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シンプルなデザインとサステナブルなものづくり: LA発の「CLAE(クレイ)」が感度の高い大人の心を掴む理由

2025.02.16
個性的なモデルがひしめく現代のフットウエアシーンにおいて、ロサンゼルス生まれの「CLAE(クレイ)」は異彩を放つ存在だ。
そのデザインはじつにシンプル。ベースはローテクで、サイドパネルのロゴも見当たらなければ、カラーリングも奇をてらわない。
それにもかかわらず、2001年のローンチ以降、愛用者は増え続け、今では50ヶ国で展開されるグローバルブランドに成長を遂げている。
なぜ、CLAEは人々の心を惹きつけるのか? 削ぎ落とされたシンプルデザインからにじみ出る唯一無二の魅力に迫ろう。

PROFILE

久保 麻由(くぼ まゆ)

株式会社リーガルコーポレーション
商品企画部 CLAE担当MD

ロサンゼルスで設立されたライフスタイルフットウエアブランド

ブランドが誕生した背景を教えてください。
2001年に、ロサンゼルス在住のファッションディレクター、Sung Choi氏によって設立されました。
ブランド名の由来は「CLAY(粘土)」から。職人技と創造性を象徴する未加工の基礎素材からインスピレーションを得ています。
シンプルなデザインはどのようにして生まれたのですか?
1990年代の終わり頃、フットウエア業界では、特大のロゴや奇抜なデザインのシューズが流行していました。
ただその一方で、落ち着きのあるシンプルで機能的なデザインを求める人もいました。CLAEはそんな都市で暮らす大人たちのために作られました。
Sung Choi氏は、クラシックなカジュアルシューズを現代風にアレンジしつつ、スニーカーのコンフォート性を融合させました。そしてデザインは極力シンプルに。あらゆるスタイリングを引き立て、幅広いシーンにマッチする飾らないデザインは彼の理想をかたちにしたものです。
ブレイクのきっかけは?
ヨーロッパでは、ミニマルなデザインとサステナブルな取り組みが高く評価され、パリの老舗百貨店での取り扱いやコラボレーションモデルの展開が実現しました。また、ラグジュアリージュエリーブランドの旗艦店や美術館でユニフォームに採用されるなど、幅広いシーンでブランドの存在感が広がっています。
日本への上陸も早く、2002年くらいからすでに一部のモデルがセレクトショップで展開されていました。
2020年には株式会社リーガルコーポレーションが正規代理店となりました。現在は百貨店を中心に全国に販路を広げています。

デザインから生産まで、サステナブルを重視したものづくり

生産拠点はどこに?
ベトナムのホーチミン市にあるスニーカー工場です。ベトナムはスニーカー作りのスペシャリストが多いことで知られ、なかでもこの工場は、高い技術力を持つ職人が多数在籍しています。
CLAEのスタッフも駐在し製造プロセスを管理しています。廃棄物の削減、エネルギー効率の向上などの取り組みを行い、持続可能な製品作りを実現しています。
使用する素材の一つひとつにもサステナブルを意識しているとか。
アメリカの西海岸は環境への意識が高い場所です。また、設立者自身もフットウエアの生産が環境に及ぼす影響に懸念を抱いていました。
「BRADLEY ESSENTIALS」25,300円(税込)
どのようなサステナブル素材を使っているか、代表作の「BRADLEY(ブラッドレイ)」を例に説明しましょう。
まず、アッパーとライニングには、革産業の環境基準を策定し認証を行う国際的な団体であるLWG(レザーワーキンググループ)が認証したタンナーが生産した、イタリアンレザーが使用されています。
靴紐はGOTS(Global Organic Textile Standard:オーガニック・テキスタイル世界基準)の認証を受けたオーガニックコットン製、インソールの素材はGRS認証を受けたリサイクルのポリウレタンフォームを使用しています。
GRS(Global Recycle Standard)認証とは、製品に含まれる原材料のうち、リサイクル成分が50%以上であることに加え、有害物質を含む化学品の規制などをクリアした厳格な認証です。
すべてのソールには、ベトナムで持続可能な方法で調達された天然ゴムが約30%使用されています。もちろん靴箱やラベルにもリサイクル紙が使われています。

植物由来のヴィーガンマテリアルやリサイクル素材にも注目

「BRADLEY KNIT」24,200円(税込)
注目の素材はありますか?
2025年春夏シーズンに登場する「BRADLEY KNIT(ブラッドリー ニット)」をご覧ください。このモデルのアッパーのパーツには、サボテン由来の「DESSERTO® Cactus(デザート カクタス)」が使用されています。
レザーのようですが、サボテンなのですか?
成熟したサボテンの葉状茎からタンパク質と繊維を抽出して作られる植物由来の合成皮革です。
サボテンを用いることで、土壌の生物多様性の強化をはじめ、水の節約、除草剤や殺虫剤を使用しないことによる環境保護などさまざまなメリットが期待できます。
ニット部分は「SEAQUAL® YARN(シーコール ヤーン)」という糸で編まれたもの。
これはスペインの海洋保護団体「SEAQUAL INITIATIVE(シーコール イニシアチブ)」が生産している海洋プラスチックゴミを使用したリサイクルポリエステル糸です。
テンセルやオーガニックコットンとブレンドすることで、強度、吸水性、速乾性に優れた素材が出来上がります。
「BRADLEY」のほかにも、ラインナップは多彩ですね。
一番人気はやはり「BRADLEY」ですが、「JOSHUA(ジョシュア)」や「SALAZAR(サラザール)」も人気です。
「JOSHUA」26,400円(税込)
「JOSHUA」はレトロなトレーニングシューズをベースにしたモデルで、メッシュアッパーとワッフルソールが特徴です。素材の100%が非動物性で、約70%がリサイクル素材です。
「SALAZAR」35,200円(税込)
「SALAZAR」は、ブランド史上トップクラスのコンフォート性を実現したランニングシューズです。アッパーは認証レザーとリサイクル素材をシームレスに組み合わせたもので、ソールにはVibramと共同開発したオリジナルデザインのVibram XS TREKが採用されています。
設立から約四半世紀。グローバルブランドへと成長したCLAEですが、今後はどこへ向かうのでしょう?
設立者のSung Choi氏が一日中履いていたいフットウエアを作る、というスタイルは変わりません。
それは時代に左右されることなく、幅広いスタイリングにマッチし、昼から夜へ、仕事から遊びへそのまま移行できる万能のフットウエアです。
今後はオーガニックやヴィーガン、リサイクル、アップサイクルといったサステナブルな素材をこれまで以上に多用し、環境に配慮したフットウエアを拡充していきます。

デザインだけでなく、ものづくりまでもがクリアなCLAE。この透明感こそが世界中の大人たちを惹きつける所以だろう。

Text by Ryota Osujo

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