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サンダルなのに着こなしに品格を与える 「Paraboot(パラブーツ)」のグルカサンダル「パシフィック」の魅力とは?
「パラブーツ」の看板モデルといえば「ミカエル」や「シャンボード」が挙げられるが、こと夏といえばグルカサンダルの「パシフィック」が筆頭にくるだろう。落ち着いたデザインの中に、程よくカジュアルさも残した佇まいは、大人が選ぶにふさわしい洗練された雰囲気を放つ。今回は「パラブーツ」の広報である唐澤寿幸さんに、「パシフィック」の歴史や魅力について伺った。
グルカサンダルはミリタリー由来の上品なサンダル
夏の着こなしで足元をサンダルにしてしまうと、清涼感は得られるもののカジュアル感が際立ってしまう。そんなときに選びたいのが、フランスの名門革靴ブランド「パラブーツ」が手掛ける「パシフィック」だ。グルカサンダルながら革靴由来の素材やデザインを取り入れ、ドレッシーな要素も兼ね備える。まずはグルカサンダルについて、唐澤さんに伺ってみるとこう答えてくれた。「グルカサンダルは、かつてイギリスによりネパールで編成された傭兵部隊である“グルカ兵”が、ネパールの険しい山道を移動するために履いていたものが由来といわれています。デッキシューズとして定番の『バース』が海軍由来のモデルなら、『パシフィック』は陸軍にルーツを持っているのが面白いですよね。
メッシュ状に編み込まれたアッパーが足を広く覆うのが特徴で、通気性とフィット感の良さを兼ね備えた、ちょうどサンダルと革靴の中間のような雰囲気が、この時期特に人気を博しています。

足元を涼しくしたいときに、スポーツサンダルやビーチサンダルほどカジュアルにならずエレガントな印象を保ってくれます。素足はもちろんソックスとの相性もいいので、実は夏だけじゃなく春から秋まで長く重宝するアイテムなんですよ」
サンダルとはいえアッパーがレザーで編み込まれているので、子どもっぽい印象にはならない。そこが人気の秘訣だが、最初から好調というわけではなかったようだ。そこに関しても唐澤さんはこう続ける。
「実は発売された当初は鳴かず飛ばずで、売り上げも芳しくなかったと聞いています。そこから徐々にセレクトショップなどで取り扱ってもらうようになって、セレクトショップ側がその魅力を伝えてくれたおかげで人気が広がりました。グルカサンダルブームの火付け役は、この『パシフィック』がきっかけだったと記憶しています」
確かに革靴みたいなサンダルという触れ込みで「パシフィック」が人気となり、そのほかのブランドも追随して発売するようになったことを、筆者も当時の記憶として覚えている。
足馴染みの良さを重視した製法にもこだわる
では、なぜこの「パシフィック」が人気を得たのか。ドレス感漂うルックスはもちろんだが、その理由はサンダルとは思えない履き心地のよさが最大のポイントだといえるだろう。そこに関しても唐澤さんはこう答えてくれた。「アッパーのフィット感はいわずもがな、足の裏が直接触れるフットベッドのクッション性が、履き心地がいいと感じられる理由のひとつだと思います。

これによりサンダルによく使われるビニールやゴム素材と比べると、足を置いたときの心地よさは雲泥の差。またヒールカップもドレスシューズのような端正なフォルムで芯材も入っており、かかとをしっかりと包み込んでくれるので、ゆったり目に履いてもホールド感が担保されるのです」
「パシフィック」には、定番の「ミカエル」や「シャンボード」にも使われていない、「SPORT(スポーツ)」と名付けられた天然ラテックスを使用したラバーソールを採用しているので、合成ゴムを使用したラバーソールと比べ非常にやわらかく、クッション性と屈曲性も高いため、そこも履き心地に寄与しているのだ。
「パラブーツといえば、本格的なノルヴェイジャン製法を駆使することで知られていますが、この『パシフィック』に関してはセメント製法を採用し、アッパーとソールを圧着しています。足馴染みのことを考えると、セメント製法は肇のが早く、ソールの返りの良さにも優れるので、何度も履き慣らすことなく買ってすぐに快適な履き心地を楽しめるのも大きなポイントです」
快適さを重視したサンダルだからこそ、ソールとアッパーの接着方法を変えたのも「パラブーツ」のこだわりといえる。
今季の新色“グレースウェード”がイチオシ
「パシフィック」には通常のレザー以外にもさまざまなレザーのモデルが登場している。唐澤さんはこう続ける。「最近は『パシフィック』にも『ベジタブルタンニンレザー』や『スウェード』なども仲間入りしています。今季の新作は『グレースウェード』なので、ぜひチェックしてほしいですね」

「パラブーツ」には「パシフィック」以外にもサンダルモデルが存在する。そこに関しても唐澤さんはこう説明してくれた。
「まず最近人気なのが、ノーズが細くドレス要素の強い『フェレット』。3ストラップ構造の『ウーベア』、つま先がクローズし、かかとにストラップがついた『アドリアティック』、サボタイプの『アテネ』というモデルが展開されています。

『パシフィック』は依然として人気が高いため、他の人とかぶりたくないと考える人が、これらのサンダルに注目しているようです。どれも『パシフィック』に負けず劣らずの履き心地とこだわりを持っているので、試してみてほしいですね」
さり気ないドレス要素を取り入れながら、製法をはじめ余すところなくこだわりの製法を注入している「パシフィック」。この夏も「パシフィック」の絶対王権は揺るがない。これだけの履き心地を実現するグルカサンダルは他にはないといえるだけに、この牙城を崩すのは当分先のことになりそうだ。
PROFILE

唐澤寿幸(からさわ としゆき)
Paraboot プレス
入社9年目。パラブーツ銀座店の店長を経て、プレスに異動。「パラブーツ」の革靴は50足ほど所有しているそう。普段から革靴派で、スニーカーよりも革靴の方が快適と語るほど。
Text by Yasuyuki Ushijima(NO-TECH)















