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国井栄之のKICKS OF THE WEEK

2026年の最初に履きたいキックスは、ASICS SportsStyle(アシックス スポーツスタイル)「GEL-YETITOKYO HI GTX(ゲルイエティトウキョウ ハイ GTX)」

2026.01.07
「ミタスニーカーズ」のディレクターである国井栄之さんが、毎週、独自の視点で気になるスニーカーをピックアップして率直な主観で語る動画「国井栄之のKICKS OF THE WEEK」との連動企画。
第7回は、「2026年の1発目に履きたいキックス」というお題でスニーカーを選んでもらった。そのテーマに対して「ASICS SportsStyle(アシックス スポーツスタイル)」の「GEL-YETITOKYO HI GTX(ゲルイエティトウキョウ ハイ GTX)」を紹介する。なぜこのモデルを2026年の最初に履きたいのか、その理由を国井さん本人に聞いた。

トレンドに左右されない、ある意味“持続可能な”チョイス

激動の2025年が終わり、幕開けした2026年。今年最初のお題は「国井さんが選ぶ2026年の1発目に履きたいキックスは?」というもの。そのテーマについて国井さんはこう答えてくれた。
「“Y2K”というトレンドを牽引してきた『アシックス』ですが、2025年は本当に街で見る機会も多く、ここ数年を象徴するスニーカーといっても過言ではありません。
ただ、ここ最近は“Y2K”というトレンドが終息し始めています。僕たちは靴屋なのでトレンド云々だけで商品を見ていませんし、きちんとそのブランドの顔として売り続けていくのがお店としての勤めであり、矜持だと思っています。
オールブラックの配色はどんなスタイルにも対応。コルク製のインナーソールを採用するなど徹底的に実用性を重視した。(参考商品)
『アシックス』のなかで、イノベイティブなモデルもこれからたくさん出てくると思いますが、そういったモデルはメーカー側から発信するべきだと思います。
ただ、90年代から時流を見てきた世代として、そして実際に商品を売ってきた立場として説得力を持たせられる商品というと、自分も企画に絡んでいるこの『ゲルイエティ トウキョウ ハイ GTX』だと思ったので、2026年の最初に履いてほしいキックスとして選びました」
ブーツ型であるにもかかわらずリラックスした履き心地なのは、元々がトレイルランニングのアフターシューズとして開発された背景があるから
「アシックス」といえば「ゲルカヤノ」シリーズや「ゲルNYC」シリーズなどを思い浮かべる人も多いかもしれない。
だがもっと大きな枠で「アシックス」をとらえたときに、アーカイブにあったものを現代的に再生させる作業も必要という、次世代への種まきの意味も込めたチョイスを2026年の1発目に持ってくるところが、なんとも国井さんらしい。

現代的なライフスタイルに沿ったアップデートを施す

1999年発表の“TRANSCEND(トランシエンド)シリーズにおいて、アウトドアアクティビティ後のアフターシューズとして考案された2000年リリースの「ゲルイエティ」。当時のプロジェクトにも参画していた国井さんだからこそのチョイスだが、今回のモデルが誕生した経緯をこう語ってくれた。
「『ミタスニーカーズ』ではなく『国井栄之』個人としてディレクションしたシリーズで、『ゲルライト3』の後に『ゲルイエティ』にフォーカスしました。
プロジェクト当時はコロナ禍の生産効率化の波のなかで、ブランドのメインとなるものに人気や生産が集中してしまいました。
モデル名の“GTX”は雨の日も足元を快適にする「GORE-TEX®」テクノロジーを搭載した証し
『アシックス』は日本のブランドですし、アーカイブとしてブランドのアイデンティティを伝え続けなければいけない商品もしっかり打ち出していくべきだ、という会話のなかから、インラインでも未展開となっていた『ゲルライト3』と『ゲルイエティ』を商品化してリリースしたのが経緯です」
今回のモデルの特徴についても国井さんはこう続ける。
「モデル名に“GTX”と銘打たれているとおり、アッパーには防水透湿性に優れた“GORE-TEX”メンブレンを採用しています。またシューレースの通し方もアップデートされています。当時はアフターシューズとして作られていたので、ホールド感を高めるよりも足をリラックスさせることに重きを置いたシューレースの仕様になっていました。
シューズの脱ぎ履きが多い日本のライフスタイルに順応させるべく、ストッパー付きシューレースにアップデートされた
ただ、街で履くとなるとある程度のホールド感は必要だと思ったので、ハトメの付け方などシューレースの通し方を変えています」
ライフスタイルでの使用シーンを考え、国井さんならではの目線でアップデートされているディテールは見どころのひとつとなっている。

2026年のスニーカー業界の動向は?

最後に、2026年のスニーカー業界の動向について伺ってみると、国井さんはこう答えてくれた。
「2025年もスニーカートレンドとして、さまざまなキーワードが出てきました。と同時にそのキーワードがかげりを見せたかと思えば、また新たなキーワードが出てくるなど、過渡期というか変革の時期だったと思います。
いろいろなキーワードやカテゴリーがあるなかで、2026年が始まったばかりなので、どれが成長していくかは、正直に言って予想できません。
2025年のスニーカーシーンを牽引した「アシックス」。今年もどんなモデルを見せてくれるのか、楽しみだ
ただ、今まで旬だったキーワードが終息したかに思えても、そのキーワードを牽引したモデルは木で例えるなら“幹”になって、その太い幹から“枝葉”が育ち、スポーツを根幹としないラグジュアリーブランドまでもが、人工的な“実”をつけて、ひとつの大きな木となっていきました。
それは時間が経つにつれ“実”は自然と落ちて、“枝葉”も剪定されていきます。ただ、“幹”が折れることはないので、そのカテゴリーを牽引してきたモデルは、これからも残っていくと思います。
あとは昨年から少しずつ、フットボール関連のモデルが展開されていたかと思いますが、2026年は『FIFAワールドカップ』も開催されるので、そのキーワードがどんどんヒートしていくと思いますね」
言葉を選びながら語る国井さんは2026年だけでなく、その先までを見据えている。これからどんなモデルが人気を博していくのか、楽しみでならない。

PROFILE

国井 栄之(くにい しげゆき)

mita sneakers ディレクター

東京の下町である上野から世界へ向けて独自のスニーカースタイルを提案するmita sneakersでディレクターを務める。数多くのブランドとのコラボモデルや別注モデルを手掛け、その手腕を発揮。現在は虎ノ門ヒルズにオープンしたショップ「Herringbone Footwear(ヘリンボーン フットウェア)」の外部ディレクターも務める。世界的プロジェクトから国内インラインのディレクションまで多岐にわたり、スニーカープロジェクトに携わるスニーカー業界の最重要人物。

mita sneakers

東京都台東区上野4-7-8 アメ横センタービル1F路面店TEL:03-3832-8346 営業時間(平日)11:00~19:30、(土日・祝日)10:00~19:30

https://www.mita-sneakers.co.jp/

Photo by Hiroyuki“Lily”Suzuki(StudioLog)

Text by Yasuyuki Ushijima(NO-TECH)

Original Movie

国井栄之のKICKS OF THE WEEK #07 asics GEL-YETI TOKYO HI GTX

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