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芸人・みなみかわ、アメカジ沼へ:レザー愛から辿り着いた“つくる側”の視点

2025.06.04
芸能界屈指のアメカジ好きとして有名なみなみかわさんは、YouTubeチャンネルの『みなみかわ』でも実際に革靴やレザーグッズの工房を訪れ、そのプロダクトを紹介するなどアメカジ愛に溢れている。
今回は、みなみかわさんがアメカジと出会った経緯や、ファッションやヴィンテージアイテムへのこだわり、またレザークラフトについていろいろとお話を伺った。

PROFILE

みなみかわ

1982年9月28日生まれ。大阪府出身
妻が先輩芸人たちにDMで仕事の売り込みをしていることが話題になり、「ゴッドタン」や「さんまのお笑い向上委員会」「水曜日のダウンタウン」などの番組に出演。
ジワジワとブレイク中の遅咲きのピン芸人。
2024年5月松竹芸能を退社。同年6月より妻が社長の合同会社ナンセで活動開始。
自身のYouTubeチャンネル『みなみかわ』では、そのアメカジ愛に溢れる発信を続けている。
X Instagram

ファッションへの目覚めは実の姉の影響から

自身のYouTubeチャンネルでは溢れるアメカジ愛を発信しているみなみかわさん。アメカジに出会ったのは、ご自身のお姉さんがきっかけだったという。当時を振り返りながら、みなみかわさんはこう語る。
「当時、小6か中1だったと思うんですけど、姉の影響で見たTVドラマ『若者のすべて』に出演されていた木村拓哉さんのスタイルがすごく印象に残っています。
木村さんが着ていたデニムだったり、MA-1だったり、『レッドウィング』の“アイリッシュセッター”だったりがカッコよく見えました。“アメカジ”という概念がなかったので、漠然とそういうアイテムが気になっていましたね」
その後、お姉さんが購入してきた雑誌の『Boon』や『GET ON!』、『カジカジ』などを見て、“こういうスタイルがオシャレなんだな”と認識していったという。
高校時代はアメフト部に入り、部活に専念していたことからファッションからは少し遠ざかっていた。大学時代には「A.P.C.」などフレンチ風のキレカジに目覚めたものの、その後はアメカジに回帰し、革靴などのレザー製品が好きになっていったという。みなみかわさんは続ける。
「ある程度年齢を重ねてきたころから革製品のエイジングが好きになってきて、革靴やブーツが気になるようになってきました。そこからそれに合うデニムや、同じく経年変化した表情を見せるヴィンテージアイテムにも目が向くようになっていきましたね」
みなみかわさんが所有する「リーバイス」の“ビッグE”は、さまぁ~ず・大竹一樹さんから譲り受けたもの。大竹さんのYouTubeチャンネルでデニムコレクションを紹介する企画があり、無造作に段ボールに入れられていた一本を、“半ば強引に”譲ってもらったという。大竹さんがオーバーサイズで穿いていたこともあり、みなみかわさんにとってもややゆとりのあるサイズ感で、お気に入りだが「もったいなくてあまり穿いていない」と話す
こちらもみなみかわさんの私物で、VCMに出展していた広島の古着屋「LEAD」で購入した「スーパービッグマック」のヒッコリーカバーオール。おそらく1920年代に製造されたヴィンテージもので、当時は11万円ぐらいで購入した。チンストラップがあることがレアなアイテムの証しだそう
お姉さんの影響から始まったファッションへの興味によって、みなみかわさんはレザーの経年変化の良さを知り、結果的に、ディープなアメカジの世界へ足を踏み入れていくことになるのだった。

デニムやレザーの経年変化がファッションの醍醐味

みなみかわさんといえば、イベントを開催したり1日店長を務めたりなど懇意にしている「JELADO(ジェラード)」というブランドが有名だ。交流を深めるようになった経緯を聞くと、みなみかわさんはこう答えてくれた。
「とある知り合いの方から衣装の提供先として紹介してもらったのが『JELADO』でした。取り扱っているアイテムも自分の好きな感じだったので、そこから付き合うようになりました。
コロナ禍で仕事がなかった時期もバイトさせてもらったり、もちろんイベントなどもやらせてもらったりと、『JELADO』には感謝しかないですね」
そんな「JELADO」の魅力をみなみかわさんはこう分析する。
「『JELADO』で有名なのはデニムだと思いますが、魅力は生地へのこだわりだと思います。代表でもある後藤さんが購入してきたヴィンテージの古着を切って、糸のヨリや、コットンがどのような割合で配合されているかという生地の成分までも化学分析をするんです」
“ブーツ芸人”と呼ばれるほど革靴やブーツに魅せられているみなみかわさんだが、自身のYouTubeチャンネル『みなみかわ』では革靴の工房を訪れたりと、実際にモノづくりの現場に触れている。印象に残った工房などを教えてもらうと、みなみかわさんはこう答えてくれた。
「YouTubeの撮影などでいろいろとお話しさせてもらって仲良くなった、森田さんという職人さんがいて。
森田さんには自分が単独ライブなどをするときに短靴を作ってもらったことがあるのですが、すごくマニアックで……。ブーツブランド『WHITE‘S(ホワイツ)』などがソールを縫い合わせるときに使う『ハンドソーン製法』を試行錯誤の上、機械で再現するに至った『ダイレクト製法』を採用して、それを楽しみながら探究しているんですよね。森田さんのような職人さんを見ると、本当にカッコいいなと思いますね」
みなみかわさんのアメカジへの愛はとどまることを知らない。アメカジで大人っぽいスタイルを体現したいというみなみかわさんが辿り着いた、革靴というアイテム。そんな短靴やブーツに端を発したレザー製品へのこだわりは、自身でレザークラフトを手がけるまでに昇華していくのだ。

アメカジ愛が高じて自らモノづくりの現場へ飛び込む

ファッションへのこだわりは、自らレザープロダクトを作るという領域まで辿り着いた。最近ハマっている興味を持ったというレザークラフトについて聞くと、みなみかわさんはレザーへの情熱をこう語ってくれた。
「レザーが好きということで、『La crie(ラクリエ)』というレザーブランドの宮本さんを勝手に“師匠”と呼んでいるんですが、その宮本さんにレザークラフトに挑戦したいと相談したのがきっかけで、自ら作ることになりました。
その宮本さんと一緒に『カワムラレザー』さんの工房を訪れたときに作ったブックカバーがその第1弾。レザークラフトの初歩と言っても過言ではないブックカバーなのですが、ホースバット(馬の革)で作るのは本当に難しかったです」
ホースバットと呼ばれる馬革は硬くて曲げにくく、加工しにくい部類に入るので、レザークラフト初心者のみなみかわさんには不向きの素材ではあったが、コードバン層も入るという経年変化後の仕上がりも見据えて、あえてそれで挑戦したという。
「普通こういった初心者が挑戦したら、“よくできてますね~”とか言って褒めてくれてもいいと思うんですけど、宮本さんはスパルタなので、“これは20点ですね……”と厳しいコメントをくれました(笑)。
ただ、宮本さんの縫製やコバ(革の裁断した断面)の処理などを見ると、素人の自分がやったものとは全然仕上がりが違うので、悔しかったですけどそれも納得でした。次はベルトに挑戦したいですね」
実際にブックカバーを見せてもらうと、たしかに縫製や職人技といわれるコバの処理など、あきらかに宮本さんのそれとは違って見えたので、まだまだ伸びしろがあるというところだろう。
レザークラフトでモノづくりの一端を知ったみなみかわさん。最後に今後作ってみたいアイテムについて伺ってみるとこう続けてくれた。
「やはりスカジャンは作ってみたいですね。スカジャンといえば刺繍、さらには横須賀というイメージがありますが、その歴史を遡ると、群馬県の桐生にもその文化があるんです。桐生の刺繍職人さんたちも高齢化で引退する人が増えているみたいなので、その伝統が途切れる前に、ぜひスカジャンにチャレンジしてみたいですね」
みなみかわさんのアメカジ愛は自らが身に着けるものだけでなく、実際のモノづくりへと関心が移ってきている。自らブランドを立ち上げる日も、そう遠くないかもしれない。

Photo by Akinori Kawanishi
Text by Yasuyuki Ushijima(NO-TECH)

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