v13となる最新作は、ラスト(足型)の形状も見直され、よりロングライドに適した設計になったという。そのアップデートポイントを探りながら、「 フレッシュフォーム エックス 1080」の魅力を再確認したい。
「Fresh Foam」シリーズのフラッグシップ ニューバランスのランニングシューズは、「Fresh Foam(フレッシュフォーム)」シリーズと「FuelCell(フューエルセル)」シリーズの2軸で展開されている。前者は最高のクッション性を提供し、毎日のランニングをより快適なものにするコレクション、後者は最高のエナジーリターンを提供するレースデイシューズだ。「Fresh Foam」シリーズがランナーに提供しようとするベネフィットは、360°コンフォート。砂浜を走るようなクッション性を備えたソールユニットと、第二の皮膚のように感じられる足馴染みの良いアッパーを組み合わせ、ストレスの少ない心地好いフィット感と、快適なライド感を実現している。ミッドソールには、Data to Designのプロセスから導き出された戦略的な凹凸デザインにより、複数の素材を組み合わせることなく、クッション性と安定性を両立。クセのないスムーズなライド感もシリーズの特長となっている。
「フレッシュフォーム エックス 1080 v13」は、「Fresh Foam」シリーズのフラッグシップ的存在であり、ニューバランスランニングのイノベーションとクラフトマンシップを表現したシューズとなる。また、「Fresh Foam」シリーズは2024年で10周年となるが、「1080」はシリーズ内でもっとも長く継続されているモデルでもある。
フレッシュフォーム エックス 1080 v13。18,700円(税込) 2011年に登場した初代の1080 v1。ハイテク感のあるルックス 2016年に発売された1080 v6。ここからプラットフォームがフレッシュフォームとなった
今作はより長く走ることにフォーカス ニューバランス ランニングフットウエア担当の間宮葵さんによれば、「フレッシュフォーム エックス 1080 v13」は、より長く走ることにフォーカスしたモデルなのだという。「より快適にフィットし、長時間着用した際にも足にプレッシャーがかからないように、ラスト(足型)を見直しています。クセを抑え、タイト過ぎない、甲の部分に少しゆとりのある設計になりました。また、トウスプリング(爪先の反り上がり)が前作と比較して低く、長くなったため、ロングジョグやウォーキングへの対応力が増し、幅広いシーンで活用しやすいシューズに仕上がっています」
ミッドソールは前足部、踵部ともに前作よりも厚くなり、ドロップ(爪先と踵の高低差)は6mmに変更された(前作は8mm)。スピードや推進力よりも、快適性に重点を置いたロングライド向きのスペックになったと言えるだろう。
「ミッドソールの素材は前作よりも反発性、耐久性がアップし、軽量性にも 優れています。ミッドソールの厚さは増していますが、シューズの重量は30〜40gほど軽くなっており、軽やかな履き心地を感じてもらえるかと思います」
アウトソールのパターンも一新。走行時の軌跡データを基に、より接地から足抜けまでの重心移動をサポートする形状にアップデートされた。カヌーのようなソール形状との相乗効果により、スムーズに前方への重心移動が行える。
「踵で着地し、中足部の外側を通って、母指球および親指から抜けていく重心移動をガイドするような役割をアウトソールが果たしています」
アッパーには廃材ペットボトルから作られたリサイクル繊維を採用。通気性の必要な部分は目が粗く、サポート性が必要な部分は目が細かくなっている。またソフトで足馴染みが良いので、長時間着用していても苦にならないはずだ。
スムーズな重心移動をサポートする役割も果たすアウトソール 前作よりもソールの厚さが増している。ミッドソールは反発性、耐久性、軽量性が向上 ラスト(足型)も見直され、甲周りはゆとりのある設計になった