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背中に“吸い付く”一体感:Able Carry(エイブルキャリー)が「無重力バックパック」と呼ばれる理由
香港を拠点とするバックパックブランド「Able Carry(エイブルキャリー)」は、今や多くのビジネスマンや業界人が注目している。その魅力は都会に馴染む洗練されたミニマルデザインと、徹底的に設計された構造による荷重の分散にある。
なぜ「エイブルキャリー」はPCや資料を詰め込んでも、軽快に持ち運ぶことができるのだろうか。その秘密を明らかにするために、ブランドの日本展開を担う株式会社ハイマウントの菊地敬文さんへ取材を行った。
PROFILE
菊地 敬文(きくち たかふみ)
株式会社ハイマウント
営業企画部のマーケティンググループマネージャー
満足するバックパックがない
2017年に発足した「エイブルキャリー」は、世界中からバックパックを輸入して販売する小売店「ZIXAG SHOP」を前身とするブランドだ。さまざまな商品を扱うなかで、本当に自分たちの満足のいくものを提供できているのかという根本的な疑問を持ったことから、「エイブルキャリー」の開発物語は始まった。市場に流通するバックパックを熟知しているからこそ、既存の商品の限界やユーザーからの悩みの声も拾うことができた。そこで明らかになったのは、私たちがバックパックを背負うときに感じる体への負荷は、荷物の重さもさることながら、重力による垂れ下がりにも問題があるということだった。
「垂れ下がらないバックパックを作れば、体感重量を軽減できるのではないか」。その着想から「エイブルキャリー」の代名詞である「A-Frame」が誕生する。しかもその構造は、単に垂れ下がりを防止するだけでなく、見た目のスマートさも提供するものだった。
無重力感!? A-Frameの仕組みとは
「A-Frame」とは、文字通り、アルファベットのAの形を描くように配置された1本のベルトのことだ。バッグの底部からショルダーストラップまで、まるで赤子の抱っこ紐のように、バックパック全体を包み込むような構造となっている。それにより、バックパックの底面を下から支えるだけでなく、荷物の重みが下方向へと沈み込むのを抑制できる。
A-Frameの具体的な効果はどのようなものなのか。
「見た目は単なるベルトのようですが、これが底面から体に密着する背面まで続いていることで、荷重を効率的に分散できます。それによって、まるでバッグが背中に吸い付くような一体感を感じられると思います。ちょっとした小走りなど、都市生活における細かな動きの中でもバッグが揺れにくく、それが無重力感と言われる所以です」
シンプルな構造ゆえに、徹底された計算がされつくされている。荷重の分散効果を最大限に発揮するために、細部にも注目したい。その点において菊地さんは、興味深い逆転現象が起きていると話してくれた。
「実は、無重力バックパックという言葉が独り歩きしていて、『エイブルキャリー』の商品それ自体が軽いと思われることが多いのですが、そうではありません。むしろ、他社さんのものよりも重いと思います。でもそれは、大量の荷物に耐えるために必要な重さです。背負った瞬間にその快適さを実感できるのが、『エイブルキャリー』の真の特徴なのです」
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耐久性を高めるために、バックパック自体の重さを確保し、さらにコーデュラナイロンやX-Pac(エックスパック)という素材を用いることで、耐摩耗性や引き裂き強度、擦り切れの防止なども考慮されている。
「プライベートを大事にするお客様も増え、仕事帰りにそのままジムに行ったり、遊びに出かけたりできるよう、さまざまなシーンを想定し、それらに耐えられる構造になっています」
こうして「エイブルキャリー」を代表するバックパックである「Daily Backpack(デイリーバックパック)」、そしてその進化形「Daily Plus(デイリープラス)」は、広く受け入れられてきた。
都会のさまざまなシーンに合わせたラインナップ
「エイブルキャリー」の人気の秘密は、A-Frame構造もさることながら、かゆいところに手が届くその設計にあった。ふだん使いにちょうどいい容量21Lの「Daily Plus」、中でも高い評価を受けているのが隠しジッパーだ。メインのファスナーの横に独立したポケットがあり、ここにモバイルバッテリーや配線類だけでなく、水筒や折りたたみ傘などを収納できるようになっている。
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また、メインのPCスペースの前にさらにスリーブが追加され、タブレットなどを収納できるようになった。こちらも、現代人の生活スタイルの変化に応じての改良のようだ。
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こうした、あると便利なポケットが各所に配置されている。人気の「Daily Plus」に加え、より多くの荷物を運ぶ必要があるときや、2泊3日などの旅行にも適した「Max EDC」や「Max Backpack」、そこまで荷物が多くない人や女性にも人気のある「Thirteen Daybag」など、用途に合わせて選択できるのもうれしい点だ。

機能性で勝負するミニマルデザイン

今でこそ非常に人気の高い「エイブルキャリー」のバックパックだが、実はブランドを立ち上げる前にプロトタイプをひっそりと販売し、その性能の高さに対する評価の裏付けを取っていた。
「ZIXAG SHOPの店頭で、あえて自社製品であることを伏せて、他のブランド製品と並べて陳列していました。店員は特別な売り込みをしなかったにもかかわらず、多くのお客様がこのプロトタイプを手に取り、気に入ってくださったのです。『このバックパックは何か違う』と感じていただけたのでしょう」
有名ブランドという先入観を排除し、純粋に機能性だけでの勝負という戦略は見事に功を奏した。この考え方は今も受け継がれており、ブランドロゴを極限まで目立たせないミニマルなデザインとなっている。
「お客様からは、ロゴが目立たないから、ビジネスシーンでもプライベートでも使いやすいと好評です。特に女性からは、スポーツブランドのような大きなロゴが入っていない、控えめなデザインが高く評価されています」
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徹底されたミニマルデザインだからこそ、アクセサリーも充実しており、コードケースや着替え入れ、シューズ入れにも活用できるアイテムが用意されている 。ベーシックなアイテムだからこそ、アレンジ次第で自分好みの仕様にできるというわけだ。

小売店時代の課題意識から端を発し、A-Frameという技術的な革新を生み出し、ブランドを主張しないデザインを貫く「エイブルキャリー」。その製品は、機能美を求めるアクティブな利用者にとって、ひとつの完成された答えなのかもしれない。














