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2023.08.10

ウィゴーが“趣味嗜好”や“界隈”に特化した研究所「WE LABO」を設立した理由と今後の展開

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株式会社ウィゴーは、自社スタッフによる趣味嗜好(界隈)特化型コミュニティSNSの運営を2020年秋より開始し、総フォロワー数は40万人を超えた。
例として、女子高生を中心とした「WEGO SCHOOLユース学園」(約15.3万フォロワー)、推し活に特化した「推シゴトメディア」(約6.4万フォロワー)、地雷系女子のコミュニティ「サブカル地雷」(約5.8万フォロワー)などを展開している。
さらに、この取り組みを踏まえ、2023年5月には各コミュニティの趣味嗜好に「リアルで深い」情報を提供し、「ヒト・コト・モノ・バ」を提案する機関として【WE LABO[ヒト・コト・モノ・バ]研究所】(以下、「WE LABO」)を発足した。
そこで今回、同社WEGO事業本部の増田達哉さんと、WE LABO所長の後藤千咲さんに、「WE LABO」設立の背景から、現在の取り組みと課題、今後の展開などについて伺った。

ウィゴーが「界隈」に着目した理由

WE LABOの設立に先立ち、「界隈」に特化したSNSをスタートしたきっかけは、同社のコーポレートステートメントにあったと、増田さんは語る。
「2020年の1月に、株式会社ウィゴーとして『YOUR FAN』(あなたのファン)という、コーポレートステートメントを策定しました。
『YOUR FAN』という意味には、お客様はもちろん、従業員も含めて、ウィゴーに関わるみなさんのファンであり続けたいということが、メッセージとしてあります。
そのなかで、弊社従業員の特徴として、さまざまな趣味嗜好や細分化されたカルチャー、いわゆる『界隈』に理解が深い店舗の販売員が全国に約1800人もいることが挙げられます。そんな人たちも巻き込みながら、各ジャンルに特化したSNSを運用することで、その『界隈』の人たちにとって有益なコミュニティを作れるのではないかと考え、複数のアカウントを立ち上げていきました。
また、『界隈』に着目した背景には、SNSプラットフォーマー側のアルゴリズムの変化もあります。近年、広く浅い情報を発信してもエンゲージメントが非常に取りにくい傾向が強くなりました。エンゲージメントの獲得には、より深く、濃い情報が必要になっています。
そうした状況と、コーポレートステートメントが合致したのが、従業員やお客様などが本当に好きな分野でコミュニティをつくる取り組みだったと言えます。
その結果、フォロワー数はどんどん伸びていき、アンケートを中心に有用な定量的データが取れることがわかってきたので、それらをコンテンツ化して情報を発信するために『WE LABO』を立ち上げました」
これまでも、特定の分野に詳しい「界隈」の従業員から、流行やヒット商品につながる情報はもたらされていたが、それはあくまで定性的なものだった。
「WE LABO」の取り組みにより、情報が定量化されたことで、商品開発チームとは異なる目線でのヒットアイテムが生まれていると、後藤さんは語る。
「SNSで女子高生にアンケートを取って、意見を反映したうえでの商品化などを行っています。スクールバッグやジャージでは『この色がいい』という声が上がった、熱量の高いカラーバリエーションを展開しました。
具体的にはパステルカラーやくすみカラーのものを販売したのですが、とても大きな反響があり、本当に欲しい色味は実際にその界隈の人に聞いてみないとわからないと実感しました」
「自分たち軸」ではなく「界隈の人たち軸」で、本当に必要とされている商品や情報を提供することを大切にしていると、増田さんも語る。
「これまでアパレル業界では『今年の秋の売れ筋商品を中心的にPRしていく』といったように、自分たち軸の情報発信が多かったと思います。
もちろんその視点も必要ですが、お客様が『私たちのことをわかってくれているな』と思ってもらえるような商品をリリースしたり、情報を発信したりすることが一番求められていると思います。
そのため、アンケート調査では、はじめにその商品や情報が実際に求められているのか、興味があるのかを聞き、ふるいにかけます。
それを踏まえて、より深く掘り下げる作業を行い、コンテンツとして発信します。その結果として、たとえば商品紹介では自社商品以上に他社商品のほうが多くなることも多いですね」
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