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Made in japanのAIR rubberブランド 「buntA」の可能性と未来
1948年に創業して以来、靴のアウトソール・インソール素材メーカーとして日本人の足元を支えてきたファクトリーから誕生したラバーブランド、「buntA(ブンタ)」。独自配合のAIR rubber(エアラバー)は、機能性にも安全性にも優れた素材だ。
「buntA」は、そのAIR rubberを採用したさまざまなプロダクトを展開。中でも高い人気を誇っているのがサンダルだ。「buntA」のラバーは一体どんなものなのか。株式会社富士高圧の代表で、「buntA」のプロデューサーでもある東田文太郎さんに話を聞いた。
神戸で生まれた独立気泡の発泡ラバー技術
「独立気泡の発泡ラバーというのは、1951年に神戸の長田地区で世界で初めて開発されたものなのです。それがビーチサンダルという形になって、ハワイを経由して世界中へと広がっていくことになりました。buntAを展開する株式会社富士高圧プロダクツの母体である株式会社富士高圧は、創業以来、我々がAIR rubberと呼んでいる独立気泡発泡ラバーを作り続けてきました。実は、私が家業を継いだときには、この独立気泡発泡ラバーが神戸の長田生まれであることを知りませんでした。
弊社のラバーがどのレベルにあるのか、強み、弱みはどこにあるかを知るために、ヨーロッパ、中国、東南アジアのメーカーを巡っている際、発泡体に強みがあることがわかり、調べてみると神戸の長田が独立気泡発泡ラバーの元祖だという事実がわかったのです」
2010年に開発された歩行専用ラバー「マシュマロ」が、後の「buntA」立ち上げにつながっていくことになる。
「新しいインソールを開発したいという思いから、素材の研究をスタートしました。それまでのインソールでは、衝撃を吸収する低反発素材か跳ね返す高反発素材か、そのどちらかを選択するしかありませんでした。
しかし、実際の歩行は”着地”と”蹴り出し”の連続です。着地時には衝撃吸収性が必要であり、次の一歩を踏み出すときには反発が必要になります。歩行においてどちらも欠かせない要素であるはずなのに、どちらかしか選べないという現状はいかがなものかと。
そこで研究を重ねた結果誕生したのが、衝撃を吸収する低反発と次の一歩を助ける高反発という相反する機能を一つの素材で両立させたマシュマロになります」
マシュマロは神戸の医療機関で医療用インソールの素材として採用されるようになり、“魔法のゴム”と呼ばれるようになる。その評価をきっかけに、オーダメイド医療用インソールを製造する株式会社神戸装具製作所が設立される。
そして、長年のラバーの製造技術や医療現場で得た知見を、より広く社会に還元するために株式会社富士高圧プロダクツを創業。足元から健康を導く「waraji sandal(ワラジ サンダル)」を核としたブランド、「buntA」が2020年にスタートした。
「buntA」のAIR rubberとはどんなものなのか
「buntA」のAIR rubberは、多種多様な合成ゴム・天然ゴムにEVA(エチレンビニルアセテート)を配合したものだ。EVAの短所である弾力性のなさをゴムで補い、ゴムの短所である耐候性・耐久性の低さをEVAで補い、お互いの長所を最大限引き出している。次に挙げる5つが大きな特長だ。 ・高反発性と低反発性(衝撃吸収性)を兼ね備えている
・軽量性、耐久性、耐水性に優れている
・クッション性に優れ、長時間の使用でも快適
・抗菌仕様に加え、洗剤での水洗いが可能で常に清潔に保てる
・環境に配慮した製造プロセスを採用している
さらに、「buntA」が展開するプロダクトは、マシュマロ(Marshmallow)、モチーズ(Mochees)、カステラ(Castella)、クリーム(Cream)という4つの素材から作られている。
「医療装具にも採用されている、もっともプレミアムな素材がマシュマロです。モチーズはより幅広い用途のために開発した素材で、マシュマロのような柔軟性がありながら、耐久性と耐候性にも優れています。
カステラはbuntAのラバーの中で最大の気泡を持つ、最軽量の素材。軽さ衝撃吸収性に優れ、水や汚れが内部に浸透しないという特徴もあります。クリームは、究極の柔らかさを追求した素材で、肌触りはその名の通り、クリームのように滑らかです」




サンダルを中心にさまざまなプロダクトを展開
「buntA」は「waraji sandal」を主力としたhakimono(はきもの)、ヨガマットなどのshikimono(しきもの)、バッグなどのtsukurimono(つくりもの)を展開している。たとえば、ルームシューズにはクリーム、ヨガマットにはモチーズといった具合に、プロダクトに合わせて最適なラバーがチョイスされている。 独自のラバー開発力、最終製品へと加工する技術力を駆使し、神戸で生まれたAIR rubberを世界へ。Made in japanのラバーブランド、「buntA」の挑戦はこれからも続く。





PROFILE
東田文太郎(ひがしだ ぶんたろう)
株式会社富士高圧 代表取締役社長
buntAプロデューサー
甲南大学経済学部卒業。富士ゼロックス(現富士フイルムビジネスイノベーション)を経て、家業継承のため株式会社富士高圧に入社。2014年、高反発と衝撃吸収を併せ持つ独自素材「マシュマロ」の開発を機に株式会社神戸装具製作所を創業。世界特許を取得した医療用インソール「mysole」を開発する。2019年、株式会社富士高圧プロダクツを創業し、翌年には自社の独立気泡の発泡ラバー技術とmysoleメソッドを融合させたラバーブランド「buntA」を始動。現在は素材からプロダクトまでの一貫生産体制を構築し、世界市場を視野に多分野での可能性を追求している。
Text by Fumihito Kouzu















