あらゆるランナーのためのシューズとして、1983年に登場したナイキの「
ペガサス」。以来、多くのランナーのフィードバックとともに進化をし続け、信頼を勝ち取り、長きにわたって愛され続けている。
近年は、ナイキのカーボンプレート入り厚底シューズがランニングシーンを席巻したことで、それらのシューズをレースで履くランナーのトレーニング用シューズとして存在感を高めていると言えるだろう。「ペガサス」が愛され続ける理由はどこにあるのだろうか。そして、今年40周年を迎えた「ペガサス」は、前作からどのような進化を遂げたのだろうか。
ファンランナーからトップアスリートまで、幅広いレベルのランナーに支持されている「ペガサス」。快適な履き心地と、ランニングシューズに必要とされる機能をハイレベルでバランス良く備えている点が高く評価されている。
前足部とヒール部にズーム エア ユニットを搭載
シリーズ最新作となる「ナイキ ペガサス 40」は、端的には前作「ナイキ エア ズーム ペガサス 39」のソールユニットを踏襲し、アッパーがアップデートされている。まずは、ソールユニットの機能面を確認していきたい。「37」や「38」では、前足部のみにズーム エア ユニットが搭載されていたが、「39」からヒール部にも搭載されるようになった。ヒール部の反発性が高まり、さらにソールにフレックスグルーブ(屈曲溝)が追加されたことで、着地から蹴り出しまでの体重移動がよりスムーズに行えるようになっている。
ミッドソールの素材には、反発性と耐久性に優れたナイキ リアクト フォームをフルレングスで採用。2つのズーム エア ユニットとの相乗 効果で、クッション性と反発性の両方を絶妙なバランスかつハイレベルで実現している。
中足部と踵部のフィットがより快適に
アッパーのアップデートポイントだが、まず中足部のバンドが再設計され、よりサポート性を感じる足なじみの良いフィット感を実現している。そして、履き口周辺 のフォームが増えたことで、踵周辺のフィットも前作以上にソフトで快適になった。中足部と踵のフィットは、シューズと足の一体感を生み出すのに重要なポイント。そこが改良されたことで、履き心地のレベルが一段階高くなった印象だ。「長い距離、長い時間を走ったときによりわかりやすいと思うのですが、さらに横ブレがしにくい設計になっていると思います。踵や中足部のサポートがあまりなく、横ブレしやすいシューズの場合、前に進む力が逃げてしまうだけでなく、膝への負担も大きくなってしまいます。その点、ペガサス 40は安心して履けるシューズでしょう」
アッパーのメッシュの設計も見直され、心地よいフィット感はそのままに、通気性が向上している。シューズ内部のムレは、マメなどのトラブルの原因になる。高温多湿な日本の夏を快適に走ろうと思ったら、通気性の高さは必要不可欠な要素だろう。
冬場であっても、長い距離を走れば想像以上に足は汗をかくもの。ランナーでなくても、革靴やブーツを履いていて靴の中がムレた経験がある人ならお分かりいただけるだろうが、ムレはなかなかに不快なもの。気持ちよく走るなら、やはり通気性の高いシューズを選びたい。
「ペガサス 40」は普段のジョギングにはもちろん、フルマラソンで完走を目指すランナーのレース用シューズにもマッチしている。
「ランニングイベントでも、どのシューズがおすすめかと聞かれることが多いのですが、一足しか選べないならペガサス、迷ったらペガサスを履いてくださいと答えています。オールマイティで、万人におすすめできる、間違いのないシューズだと思います」