PROFILE|プロフィール
Yoshiko Kurata
ライター / コーディネーター
1991年生まれ。国内外のファッションデザイナー、フォトグラファー、アーティストなどを幅広い分野で特集・取材。これまでの寄稿媒体に、Fashionsnap.com、HOMMEgirls、i-D JAPAN、STUDIO VOICE、SSENSE、VOGUE JAPANなどがある。2019年3月にはアダチプレス出版による書籍『“複雑なタイトルをここに” 』の共同翻訳・編集を行う。CALM & PUNK GALLERYのキュレーションにも関わっている。[Photo by Mayuko Sato]
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700年程の歴史をもつファッションは、これまで時代の潮流と同期して、呼応するようにプレイヤーたちが数々の「ゲームチェンジ」を起こしてきた。例えば、退屈な雰囲気にスッとメスを入れるようにじわじわとさざ波をたてるものもいれば、ド派手に登場して話題を巻き起こすものもいれば、多種多様なスタイルで時代をひっくり返し、新しい着地点へと促す。
それは決してファッションデザイナーだけではなく、フォトグラファーもモデルもジャーナリストもみんなが「ゲームチェンジ」させるために熱を込めていくものだと思う。
さらにこの10年を振り返ると、ファッションはよりファッションの言語を越えて、デザイナーたちと彼らを取り巻く周りのコミュニティ ーアーティスト、ギャラリー、ミュージシャンなど ー が持つバックグラウンドこそがブランドの個性と価値として強く映り、SNSや公の場での彼らの声が幾度となく広がることで多重にも新しい息吹をもたらしてきた。
「ゲームチェンジ」の原点
わたしがその洗礼を始めて肌で感じたのは、2012年に訪れたロンドンファッションウィークだった。 当時は、まだ学生ということもあり、ショー会場には入れなかったもののメイン会場「サマーセットハウス」に行けば、たまり場のように同世代の学 生がたむろして、そこでお互いの装いを通して、コミュニケーションが自然発生するような光景があった。(もちろんこっそり入れたアフターパーティもしかり)