アウトドアブランドのパタゴニアと言えば、「シンチラ」を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。いわゆるフリースの代名詞となった商標で、すべてのフリースはここから始まったと言っても過言ではない。
今回、ポーラーテックの日本代理店であるSCTジャパンの蓮沼啓介さんに、フリースの開発に至るまでの経緯、そして多様な種類のフリースを展開するポーラテックの技術力を伺った。 PROFILE|プロフィール
蓮沼 啓介(はすぬま けいすけ)
株式会社SCTジャパン セールス&マーケティング部
2019年に入社し、ポーラーテックのエージェント業務を担う。
ポーラーテックの歴史を教えてください。
1865年に、ポーラーテックの前身となるモールデン・ミルズという紡績工場がアメリカのボストンで誕生しました。
ボストンは非常に寒い地域で、当時はウールを使ったアメリカ軍のコートや家具用のファブリックを作っていました。第2次世界大戦後には、ポリエステル繊維も扱うようになります。1950年代には、ファッション業界でフェイクファーが大流行し、モルデン・ミルズ社もその製造で、業績を上げていきました。
フリースの開発はどういった経緯だったのでしょうか。
フリースはパタゴニアの創業者であるイヴォン・シュイナードとモールデン・ミルズとの偶然的な出会いから始まります。
イヴォンはアウトドアクライマーでもあり、濡れてもすぐ乾く化学繊維に注目していました。そこで奥様のマリンダがロサンゼルスの卸売りセンターでフェイクファーを見つけて購入したらしいです。