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2023.03.16

血行促進効果が認められているゴールドウインの「コンプレッションタイツ」は他と何が違うのか

株式会社ゴールドウインが展開している「コンプレッションカーフスリーブ」と「コンプレッションロングタイツ」とは、血行促進、むくみ軽減といった効果がある一般医療機器だ。

スポーツ用、日常生活用とコンプレッション機能を有したタイツは数多くあるが、ゴールドウインのプロダクトは何が違うのか。そして、3年ぶりのリニューアルを果たした最新バージョンは従来製品からどう進化を遂げたのだろうか。

一般医療機器の届出がされたカーフスリーブ&タイツ

独自の着圧設計(Compression)、コンディショニング(Conditioning)、快適な着用感(Comfort)という3つの“C”を叶えることを目指して開発されたゴールドウインのスポーツタイツ。

2009年の誕生以来、多くのユーザーに愛されてきた。着圧によって体をサポートするいわゆるコンプレッションウェアはさまざまなメーカーからリリースされているが、ゴールドウインの「コンプレッションカーフスリーブ」と「コンプレッションロングタイツ」は、そもそもどのような特長を有しているかをゴールドウイン事業部のMDを務める小林佑哉さんに尋ねた。
 
「コンプレッションカーフスリーブとコンプレッションロングタイツに関して言えば、一般医療機器・弾性ストッキングとして届出がされている点が大きなポイントだと思います。一般医療機器とは、構造や効能、性能が明確に示されるもので、“疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること”、または“身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすこと”のどちらかの目的に該当し、かつ政令で定められたもので、簡単に言えば効果効能に裏付けがあるということです」

画像: 3年ぶりにリニューアルされたコンプレッションカーフスリーブ。¥4,400(税込)。一般医療機器「弾性ストッキング」、 販売名:ゴールドウイン コンプレッションカーフスリーブ、届出番号:16B3X10003001019
3年ぶりにリニューアルされたコンプレッションカーフスリーブ。¥4,400(税込)。一般医療機器「弾性ストッキング」、 販売名:ゴールドウイン コンプレッションカーフスリーブ、届出番号:16B3X10003001019
画像: 一般医療機器であることが特長。コンプレッション ロングタイツ。¥13,200(税込)。一般医療機器「弾性ストッキング」、販売名:ゴールドウイン コンプレッションロングタイツ、届出番号:16B3X10003001018
一般医療機器であることが特長。コンプレッション ロングタイツ。¥13,200(税込)。一般医療機器「弾性ストッキング」、販売名:ゴールドウイン コンプレッションロングタイツ、届出番号:16B3X10003001018

一般医療機器として届出をすると、製造だけでなく、管理や販売においても特別なルールが課されることになるが、消費者にとってはそれが信頼に繋がるともいえるだろう。ゴールドウインとしても、消費者に機能や使用方法について正しく伝えたいという思いから届出をしているとのこと。

そして一般医療機器・弾性ストッキングの基準を満たす、適切な段階着圧設計(足首からふくらはぎ、太ももにかけて徐々に着圧を変えることによって、外から脚に適度な圧力をかけ、筋肉のポンプ作用をサポート)は、血行促進効果をもたらし、むくみも軽減、コンディションを整えてくれる。

むくみの原因は、主に血流にある。血液を全身に送り出すのは心臓の役割だが、脚に送られた血液が心臓に戻るためには、重力に逆らう必要がある。

そこで重要になるのが、ミルキングアクションとも呼ばれる筋ポンプ運動。ふくらはぎを中心とした脚の筋肉によるポンプ作用によって、血管が圧迫され、心臓に戻る血液がスムーズに流れる。座り続けたり、立ち続けたりすると、足がむくんでしまう原因は、筋肉が正常に働かないためにポンプ作用が働かず、血液がうまく循環できないことにある。一般医療機器・弾性ストッキングはこのような足のむくみを軽減してくれるというわけだ。
 
実は、筆者は以前から「コンプレッションカーフスリーブ」を愛用していて、飛行機や新幹線などで長時間移動する際には、着用するようにしている。一度、飛行機での海外渡航時(片道12時間)に忘れてしまったことがあるのだが、そのときに初めて足がむくんで靴が履けないという事態を経験した。自分が思っていた以上に「コンプレッションカーフスリーブ」に助けられていたようなのだ。

画像: 足首からふくらはぎ、太ももにかけて徐々に着圧を変えることによって、外から脚に適度な圧力をかけ、筋肉のポンプ作用をサポートする段階着圧設計
足首からふくらはぎ、太ももにかけて徐々に着圧を変えることによって、外から脚に適度な圧力をかけ、筋肉のポンプ作用をサポートする段階着圧設計
画像: 段階着圧を実現するための着圧試験機。脚型は日本人のデータをベースに作られている
段階着圧を実現するための着圧試験機。脚型は日本人のデータをベースに作られている

肌と地球環境にやさしい設計にリニューアル

3年ぶりのリニューアルとなった「コンプレッションカーフスリーブ」と「コンプレッションロングタイツ」。今までの商品とどこが大きく変わったのだろうか。
 
「リニューアルポイントは大きく2つ。脇接ぎ部分が無縫製仕様になったことと、ベース素材のナイロンの一部がリサイクル素材になったことです」
 
従来モデルも縫い目に特殊なテープを貼り、肌面をフラットに仕上げるスマートシーム加工によって縫い目のスレやアタリが抑えられていたが、リニューアルされたニューモデルではオーバーラップ接着という新技術を採用。無縫製の仕様となったことで、縫い目の跡が残る、縫い目が肌と擦れるということが限りなく少なくなった。さらに快適さが増したということである。

「私たちが理想としているのは、着用していることを感じさせない快適な着用感でありながら、しっかりとサポートが得られるタイツなので、無縫製になったことでまた一歩ゴールに近づけたのではないかと思います。縫い糸がないことでフラットな肌アタリと同時に、密閉感が高まり、フィット感も向上しています」
 
リサイクル素材の採用は、GREEN IS GOOD」という、GREEN MATERIAL(環境への負担を抑える素材の選択)、GREEN CYCLE(使用後の製品を回収し再生する)、GREEN MIND(長く使ってもらう製品作り)の3つをキーワードにしたプログラムに取り組む企業として必然のものだったが、単純に素材を置き換えればよいわけではなかったという。

画像: 素材はリサイクルナイロンに変更。脇接ぎ部分にはオーバーラップ接着という新技術が採用された
素材はリサイクルナイロンに変更。脇接ぎ部分にはオーバーラップ接着という新技術が採用された
画像: 運動時の筋肉のブレを抑制してくれる点も魅力
運動時の筋肉のブレを抑制してくれる点も魅力
画像: 3次元歪み計測装置を使った動作追従性のテスト。脚を動かした際にタイツのどの部分がどの程度伸びるのかがわかる
3次元歪み計測装置を使った動作追従性のテスト。脚を動かした際にタイツのどの部分がどの程度伸びるのかがわかる

「通常のナイロンとリサイクルナイロンで強度が異なるということはないのですが、伸度に微妙な違いがありました。データ上では誤差レベルに見える違いでも、サンプルを作ってみると着用感に結構な差があったんです。パターン、生地の編み方、染色時に熱処理する際の温度の加減などを調整して、最適なフィット感を追求しました。結果的には伸縮性や強度を保ちながら、より脚の動きを妨げにくいものにアップデートすることができました」

信頼のメイド・イン・ジャパン

富山にある開発拠点GOLDWIN TECH LABO.で先進技術を駆使したテストが繰り返され、リニューアルされた「コンプレッションカーフスリーブ」と「コンプレッションロングタイツ」。編み立ては富山、染色は群馬、接着は長崎で行われているメイド・イン・ジャパンのプロダクトであることも大きな魅力だ。

「それぞれの工場が高い技術を持っていることはもちろん、コミュニケーションが密にとれて微妙な感覚の擦り合わせができる点も国内で製造していることのメリットだと思います」

長時間のデスクワークや立ち仕事、移動のシーンなどでのむくみ軽減だけでなく、運動後のリカバリー(血行促進効果によりリカバリーが早まる)、運動時(筋肉のブレを抑制しパワーロスを緩和)の着用にも適している。

PROFILE|プロフィール
小林 佑哉(こばやし ゆうや)
小林 佑哉(こばやし ゆうや)

株式会社ゴールドウイン
ゴールドウイン事業部MD
「コンプレッションカーフスリーブ」と「コンプレッションタイツ」のリニューアルを担当。趣味はトレイルランニング、ハイキング。

Text by Fumihito Kouzu

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