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2024.02.06

着ると違いがわかる「karrimor(カリマー)」の「サーマルハーフジップ(thermal half-zip)」

アウトドアショップで各社の製品を見ると、フリースの機能が非常に進化していることがわかる。従来通りにフリースと呼んでいいのか戸惑うほどだ。そこで今回は、とくに軽くて薄くて肌触りがよく、しかもストレッチが効いて暖かい「カリマー」の「サーマルハーフジップ」について、カリマーインターナショナル株式会社商品部の狩野ゆかりさんに詳しく話を聞いた。
サーマルハーフジップ 17,600円(税込) カラーは写真のDigital Mintと、Blackの2タイプ。サイズはXS、S、M、L、XLの5タイプ。姉妹品でフルジップのサーマルフーディ 19,800円(税込)もあり
サーマルハーフジップ 17,600円(税込) カラーは写真のDigital Mintと、Blackの2タイプ。サイズはXS、S、M、L、XLの5タイプ。姉妹品でフルジップのサーマルフーディ 19,800円(税込)もあり

中空糸「Octa 」をダブルラッセル編みした生地を、スライスで半裁してある!

さりげない外見ながら高い機能を備えている「サーマルハーフジップ」にどんなテクノロジーが生かされているか聞く前に、まず一目でわかる特徴として、胸のポケットが右側についている。これにはどんな意図があるのだろう?
収納物が左にばかり重なることを避ける、右側に�配置したチェストポケット
収納物が左にばかり重なることを避ける、右側に配置したチェストポケット
「アウターとのレイヤリングを考慮して、ミドルレイヤー(中間着)として着用した場合にポケットの収納物が左側にばかり集中しないよう、右側にチェストポケットを設けました。アウターの胸ポケットには素早くアクセスしたいもの、たとえば地図や行動食などを入れておき、肌に近いミドルレイヤーの胸ポケットには携帯やカイロなどを入れるのが、おすすめの使い方です」
スキー場など外気温の低い場所に行くと、携帯のバッテリーの減りが早い。低温になるのを避けるには、アウターよりミドルレイヤーのポケットに入れたほうがいい。カイロもアウターよりミドルレイヤーのポケットが適しているだろう。ちょっとしたことだが、ポケットが左胸ばかりにあるより、左胸と右胸に分かれているほうが合理的だ。
さて、手触りがソフトで軽くてストレッチ性が高い、着心地のいい「サーマルハーフジップ」のことは、従来通り「フリース」と呼んでも差し支えないのだろうか?
「はい、大きな区分けでいうとフリースです。保温性・透湿性・ストレッチ性などを高めた高機能なフリースの一種ですね。どんなところに機能の高さが由来するか、表側だけ見てもわかりにくいかもしれません。裏地……正確には裏ではなく、生地を半裁して開いた内側になるのですが、『サーマルハーフジップ』の内側を見てください」

ブラッシングによる起毛ではなく、計算ずくの構造で得られる感触と機能性

タオル地のように見えなくもないが、タオル地よりさらに着心地がよく高機能
タオル地のように見えなくもないが、タオル地よりさらに着心地がよく高機能
どうすればそういうことが可能になるのか、ちょっと想像しづらいのだが、柔らかく織りあげた生地を表と裏の中間でスライスして2枚に開き、スライス面のループ状の側をウエアの内側に使っているというから驚きだ。
「吸汗速乾性に優れた中空糸『Octa 』は帝人フロンティア(株)さんが商標を持っている機能素材です。これをメッシュに編んだ製品なども市場にありますが、メッシュよりも保温性と透湿性、ストレッチ性を高めるべく、弊社の製品では『Octa 』をダブルラッセル編みにした生地を使用しています。これだけでも手間がかかっていますが、じつはさらに一手間、二手間かけて、『サーマルハーフジップ』に生かしています。
どのように生かすかというと、柔らかく編みあげた保温性・透湿性・ストレッチ性の高い生地をそのまま使うのではなく、生地の内部のループ状の構造がほつれたり毛玉になったりしないように、計算された薄さでスライスします。スライスした面が、いまご覧になっているウエアの内側です。肌に直に触れても心地いい、やさしい仕上がりですよね」
正直なところ、ショップで初めて製品を知ったとき値札をすぐ見て、フリースにしてはいいお値段だなと感じた。しかし、もともと保温性と透湿性に優れた機能素材をダブルラッセル編みにした上で半裁するという、見ただけではわからない技術の集積で成り立つ製品なのだ。ブランドの信頼あればこそ追求できるクオリティだろう。
「ダブルラッセル編みを半裁した生地の全体に、さらに抗菌加工『Polygiene BioStaticTM』を施しています。環境に配慮した銀イオン加工で、それなりにコストがかかるのですが、私たちはTシャツなどにもこの抗菌の技術をよく使います。『サーマルハーフジップ』はベースレイヤーではありませんが、肌に触れる着方も想定できる製品なので採用しています」
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