近年、ランニングシューズは厚底がメインストリームになっているが、2010年代前半はフラット(前足部と踵部の高低差が少ない)な薄底シューズで走るベアフットランニングが注目を浴びていた。
当時、ベアフットランニングを楽しむランナーから支持されていたシューズのひとつが、 ニューバランス の「 ミニマス(minimus) 」シリーズ。裸足に近い履き心地を実現し、本来人間の足に備わっている力を最大限に引き出すことをコンセプトとした同シリーズは、ランナー以外のアスリートたちのトレーニングシューズとしても、足の力を鍛えたい人たちの普段履きとしても人気を集めた。 そんな「ミニマス」が待望の復活。今回リリースされた2足は一体どんなシューズなのだろうか。
厚底全盛の今だからこその「ミニマス」復活 ニューバランスの「ミニマス」シリーズが登場したのは2011年の春。トレイルランニング用の「MT10/WT10」、ロードランニング用の「MR10/WR10」というモデルをリリース。2012年には、トレイルランナーのアントン・クルピチカと共同開発したモデルが発売され、話題になった。シューズ自体の機能を最小限に削ぎ落とすことで、足が持っているポテンシャルを引き出すことを目的とした 「ミニマス」シリーズは、当時ベアフット・ランナーについて書かれた『BORN TO RUN』(クリストファー・マクドゥーガル著)がベストセラーとなっていたこともあり、多くのランナーから注目された。しかし、現在は厚底全盛。どうしてこのタイミングでの復活となったのだろうか。
「パリ五輪の男子マラソンで入賞した 赤﨑 暁選手がFuelCell SuperComp Elite v4(フューエルセル スーパーコンプ エリート v4)を履いていたように、レースで勝つため、記録を残すためには、カーボンプレートを搭載した厚底シューズが欠かせなくなっています。
一方で、トレーニングで着用するものについては、カーボンプレートの入っていないもの、脚力を鍛えられる薄底のものを求めるランナーが多く、トップ選手の間でもトレーニング用のシューズは自分の脚と足をしっかりと使っている感覚が欲しいという声がありました。
また、厚底シューズの開発競争が進むなかで、技術が詰まったシューズに人間が合わせるのではなく、ミニマルなものでランニングやトレーニングをしたいという人も出てきました。
そんな状況下でニューバランスとして何ができるのか。その答えがLess is more(レスイズモア/少ないことが豊かなこと)をコンセプトにしたミニマスの復活だったんです」と、 とニューバランス ランニングフットウエア担当の間宮葵さんは言う。
ミッドソールには最先端素材を採用 今回リリースされたのは、トレイルランニングモデルの「NB minimus Trail(NB ミニマス トレイル)」と、トレーニングモデルの「NB minimus Training(NB ミニマス トレーニング)」。それぞれどのようなシューズなのだろうか。 タフなアウトドアシーンにも対応するアウトソールが採用されたNBミニマス トレイル。16,500円(税込)