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2024.03.25

サンバリア100が追求し続ける「完全遮光日傘」

「紫外線は肌に良くない」と、知っている人は多いだろう。紫外線はしみやそばかすの原因になるほか、肌の弾力低下などを招くこともある。なかには、日光にあたることで皮膚に発疹やかゆみが生じる日光アレルギーの方もいる。
株式会社サンバリア100の「完全遮光日傘」の製造・販売は、日光アレルギーの方との出会いから始まった。独自に開発した4層構造の生地は、紫外線カット率100%を実現している。
今回は、同社で取締役を務める辻本奈未さんに、素材や商品のこだわりについて話を伺った。
PROFILE|プロフィール
辻本 奈未(つじもと なみ)

2012年に株式会社サンバリア100入社。

必要とされるお客様に、満足していただける品質のものを

「完全遮光日傘」に使われているのは独自に開発した4層構造の生地。紫外線カット率100%を実現できている理由を教えてください。
傘の内側に使用している、黒のポリウレタンがポイントです。最近は、日傘の裏側にこの素材を使うことが半ば標準化しつつあります。
どれも同じように見える黒のポリウレタンですが、裏面の製法には「コーティング」と「フィルムラミネート」があり、大きく特徴が異なります。
簡単に言えば、コーティングは「塗る」、フィルムラミネートは「フィルムを貼る」です。コーティングは、塗りムラが出るので穴が開いてしまうんです。また、使っていくうちに黒いコーティングがポロポロと剥がれ落ちてきます。
そこで、弊社の「完全遮光日傘」は、太陽光が透過しないように傘の裏側に黒のポリウレタンフィルムラミネート2層を貼り付けています。1層ではピンホール(小さな穴)が生じるので、2層にしています。
最近は安価な完全遮光の日傘も販売されていますが、それはコーティング製法によるものであると言えます。
完全遮光の日傘は、4層構造のオリジナル生地が出来上がる前から作られていたそうですね。
1999年から2005年までの6年間は、カーテン用に作られた完全遮光生地で作った日傘を販売していました。当時販売されていた完全遮光生地はカーテン用だけで、傘用のものは世の中になかったんです。
そのうえ、カーテン用のものは、生地が分厚くて重い、防水加工がされていない、デザイン性に乏しい(日光を反射させるためシルバーが多い)などの問題がありました。傘用の生地にするにはこれらの問題をクリアする必要があるので、自社で生地を作るしかありません。
丸1年かけて試行錯誤を繰り返し、2006年に傘専用の完全遮光生地を完成させました。世の中にないものを作り出す作業になるので、「絶対に完成させる」という意志で、粘り強く試作を繰り返していました。
完全遮光以外にも、御社の製品の強みや特徴があれば教えてください。
特徴は、すべて弊社の完全オリジナルであることです。生地のデザインやカラーの開発はもちろん、糸の選定まで自社で行っています。長くご使用いただける商品ですので、飽きのこない、シンプルなデザインにこだわって生地の開発をしています。
高品質な傘を作り続けるために、取り組んでいることはありますか?
「サンバリア100の完全遮光日傘」を必要としてくださるお客様がいるので、その要求に応えるため、一般的な日傘よりも高い品質基準を定めています。その基準に沿って、弊社の「完全遮光日傘」は、職人さんの手で一つひとつ作り上げているんです。
品質が下がらないよう、職人さんたちにはとにかく繰り返し品質基準を伝え続けています。また、伝える際には「なぜその基準でないとお客様にとって良くないのか」など、きちんと理由もお話しすることを大事にしています。
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