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2022.11.16

GREGORY(グレゴリー)のテクニカルモデルはスゴかった! 90年代から今へのルーツとものづくりの進化

90年代、日本で大ブームとなり、その後定番的にカジュアルシーンで愛されている「GREGORY(グレゴリー)」のバッグ。登山やキャンプ等、様々なアクティビティのシーンで本格的なバックパックが沢山リリースされており、そのどれもがハイスペックなクォリティの物ばかり! そのバッグづくりにおける様々なテクノロジーを紐解いてみた。

GREGORYの歴史とものづくりの進化について〜“世界で最も優れたバックパックをつくる”という信念〜

GREGORYは1977年にアメリカのサンディエゴで、バックパックデザイナーのウェイン・グレゴリーが “世界で最も優れたバックパックをつくる”という信念を掲げて創業したブランド。90年代には日本でも大流行し、今日まで定番アイテムとして長年愛され続けている。創業当時から今日までのアイテムの移り変わりや、ブランドを取り巻く環境の変化をGREGORY・ブランドディレクターの中島健次郎さんに伺った
ウェイン・グレゴリー氏の写真。おそらくブランドを始めた70年代後半の写真と思われる
ウェイン・グレゴリー氏の写真。おそらくブランドを始めた70年代後半の写真と思われる
90年代日本で大ブームとなったGREGORYのバックパック。ブームの理由とその時代背景についてGREGORY・ブランドディレクターの中島さんは語る。
ブームのきっかけは諸説ありますが、1986年に日本代理店ができて、1990年代初頭にアメカジブームがあり、『DAY PACK(デイパック)』というモデルを中心に流行しました。
当時セレクトショップやアメカジのショップに商品が並んでショップスタッフの皆さんが流行らせたという印象ですが、渋谷や原宿の街で『DAY PACK』を持っている人をよく見る様になり、ファッション雑誌も沢山紹介してブームになったと考えています。当時は全てアメリカ製でアメカジのファッションと相性が良かった事も要因の一つだと思います」
ブランド40周年を記念して数量限定で販売された復刻版。タグも創業当時のデザインになっている。現在は販売終了
ブランド40周年を記念して数量限定で販売された復刻版。タグも創業当時のデザインになっている。現在は販売終了
90年代初頭のアメカジブームとの相乗効果で流行したGREGORYのバックパック。定番アイテムとして人気となった要因を中島さんはこう語る。
「定番的な人気アイテムになったのは、一つは品質の高さ。そしてニーズと機能性がマッチしたことが受け入れられた要因だと考えられます。
元々『DAY PACK』は創業当時からあるモデルで1日で完結するアクティビティ用に作られたものです。デイハイキングとか1日分の装備がちょうど収まって快適に使えるサイズ感で考えられています。それが普段使いにフィットしたという事も日本で流行った理由の一つだと思います」

テクニカルパックと呼ばれる技術の粋を集めたアイテムたち

バックパックといえば、背負いやすさはもちろん、中の荷物へのアクセスのしやすさや、拡張性、様々な人の生活やアクティビティにフィットするように考えられた機能性が挙げられる。そんな今となっては当たり前になったバックパックのイメージの基本となったモデルが、実は今から40年も前にGREGORYでは作られていた。
「日本でのブームとなった『DAY PACK』と同時に、本国アメリカでは本格的な大型のバックパッキング用のアイテムも作っていました。『CASSIN(カシン)』というモデルで、35年前当時での最新作の機能が詰め込まれたアイテムで、これが基本となり今ではより軽く、より丈夫に進化しています」
テクニカルパックの源流となった「CASSIN」写真は当時の製品で現在は非売品。
テクニカルパックの源流となった「CASSIN」写真は当時の製品で現在は非売品。
「アメリカから取り寄せた資料を見ると、今では多くのブランドがやっている仕様が、GREGORYが先駆けという機能が色々あります。
昔バックパックは物を出し入れする時はトップローディングと言って一番上の巾着部分の口しかなかったのをパネルローディングと言うサイドからアクセスして物が取り出せる仕様を作りました。これは先駆けとして1977年からあったようです。
さらにバッグの大きさは同じですが、体の大きい人、小さい人、様々な人に合わせられる様に背面のサイズが調節できる仕様も先駆けだと資料に記されています」
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