2022.02.16

Floraが取り組むAI・IoTを用いた女性向けメンタルケアソリューション

AIやIoTの技術は、社会の様々な課題を解決すると期待されている。ウェアラブル・デバイスなどの製品が登場したことで、人のメンタルや体調も補助してくれる技術として広まってきた。

Flora株式会社は、メンタルケアとして女性のココロに寄り添うサービスを提供している。最近では、AIやIoTを用いた実証実験を展開しており、デジタルヘルスケアの可能性を模索している。今回、代表のクレシェンコ・アンナさんにインタビューを行い、floraの活動、AIとIoTを用いたフェムテックのあり方についてお聞きした。

PROFILE|プロフィール
クレシェンコ・アンナ
クレシェンコ・アンナ

ウクライナ国立オデッサ大学卒業。2018年に京都大学法学部入学。
京都大学経営管理大学院の国際起業部に所属。2020年に京都のフェニクシーインキュベーションに選抜、Flora株式会社を立ち上げる。

女性の生涯に寄り添うサービスを提供

Floraで展開されているサービスの概要や特徴を教えてください。

Floraはバイアス・偏見・タブーから女性の心身を解放し、個人をエンパワーするという目的を掲げて、思春期から更年期まで女性の実質的なサポートを目指しております。そこで弊社は、複数のサービスを展開・開発してきました。

たとえば、FemCampという性教育やジェンダー教育をテーマとしたオンラインイベントを開催したり、フローラマタニティという妊婦さんや産後の女性向けコミュニティ・支援プラットフォームを提供してきました。2022年には、flora appという次世代の月経・妊活管理アプリや更年期管理アプリのリリースを予定しています。

<p><span style="color:#000000">Floraはバイアス・偏見・タブーから女性の心身を解放し、個人をエンパワーするという目的を掲げて、思春期から更年期まで女性の実質的なサポートを目指しております。そこで弊社は、複数のサービスを展開・開発してきました。</span><br><br><span style="color:#000000">たとえば、FemCampという性教育やジェンダー教育をテーマとしたオンラインイベントを開催したり、フローラマタニティという妊婦さんや産後の女性向けコミュニティ・支援プラットフォームを提供してきました。2022年には、flora appという次世代の月経・妊活管理アプリや更年期管理アプリのリリースを予定しています。</span></p>
どのような経緯で、こういったフェムテックの市場に参入されたのでしょうか?

私(クレシェンコアンナ)がFloraを設立したきっかけは、私の従姉妹が妊娠中にうつ病を発症してしまい、その結果お腹の中の子を亡くしてしまい、悲しみ、嘆いていた姿を目の当たりにしたことです。そのとき私は、同情し、自分も悲しい気持ちになったと同時に、「すべての女性が安心したマタニティライフを過ごすことが出来る社会」を創りたいと強く感じました。このことがきっかけで、Floraは妊婦さんや子育てママさんのサポートから月経・妊活・更年期サービスまで発展してきました。Floraのチームは女性の生涯に寄り添うソリューションを生み出しています。

AI・IoTによるメンタルヘルスケアの可能性

今回、東洋紡株式会社と提携して実証実験を開始したとのことですが、この実証実験の内容について教えてください。

この度の実験全体(準備や開発含め)の期間は4ヶ月で、参加者は20人です。Floraが開発したチャットボットと東洋紡のスマートテキスタイルを活用して、特に産前・産後うつの発症可能性とそれに対する解決策の効率性を検証しています。とりわけ、被験者のバイタルデータとメンタル状態の関係性に注目していきます。

 妊産婦・産後1年以内の女性が約1ヶ月間スマートテキスタイルを着用し、1日3回のチャットボットとのやりとりを通じてメンタル状態のチェックを行います。実験中、スマートテキスタイルによって取得できた被験者の心拍数、体温、アクセラレーション等といったバイタルデータとチャットボットとのやりとりを解析します。被験者の体温や心拍数の関係から、メンタルの不調を抱えているのか、うつ病の発症可能性は高いかなどを判断します。

画像: null
開発にあたり、医療機関との提携や妊婦さんや産後の方へのヒアリングなどは実施されるのでしょうか?

弊社は、特に当事者のヒアリングを重視していまして、現在まで100人位の産前・産後の女性にインタビューをさせていただいています。また、産婦人科医だけではなく、心理学者や助産師が開発を監修してくださっています。

実証実験では、東洋紡株式会社とそれぞれどのような役割を担当されているのでしょうか?また、どういった研究バックグラウンドのメンバーがいらっしゃるのでしょうか?

Floraでは、研究計画やチャットボット開発とデータ解析を担当しています。弊社のCTOであるイワン・セレズノフとR&Dチームが、今回の実験を実施しています。イワンは大阪大学基礎工学研究科の生体物理データ科学グループの研究者で、健康関連のビッグデータやウェアラブルIoTデバイスの生体情報の解析が専門です。

一方で、東洋紡ではスマートテキスタイルを提供しています。東洋紡は産後うつの研究に取り組んだ実績があり、女性の心身向けにソリューションを開発している弊社とのシナジーが強くありました。弊社の妊婦さんや産後の女性向けのサービスと開発中のアプリに興味を持っていただき、アプリとスマートテキスタイルとの連携の可能性を現在検証しております。

今回の実証実験の経緯について、既存事業との関わりや課題として意識されていたことなどがあれば教えてください。

携帯、Fitbit、Apple Watchやスマートテキスタイルのデータから個々人のメンタル状態やうつ病の発生可能性を把握できることを目指しています。ユーザーが自分のメンタルケアを日常的な生活の中で簡単に管理できるように、身近な測定方法、新規の解析アルゴリズムやそのアプリの開発をしていきたいと考えています。

実際に使ってみた方からはどんな声が届いていますか?うまく活用している事例、反響などあれば、教えてください。

実際にテキスタイルを着用してみて、着やすいという声や、自分のメンタルが安定していないと感じるのでぜひ管理してみたいという声が一番多く寄せられています。

フェムテックのイメージ刷新のために

今後、フェムテック市場はどのように変化するとお考えでしょうか?

現在、フェムテックは贅沢品だというイメージが強いですが、今後は誰でもアクセスできる市場や商品になると思っています。Floraはまさにそういったビジョンの実現を目指し、最先端技術を身近なものにし、「ヘルプを求めていい」ということの常識化や「誰一人取り残さない」社会へ貢献したいと考えています。

実証実験後の正式リリース後の展開や、その先の事業展開で具体的に考えていることがありましたら教えてください。

今回の実験で収集できたメンタルヘルスに関するデータや、それを元に構築したアルゴリズムを月経・妊活・妊娠管理アプリに反映して、普段からメンタルケアを受けられるデジタルヘルスケアの展開をしていきたいと思います。また今後は、更年期に起きるメンタル不調の課題に取り組み、新たなソリューションを展開していきたいと考えています。

#Wearable Device
LINEでシェアする