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街からアウトドアまで! 新領域に挑んだ無印良品の「撥水 リップストップ リュックサック」
無印良品のリュックサックといえば、無駄を排したシンプルなデザインを思い浮かべる人も多いだろう。そんななか今季登場した「撥水 リップストップ リュックサック」は、サイドのドローコードやメッシュポケットなど、これまでの無印良品とは異なる表情を備えたプロダクトとして注目を集めている。
従来のイメージをどのように更新したのか──。その開発背景とこだわりについて、株式会社良品計画 衣服・雑貨部 バッグ担当の三浦卓さんと衣服・雑貨部 デザイナーの藤川慎太郎さんに話を伺った。
PROFILE
三浦 卓(みうら すぐる)
株式会社良品計画
衣服・雑貨部 バッグ担当
PROFILE
藤川 慎太郎(ふじかわ しんたろう)
株式会社良品計画
衣服・雑貨部 デザイナー
“日常とアウトドアの間”を埋めるという発想
無印良品のリュックは、なぜこれほどまでに選ばれ続けているのか。担当した三浦さんは、「基本的にユーザー層やシーンを限定してしまうものづくりはしません」と話す。一方で、従来の商品群ではカバーしきれていなかった領域があったことも事実と言う。「生活スタイルが多様化していくなかで、日常使いだけでなく、旅行やフェス、アウトドアといったレジャーシーンでも使えるような商品が求められていました。特にアウトドア領域は、これまで十分にカバーできていなかった部分でもあります。
日常とアウトドア、どちらかに寄せるのではなく、その“間”を埋めるリュックサックを作れないかというところから、開発はスタートしました」(三浦さん)
アウトドアで求められる、軽さと耐久性を両立するリップストップ生地
開発において軸となったのは、アウトドアシーンで特に求められる「軽さ」と「耐久性」。その両立のために採用されたのがリップストップ生地だ。
「もともとリップストップは軽いだけでなく、引き裂きに強いという特性があります。そのなかで今回の製品では50デニールという薄めの生地を採用し、さらに裏地の使用も最小限にとどめることで、軽量性を高めています。
また、無印良品では再生素材の活用を積極的に行っており、本商品はナイロンをベースにしつつ、格子の部分にはポリエステル繊維を用い、表地は再生素材を100%使用しています」(藤川さん)
このリップストップ生地は撥水性を備えているところもポイントだ。
「ただ雨を弾くだけでなく、撥水機能があるとないでは、アウトドアの様々なシーンでも安心感が変わってくるため、こだわった部分です」(藤川さん)
無印良品らしさを維持しつつも、今までになかったデザインを実現
そして今回のリュックサックで新たな試みとなったのが、従来とは一線を画すデザインだ。「アウトドア製品を求めるお客様は機能性を重視される方が多いのですが、あまり機能に寄り過ぎてしまうと、無印良品が大切にしている汎用性が損なわれ、普段使いしにくくなってしまいます。ただ、これまでの無印良品にはなかったデザイン性を取り入れたいという思いがあり、そのバランスにはとても苦労しました」(藤川さん)

デザインのアクセントとなっているのが、開口部とサイドに配されたドローコードだ。
「開口部をドローコードにすることで荷物の出し入れがしやすくなりますし、サイドにつけたコードのおかげで、折り畳み傘のように長さがあるものをサイドポケットに入れてもしっかりと固定できるので、安定して持ち運べます。また、荷物の量に合わせてフォルムを調整できるため、使用シーンに応じて柔軟な使い方ができるのもポイントです」(藤川さん)

さらにフロントにはメッシュ仕様のポケットを配置した。よく出し入れするアイテムを収納することを想定し、アクセス性を高めている。

普段使いしやすいカラーバリエーションをラインアップ
「日常からアウトドアまで」というコンセプトは、カラーバリエーションにも表れている。定番のブラックに加え、モカブラウンやライトグリーン、ホワイトといったトレンドカラー(※モカブラウン、ライトグリーン、ホワイトは現在終売しています)
「無印良品のバッグの中で、今までにない新鮮さを感じてもらえるように、シーズンカラーの中から、これまであまり使ってこなかった差し色を選びました」(三浦さん)
デザイン性を高めながらも、パーツを削ぎ落とすなどして、4,990円という価格を実現した。色違いで購入するユーザーも増えているという。
「これまでとは違うデザインを投入するのは弊社としてはひとつの挑戦でしたが、『初めて無印良品で買いたいバッグが出てきました』という若い方もいらっしゃいました。新しい層に届いたという意味では手応えを感じています」(三浦さん)
無印良品のリュックは、特別な機能を付け加えることで価値を生むのではなく、日常の中での使いやすさを突き詰めることで支持を獲得してきた。日常とアウトドア、機能性とシンプルさ、価格と品質──それらを高い水準でバランスさせている点こそが、多くの人に選ばれ続ける理由といえる。今回はそこにデザイン性というアクセントを加えることで、新たな層へのアプローチにも成功した。今後はデザイン面からも、選択の幅が広がりそうだ。
Text by Junko Hayashida













