ウェルネスブランド「TENTIAL(テンシャル)」を展開する株式会社TENTIALが、姿勢補正インナー「Body Care Inner」を開発し、5月26日の一般発売を発表した。
「Body Care Inner」は理学療法士が全面監修し、毎日着用することでデスクワーカーなどが抱える姿勢の課題を解決する商品になっているという。
そこで今回、TENTIALで「Body Care Inner」の商品開発責任者を務めた相川和也さんに、開発の経緯、商品の特徴、今後の展開などを聞いた。
「Body Care Inner」は一般発売前にクラウドファウンディングでプロジェクトを立ち上げたところ、大きな反響を呼んだという。想定以上の注文があったことから、商品の追加生産が必要となり、一般発売を1ヶ月繰り下げることになった。
これまで、TENTIALはリカバリーウエアなどに取り組み注目を集めてきた。ではなぜ今回新しく、「姿勢」に注目することになったのだろうか。
「弊社は『健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す』ことをミッションに掲げて事業を展開している会社です。弊社の商品を通して、健康や何かに挑戦するきっかけになるようサポートをしていきたいと思い、機能性を重視した商品開発をしています。
それとともに、弊社が各種調査を行ったり、ユーザー様の声などをいただいたりするなかで、特にデスクワーカーの方々にとって、姿勢に対する課題が非常に大きいことがわかりました。姿勢に問題を抱えていることで、日々の生産性が下がっているという自覚を持っている方もたくさんいらっしゃったのです。その課題を解決するため、商品開発に至りました」
今回発売となったのは、Tシャツとパンツという「インナー」となっている。これまで姿勢補正に関しては、他社もさまざまなアイテムを開発・販売しているが、今回TENTIALがインナーというアイテムを選んだのは「継続性」にあったという。
「姿勢補正に関しては、クッションやサポーターなどが一番メジャーなアイテムだと思います。
しかし、たとえばクッションであれば持ち運びしにくいため、自宅およびオフィスなどで使用しているときにしか効果を得ることはできません。また、スーツを着る機会が多いデスクワーカーにとって、サポーターは着用しにくいという課題があります。つまり、どちらも継続し続けることへのハードルが高かったわけです。
インナーにした理由は、そこが大きなポイントでした。インナーは基本的に毎日必ず身に着けるので、それを切り替えることによって姿勢補正の効果が得られれば、無理なく継続的に使い続けることができると考えました」
インナーとして気軽に着用できるように、サポート性と着やすさの両立を目指したと相川さんは続ける。
「衣服でサポート機能をつける場合、生地を重ねる構造によってサポートを強めることが多いのですが、単に重ねると厚みが変わって着心地が悪くなり、キツくなって可動域が狭まってしまいます。
これでは、継続的に使い続けるハードルを下げるというコンセプトからズレてしまうので、生地の構造による着圧感の変化に取り組んだことがポイントです。
実際に効果の実感や、継続的に使用できるかという観点を証明するためにも、社内で長期モニターを募集してサンプルを3週間ほど着用して もらい、効果、実感、ビフォーアフターの変化もデータとして取ることで、さらなる調整を加えました」
今回の「Body Care Inner」の大きな特徴は、理学療法士が全面監修を手がけていることだ。それにより、商品開発において具体的にどんな利点があったのだろうか。
「監修をいただいたことの最大の利点は、姿勢を維持するためには普段使わない筋肉が働くのですが、その部分までしっかりとサポートできる商品になった点です。
基本的に姿勢をサポートする商品は、骨盤を立てるとか、肩甲骨を引っ張って寄せるなど、姿勢を補正すべきポイントのみをサポートするケースが多いといえます。その点を解決することができました。
また、デスクワークではパソコンを使う機会が多いと思いますが、腕を前に出して浮いた状態になります。それに対して、腕を支える三角筋と、肩甲骨周りをサポートするように設計しています。この点も、私たちにはなかった発想ですね」
クラウドファウンディングでは「Body Care Inner」に対する反響とともに、要望も多く、今後のラインナップにもつながる意見が多数寄せられているという。
「女性の方からもたいへんニーズが多かった点は想定外でした。今回の商品はユニセックス仕様ですので女性も問題なく着用可能ですが、やはり男性と女性では骨格や筋肉の量が異なることもあり、改めて女性専用の商品を展開しようと検討しています。
また、さらに着用時の快適性を上げるために、夏用に冷感機能、冬用に保温機能が欲しいという声もありましたので、季節ごとに対応できればと考えています」
TENTIALとしては、「Body Care Inner」に限らず、今後も機能性をしっかりと体感できることを重視して開発に取り組んでいくという。
「直近では、リカバリーウェアに関して、早稲田大学さんと共同研究を行い、睡眠時における効果のエビデンスを取るなど、商品の機能に対して不安なくお客様が購入いただけるように心がけています。
さらに、素材・原料の開発も進めています。たとえば、弊社はインソールも展開しており、足の骨格バランスをサポートする『Cuboid balance理論』という特許を用いています。また、リカバリーウェアでは、ライフスタイル提案商社の豊島株式会社さんと共同開発した、保温効果のある機能繊維『セルフレーム』を使っています。今後、それに次ぐような素材・原料の開発を、引き続き行いたいと思っています。
そのうえで、社内においてR&Dのような組織を作り、商品開発に理学療法士をしていたメンバーを加えるなど、専門性の高い組織を目指しています。
こうした取り組みによって、今まで以上に良い商品をお届けできるように努めていきたいと考えています」
株式会社TENTIAL
プロダクト推進部 部長