ランニングやトレイルランニング、登山などのアクティビティ後に、足をリラックスさせること、そしてリカバリーをサポートすることを目的に開発されたHOKA(ホカ)の「ORA RECOVERY SHOE 2(オラ リカバリー シュー 2)」。クッション性の高さと心地よいフィット感により、アフタースポーツに多く活用されているのはもちろんのこと、旅行や出張といったシーンでも支持を集めている。HOKAのリカバリーシューズには、どのようなテクノロジーが秘められており、どのような効果が得られるのだろうか。
ハードに体を動かした後は、すぐに横になって体を休ませたくなるものだが、効率的なリカバリーを考えると、のんびりとジョギングやウォーキングをしたほうがよいとされている。トップアスリートたちが、レースや試合の後にジョギングや動的なストレッチなどで体を動かしているシーンを見たことがある人も多いはずだ。
栄養補給をして体を動かすことで、栄養素と酸素を体の隅々まで送り届けると同時に、疲労物質を排出する効果が期待できる。ワークアウト後のアクティブリカバリーは、筋疲労の緩和に効果的であるという研究報告もあり、翌日以降のコリやハリも軽減される。運動前にウォーミングアップが必要なように、体を酷使したならばクールダウンも同様に大切なのだ。
「オラ リカバリー シュー 2」は、足を解放しリラックスさせながらクールダウンをサポートし、リカバリーを促すためのシューズとして作られたもの。ゆえに、足を入れた際に気持ちよさを感じるだけでなく、歩く、走るといった動作がしやすい構造となっている。
「HOKAがランニングシューズで培ってきたテクノロジーが生かされている点が特長です。爪先から踵にかけて靴底にカーブを設けたロッカー構造、クッション性と安定性に優れたミッドソール、軽量性と通気性に優れたメッシュアッパーを採用しています。適度な推進力もあり、ラクに足を前に出すことができます」と、HOKAのシニア フィールド サービス レップ、安藤正直さんは言う。
ミッドソールのクッション性が高くアッパーがソフトなシューズは、リラックス感こそ得られるが、歩きやすさ、体の動かしやすさが伴っていなければ、“リカバリーシューズ”としては機能不足ということ。その点、「オラ リカバリー シュー 2」は、足を前へと運びやすい設計となっており、リラックスとリカバリーの両方を実現したシューズといえる。
「オフセット(前足部と踵部の高低差)は5mmで、HOKAの多くのロード用ランニングシューズと同じです。HOKAのランニングシューズを履いている方なら、それらと近い感覚でジョギング、ウォーキングができると思います。
私自身、トレイルランニングのレースに出場後、すぐに車で移動しなければならず、そのうえ渋滞にハマって座り続ける羽目になったことがあるのですが、翌日は体がガチガチで……。レースでの疲労やダメージを長く引きずらないために、上手くリカバリーシューズやリカバリーサンダルを活用してもらえたらと思います」
キルティングを採用したヒール部分は足を優しくホールドしてくれるのに加え、畳んで踵で踏むようにして履くこともできる。
筆者は以前から「オラ リカバリー シュー 2」を愛用しているのだが、アフタースポーツに限らずさまざまなシーンで活躍してくれるシューズだ。
たとえば、飛行機や新幹線などの長距離移動時は、リラックス感を得られる履き心地であることに加え、脱ぎ履きがしやすく重宝している。革靴が必須なビジネスパーソンの方も、出張時に鞄に忍ばせておくと、移動時やホテル到着後に履くシューズとしてとても便利なはずだ。アッパー部分を潰してコンパクトに収納できるので、持ち運びもしやすい。
歩きやすさ、体の動かしやすさを考慮した設計だけに、もちろん日常使いにもうってつけだ。正直、一般的なスニーカーやサンダル、ブーツなどと比較しても歩きやすい。イージーに履けて、かつ快適であるため、玄関に置いておくとついつい足を入れてしまう。
スローなジョギング やウォーキングもこなせてしまうので、これ一足あれば十分かもしれないと思ってしまうほど。このレベルのシューズで税込み11,000円は、破格といっても過言ではないだろう。一足持っていて損はしないはずだ。
リカバリーをコンセプトにしたサンダルも人気だ。今シーズンの新作となる「ORA RECOVERY SLIDE 3(オラ リカバリー スライド 3)」は、2層構造を採用し優れたクッション性と耐久性を両立している。ソールはヒール部が33mm、前足部が27mmとボリューミーで、とてもソフトな履き心地だ。4ヶ所のエアフローベンチレーションを設けることで前作よりも通気性が増している。
また、素材が環境に配慮されたサトウキビ由来のものに変更されている。フットベッドは足裏にしっかりとフィットする形状で、サンダルながら足との一体感が高い。シューズ同様ロッカー構造を採用するなど、歩きやすさに配慮された設計なので、アフタースポーツのリカバリー時はもちろん、日常使いにも適している。
また、トングタイプの「ORA RECOVERY FLIP(オラ リカバリー フリップ)」も展開。こちらもソールはヒール部が33mm、前足部が27mmの厚さとなっている。スライドタイプかトングタイプかは、好みで選んで問題ない。
もちろんHOKAアスリート、アンバサダーたちもレース後にはリカバリーシューズ&サンダルを活用しているそう。運動後のリカバリー効率を高めたい人、移動時やデスクワーク時に足をリラックスさせたい人は、ぜひ試してみてほしい。
デッカーズ ジャパン HOKA シニア フィールド サービス レップ。シューズのスペシャリストであり、ランナーでもある。写真は年2回デッカーズで行われるグローバルボランティアウィーク「アート・オブ・カインドネス」で、走った距離だけ寄付をするプログラムに参加し、福島県の相馬市まで(約350km)を4泊5日かけて走ったときのもの。
Text by Fumihito Kouzu