2023.01.11

プラザクリエイトがアパレルファクトリーとカフェが融合した「HATTO COFFEE」を始めたワケ

イメージング事業やモバイル事業などを手掛ける株式会社プラザクリエイトが2022年11月21日、東京都渋谷区神宮前のthe Folks BY IOQ 1階にアパレルファクトリーとカフェが融合した「HATTO COFFEE(ハットコーヒー)」をオープンした。
 
店内では、最新プリンターを使ったサステナブルな服作りが可能となっている(現在は法人のみ)と同時に、食べ応えのあるフードメニューや豆にこだわったコーヒーなどのドリンクも楽しむことができ、注目を集めている。
 
そこで今回、同社のアパレル担当のデザイナー 柴田翔太郎さん、カフェ担当のストアマネージャー 宮本舞さんに、この事業を始めた理由や、今後の展望について聞いた。

「HATTO COFFEE」を始めた背景

プラザクリエイトは写真事業のパレットプラザの運営を中心に、カメラやスマートフォンの1枚ごとに異なる写真を印刷するオンデマンドのプリントのビジネスを30年以上展開してきた。
 
プリントビジネスを通じて、受注に応じて一つひとつ異なるものを印刷するオンデマンドの発想を他の領域で生かせないかと考えた結果、アパレル業界に着目することになったという。
 
「アパレル業界は世界2位の汚染産業といわれていて、環境への負荷が大きいことや余剰在庫など多くの問題を抱えています。そこで、イスラエルから日本初上陸した衣類プリンターであるAtlas MAXを活用することで、その課題に向き合えないだろうかと考えました。
 
Atlas MAXは、Tシャツやスウェットなど、仕立て済みの服に平面プリントや立体プリント、刺繍風プリントなどができます。このプリンターを中心とした場づくりを行うことで、サステナブルなファッションについて、答えを見つけていくことを目指しました」
 
Atlas MAXは1点から注文可能な最新オンデマンドプリンターで、企業やアーティストの印刷依頼に応じて、必要なときに適切な量を生産できる。この最新プリンターから、「ファッションの廃棄問題を考えるきっかけになれたらいい」と柴田さんは話す。

画像: Atlas Maxに関して、現在は柴田さんが法人向けのオペレーションを担当。将来的には個人が利用できるようになることも検討している
Atlas Maxに関して、現在は柴田さんが法人向けのオペレーションを担当。将来的には個人が利用できるようになることも検討している

渋谷区神宮前はアパレルメーカーが多く集まる場所だ。リアルに人が集まり「こういうことができるんじゃないか」「こんなことをやってみよう」と、カフェからアイデアが生まれることを同社は期待しているようだ。
 
「サステナブルな取り組みを実現するには1社だけでは難しいと思います。弊社は『みんなの広場をつくる。』というコーポレートビジョンを掲げており、HATTO COFFEEがそれを体現するような場所にできたらいいと考えています」

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「HATTO COFFEE」は、“ひらめき”を大切にしたクリエイティブ空間

HATTO COFFEEは、思わず“ハッとひらめくような”クリエイティブを刺激する空間を目指しているとのことだが、メニューにおいてもこだわりを持っていると、宮本さんは語る。
 
「例えば、コーヒー豆はサステナブルで人を大切にしている会社、という観点で選んでいます。また、さまざまな商品に触れる中で、私自身がコンセプトでもある“ひらめき”で選んでいるところもあります」
 
店内ではサステナブルな商品であることを明記するだけでなく、スタッフ一人ひとりが案内や説明をできるようにすることで、ふとしたきっかけから課題に触れることができるようにしているという。

また、HATTO COFFEは、イベントにも力を入れており、先日はアートを通じて社会課題の解決に向き合っている「Brave EGGs」とのコラボレーションを実施した。
 
アフリカ・ルワンダのスラム街に暮らす子どもたちが撮影した写真や、それらをアーティストたちが各々の感性で昇華させたアート作品を展示。さらに、それらのアート作品・写真を元にしたTシャツ、パーカー、トートバッグなどのファッションアイテムの一部を、オンデマンドプリンティングによって制作・販売した。
 
気に入った作品がある人にその場でTシャツにプリントして渡すことができたことから、在庫を抱えることなくイベントグッズの販売が行え、理念と一致した活動となった。
 
イベントやカフェへの来店を通して、「新しいクリエイティブや価値観に出会える場になるとうれしい」と話す。

サステナブルな製品と場づくり

今後は、プリンターとカフェ、それぞれを起点にどんな活動を行っていくのだろうか。柴田さんは余剰在庫を削減する取り組みの一環として、「アパレルブランドの在庫商品に、プリンターのグラフィックなどで付加価値をつけたアップサイクル製品を出してみたい」と語る。
 
そして、宮本さんはリアルな場を持っていることを強みにしていきたいと意気込む。
 
「コロナ禍でも場所がある、それも渋谷区神宮前であることが他にない点だと思っています。アパレル業界の方々と場所をいかに活用するか、またメニューにおいても見た目から楽しんでもらえるような新メニューを開発して、クリエイティブな発想の助けになったらいいなと思います」
 
ドリンクやフードを楽しみながら、どんなクリエイティブでサステナブルなアイデアが生まれるのだろうか。「HATTO COFFEE」のこれからに注目したい。

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