JA/EN

AI検索

関連ハッシュタグ

Articles

たった5分で自宅で簡単に「裾上げ」ができる発明品:くるりん裾上げシートの実力とは?

2025.03.15
ネットショップでパンツを買い、裾上げをするためにお直し店へ。ところが、出来上がるのは1週間以上も先で、費用もかかる……。こんな経験のある人は少なくないのではないか?
そこで出番となるのが、CONOMi(このみ)のくるりん裾上げシートだ。新潟県の学生服メーカーが開発したこのアイディアグッズがあれば、自宅で簡単に裾上げや長さ調整ができる。
今年の1月に発売されたばかりだが、その便利さから、全国の学校や企業から問い合わせが相次いでいるという。株式会社CONOMiの代表取締役社長、相浦孝行さんが開発秘話を語る。

PROFILE

相浦 孝行(あいうら たかゆき)

株式会社CONOMi 代表取締役社長

従来のテープではなく、反発力のあるシートを活用

「くるりん裾上げシート」990円(税込)
くるりん裾上げシートとは一体どんなものですか?
そのネーミングが示す通り、自宅で簡単にパンツの裾上げができるシートです。スラックスからチノパン、薄手のジーンズ、制服のパンツまで、幅広いパンツに使うことができます。
よくある裾上げテープではなく、シートなんですね。使い方を教えてください。
スラックスの場合は、(1)裾幅を測って、(2)ハサミでカットし、(3)裾上げシートについているテープでパンツに貼り付けて、(4)整えれば完成です。所要時間は5分ほどで、ミシンやアイロンも必要ありません。
なるほど。このシートを取り付けて裾を折り返せば、裾上げができるというわけですね。
内側にくるりんとひと折りすれば、このシートのタテ幅である約4cmの裾上げが可能です。
最大約12cmまで裾上げできるので、成長期のお子さんの学生服にもぴったりです。
一般的な裾上げテープだと、はいているうちに裾が落ちてくる場合がありますが、その点は大丈夫ですか?
はい、走ったり、跳んだりしても、巻き上げた裾が落ちてくることはまずありません。というのも、このシートは不織布でできていて、裾部分で反発力を生み出すことで、裾が落ちるのを防いでいるからです。
また、この反発力によって、裾がダブつくことなく、きれいなシルエットがキープされます。
テープの粘着力ではなく、シートの反発力がキモなんですね。洗濯はどうですか?
シートを貼り付けた後、約24時間経てば、ネットに入れて洗濯機で洗うことができます。
水に強く耐久性のあるテープを使っているため、何度洗濯してもシートが剥がれる心配はありません。ただし、塩素系漂白剤やドライクリーニングは避けてください。

手間のかかる学生服の裾上げ問題を解決するために

画期的なアイディアだと思います。一体どのようにして思いついたんですか?
「学生服」がヒントになりました。株式会社CONOMiは、1991年に新潟県妙高市で創業した学生服のメーカーです。通常の制服だけでなく、制服のない学校に通う学生さんのための自由な制服ブランドも手がけていて、東京・原宿をはじめ4店舗で展開しています。
長年、制服づくりを続けているうちに、課題になったのが裾上げの問題でした。
たしかに学生服は、成長に応じて裾上げを繰り返す必要があります。
職人さんの数の減少や工賃の値上がりもあって、自社で対応をするのが負担になっていました。
とはいえ、お客様が個人でお直し屋さんに依頼すると、1週間くらいかかりますし、料金も1,600円〜2,500円ほどかかる。
そこで裾上げの手間ひまや費用を軽くするために、自宅で簡単に裾上げできる方法を考えたんです。
裾上げテープはすでにありましたよね?
両面テープを使った裾上げテープはたくさんありました。ただ、テープだとはいているうちに剥がれて、裾がだんだん落ちてくるという欠点がありました。
テープの粘着力や耐久性はもちろん、テープと生地との相性の問題もありました。それに裾をハサミでカットしたり、アイロンで接着したり、手間もかかります。
そこでテープに頼らない方法を模索したところ、裾にシートを仕込んで、折り返すことを思いついたんです。

ヒントになったのは、男子学生服に使われるあのパーツ

なぜ、素材に不織布を選んだんですか?
素材選びはもっとも高いハードルでした。プラスチックや樹脂など、ありとあらゆる素材を試しましたが、硬さや重量、質感など、すべてをクリアできる素材はなかなかありませんでした。
そんなとき、男子の学生服に使う「カラー」に目をつけたんです。
カラーというと、あの襟の内側に使われている白いパーツですか?
はい。直接肌が触れて襟が汚れるのを防ぐためのパーツです。
昔は硬いプラスチック製でしたが、首が窮屈になることもあって、現在ではソフトな不織布を使っているんです。
「これはもしかしたら……」と思って試作したところ、軽さといい、しなやかさといい、まさにぴったりの素材だったんです。
何より素材自体の反発力によって、裾が落ちてこない点が決め手になりました。
まさかカラーがヒントとは。学生服メーカーだからこそ、思いついたアイディアですね。
2024年にはこのシートを学生服のパンツに採用し、「くるりん裾上げパンツ」として発売しました。
すると想像を超える反響があり、全国の学校からご注文をいただきました。「制服すべてをこの仕様にしてほしい」というケースも少なくありません。
「このアイディアは学生さん以外の方々にもよろこばれるのではないか」と思った私たちは、今年の1月に、特許取得した「くるりん裾上げシート」を発売しました。
価格も990円なので、一般的なお直し屋さんに依頼するよりも安く済みます。

性別や世代を超えて使われるアイディアグッズに

1月に発売されたばかりですが、反響はどうですか?
学生のお子さんをお持ちの親御さんだけでなく、幅広い世代のお客様やさまざまな企業、ご職業の方々にご購入いただいています。
自宅で簡単に裾上げができれば、ネットで購入したパンツをすぐにはくことができますし、シューズによってパンツの裾丈を変えることもできますから。
企業の場合は、従業員用の制服に採用することで、用意するパンツの枚数を劇的に減らすことができます。
スタイリストさんたちの間でも評判で、衣装の裾上げに使っていただいています。
無限の可能性を感じますね。今後はどのように進化していきますか?
現在はタテ幅が4cmのみなので、今後は厚手の生地に対応できる5cm、6cmのタイプを作ろうと思っています。
ほかにも、ワイドパンツ用のロングタイプや、薄手のパンツにも対応できるカラーバリエーションの展開も視野に入れています。
いずれはホームセンターや通販だけでなく、コンビニでも販売されるような身近な商品になればうれしいです。

手間もコツも必要なく、自宅で簡単に裾上げができる。学生服をヒントに生まれたアイディアは、現代に生きる人々に多くの恩恵をもたらしている。

Text by Ryota Osujo

Tags

この記事はいかがでしたか?

シェアリンクをコピーしました

Related Articles

Related Database