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ゴアテックスウェアは自宅の洗濯機で洗うべし! 徹底的に汚れを落とす「フレディ レック」の専用洗剤の秘密に迫る
雨風をしのぎつつ快適な着心地をもたらしてくれるゴアテックスウェアは、アウトドアに不可欠の素材と言える。その性質から、着用したら表面の汚れをささっと取り除いて、風を通すといった簡単な手入れだけで済ませる人も多いだろう。
だが、それがゴアテックスの撥水性を損なわせる原因だとしたら、どうだろうか。
同社の坂口さんは「ゴアテックスウェアは洗うからこそ、高い撥水性が保持できる」という。その仕組みはどのようなものなのか。専用洗剤の開発秘話と共に、そのからくりを伺った。
PROFILE
坂口 佳(さかぐち けい)
株式会社 藤栄
FREDDY LECK(フレディ レック)企画・開発
ドイツの「フレディ レック・ウォッシュサロン」の考えを日本でも
コインランドリーの文化が根付くドイツに「フレディ レック・ウォッシュサロン」が誕生したのは2008年のことだった。洗濯の場をより綺麗に、そして居心地のいい場所にしたいという考えから、フレディ・レック氏がベルリン北部のモアビットという町でコインランドリーをオープンした。
どういった理由で日本にやってきたのだろうか。
「当時の日本では、コインランドリーは『よく銭湯に併設されている』という存在でした。ある日、弊社の社員が雑誌でフレディ・レック氏のコインランドリーを知り、『前向きな心とライフスタイルをランドリーシーンから』という彼の想いに感銘を受け、すぐさまドイツに足を運んだようです」
話はトントン拍子で進み、日本でも2010年にフレディ レック事業がスタートした。ドイツのデザインが持つ合理性や機能性・インテリア性に焦点を当てたランドリーアイテムに着想を得て、日本オリジナルの商品の開発に着手していった。
「日本で商品を企画・開発してきたのは、環境や文化がまったく異なるからです。たとえばドイツは硬水なので、洗濯時にはお湯を使わないと汚れが落ちません。それに対して、日本は軟水なので、水質の違いから洗剤は国内向けの製品を独自で開発する必要がありました」
こうして日本の文化や環境に適した商品開発を行ってきたフレディ レック。満を持して販売を開始したのが、アウトドアウエア専用の洗剤だった。
ゴアテックスウェアは洗ったほうがいい理由
「アウトドアウェアウォッシュ」の開発は、2019年にGORE-TEX BRANDが行った洗濯ワークショップがきっかけだった。「GORE-TEX BRANDさんは、洗濯をしたほうがウエアが長持ちするという啓蒙活動の一環として、このワークショップを企画しました。弊社は会場を提供すると同時に、インスタグラムでアンケートを取りました。
『ゴアテックスウェアを洗濯してますか』という質問に対して、なんと8割の方が『洗っていない』と答えたのです。そもそも洗っていいものなのか、洗ってはいけないものだと思っていたという声もあり、あらためて正しい情報を広めること、そして専用洗剤の必要性を見出しました」

水を弾くのだから洗濯しても意味がないのではと感じてしまう気持ちもわかるが、それが撥水力の低下する一番の理由だと坂口さんは教えてくれた。
「ゴアテックスウェアの3大機能である防水・透湿・防風は、ゴアテックスメンブレンという内部のフィルムが担っています。その外側にナイロンなどの生地を重ねているわけですが、そこにDWR(耐久撥水加工)がされています。
撥水基といって、細かい起毛があるような構造で、水滴がその上を転がることで撥水機能が発揮されます。しかし、その撥水基が汚れによって寝てしまうことで、水が生地表面に広がってしまいます。
もちろんメンブレンによって水そのものは内側には入ってこないですが、水分を含んで衣服が重くなったり、透湿性が損なわれたりといったデメリットが出てくるのです」
高性能なゴアテックスウェアを着用しても、しっかりと手入れをしなければ効果は長続きしない。見た目は綺麗でも、ミクロな世界では汚れが蓄積している可能性があるため、定期的に洗濯する必要があるということだ。
柔軟剤や香料はゴアテックスウェアの敵

ふだんの衣服と同じように洗濯すればいいのなら、アウトドアウエア専用の洗剤を開発する必要はないのではと思ってしまうが、それは違うという。
「一般的な洗剤に入っている抗菌剤や柔軟剤、香料といったものは、生地の表面に残留することで効果を発揮するものになります。ところがゴアテックスウェアの場合、生地表面に柔軟剤や香料が残ってしまうと、撥水機能の妨げになってしまいます。
ですから、余計な成分を取り除いた洗剤が必要でした。
『アウトドアウェアウォッシュ』は高い洗浄力のある弱アルカリ性で、生地の汚れを綺麗さっぱり落とせる界面活性剤メインの処方にしたことで、生地表面には余分な成分が残りにくいのが特徴です」
撥水加工の仕組みを知るからこそ、特別な洗剤の必要性を理解していたフレディ レック。洗剤以外にも、ゴアテックスウェアを洗う際に注意すべき点があるのか聞いてみた。
「基本的には洗濯タグに従ってください。そのうえで、ファスナーを閉めてあげると洗いムラも抑えられますし、撥水加工がされている表面をより集中して洗濯できます。その後、必ずすすぎは2回以上行い、洗剤が残らないようにしてください」
さらに、撥水基を立たせるという点を意識するならば、洗濯したあとに乾燥機にかけたり、当て布をしてアイロンをするなど熱を加えることで、より本来の撥水機能を感じられるようになるという。
愛用品を長く使ってもらうために
これだけのこだわりが詰まった「アウトドアウェアウォッシュ」だが、この商品が生まれたワークショップは今後も行われるのだろうか。
「定期的に洗濯ナイトというイベントを開催しています。時にはゲストをお呼びして、お悩みに合わせた汚れ落としの方法をご紹介しています」
専門的な衣類のため、洗濯の仕方を教えてくれる場所というのは貴重な存在だろう。フレディ レックでは、「アウトドアウェアウォッシュ」だけでなく、デニムやスニーカー、さらにはメイク汚れに特化した洗剤も開発された。
「弊社は、洗濯は単に汚れを落とす作業だけでなく、衣類をケアするものだと考えています。洗濯することによって、風合いが戻るような洗剤も開発中です」と坂口さんは教えてくれた。
あらためて、どのような層に「アウトドアウェアウォッシュ」が届いてほしいか聞いてみた。
「アウトドア系の衣類は高価であり、ファッション性の高いものでもあります。最近ではふだんの通勤時に着用されている方も見かけるようになりました。
そうした方々にも、いいものを、より長く着用していただくために、洗濯は定期的に行ってほしいこと、そして専用の洗剤があるということを伝えていきたいです」

坂口さんが語るように、撥水力が落ちてきて買い替えを検討していた方は、「アウトドアウェアウォッシュ」で洗濯してみてはどうだろうか。
愛用品が購入時の輝きを取り戻すかもしれない。













