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【リレーコラム】心理学者はアナログの平織りに何を視るのか―「絣」という心を測るツール(須藤竜之介)

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PROFILE|プロフィール
須藤竜之介
須藤竜之介

博士(システム生命科学、九州大学)。一般社団法人九州オープンユニバーシティ研究員。専門は社会心理学や道徳心理学だが、伝統工芸や地域行事に関するフィールドワークをきっかけに、近年は文化とその持続可能性に関する研究も行っている。主なフィールドは福岡県八女市、高知県吾川郡いの町、長崎県対馬市。研究と並行して、久留米絣に関わる活動でmonpers、土佐和紙に関わる活動でWashi+に携わっている。

その柄を見て何が浮かぶ?

次のいくつかの画像を見てほしい。そして、それぞれの正方形の画像に描かれた柄が、どこの国に由来するものかを予想してみてほしい。あなたは、それがどの国の柄かわかるだろうか?次に、それぞれの柄の好みについて、7点満点で採点をしてみてほしい。どの柄に魅力を感じただろう?正解はのちほど紹介したいと思うが、私はこういった視点から人々の柄の好みに関する研究をしている。
ある国のテキスタイルを正方形サイズにトリミングした画像(筆者私物を筆者撮影)
ある国のテキスタイルを正方形サイズにトリミングした画像(筆者私物を筆者撮影)
と言いながら、私の専門分野はテキスタイルや繊維、あるいはマーケティングといった分野ではない。普段は、道徳や環境に関する心理学の研究を行っている。大学院生の頃にひょんなことから持続可能社会に関するプログラム[1]に参加し、そのカリキュラムのなかでいろいろな地域の現場に訪れた。そうしたなかで縁あって通い続けた福岡県八女市や高知県吾川郡いの町で、久留米絣と土佐和紙という伝統工芸とそれを取り巻く人々に出会い、関わることに。このような経緯で、研究者という立場を越えた一個人として、苦境に立たされた伝統工芸を振興する活動にも参加するようになっていく[2]。そういった実践的な試みを続けていくとともに、やはり私は研究者でもあるので、あらためて専門分野である心理学を活用した貢献の形を模索し、先述のような研究をはじめたというわけである。
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