背中を快適にすることが行動しやすさの条件といえます」
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