アプリ内では、日本発の“カワイイ”アイテムを集めてコーディネートを作ったり、コーディネートをNFT化したりして販売することができる。また、NFTやブロックチェーンになじみのない人でも、トークン要素などがないことから、分かりやすいサービス設計となっている。
アプリの展開として特徴的なのは、サービス開始からターゲットをグローバルに据え、特に、東南アジアにフォーカスしている点だ。
そこで今回、同社で『PKCL Twins』を担当するチーフクリエイティブディレクターの菊池優子さん、広報担当の宋在浩さんに、事業を始めた背景や海外進出の理由、今後の展開などについて聞いた。
PROFILE|プロフィール
菊池 優子(きくち ゆうこ)
ココネ株式会社
『PKCL Twinsプロジェクト』クリエイティブディレクター
ココネは、これまでCCP(※「キャラクター」が存在し、「コーディネート」要素を持ち、「遊ぶ」ことができるサービスという同社の用語)というサービスを展開してきた。
その中で、メタバースやブ ロックチェーンなどのWeb3事業への挑戦を加速化しており、自社グループでのブロックチェーンの開発や、NFTを活用したアプリをリリースしている。
海外展開の理由について菊池さんは、「日本のみの展開だと人口が限られています。そこで、これまでの挑戦を踏まえ、もっとシェアを広げて海外のお客様に日本のカワイイをお届けしたいと考え、今回『PKCL Twins』をリリースしました」と語る。
その中でも、東南アジアを狙った理由としては、世界的に見てブロックチェーン系のゲームが成功している数少ない国々であることに加え、「日本と親和性が高いから」だと話す。
「アジア圏は頭身の低い日本的なカワイイキャラクターが受け入れられやすいため、東南アジアをメインターゲットに据えています。特に今お客様の数として多いのは、インドネシアとタイ、ベトナムです。
なお、サービス開始前と大きく想定が外れた事柄はあまりありません。ただ、しばらくしてわかった意外な点としては、ターゲットのお客様にははっきりとした色味が好まれると思っていたのですが、大人っぽい色合いやリアルな色味が好まれたことですね。たとえば、ピンクもビビッドな色が好まれると思っていましたが、淡い色合いの方が人気です」
コーディネートのNFT化についても、少しずつ広がりを見せており、毎日100人前後のユーザーが、自身の コーディネートをNFTとして出品する取り組み(エクスポート)をしているそうだ。
この状況について「アプリ内では専門用語を極力使わないようにしています。なるべく易しい言葉に置き換えているので、スムーズにNFT化を理解して遊んでくれているのではないかと考えています」と語る。
そして、アプリの基盤となっているブロックチェーン『MOOI』は、同社グループ企業がWeb3展開におけるプロジェクトの一環として、メタバース領域に特化したブロックチェーンとして開発したもので、今回の『PKCL Twins』や『ClawKiss』などのアプリで使用されている。
自社で開発したことで、ブロックチェーンにおける取引スピードの早さや、ガス代(取引手数料)の安さなどのメリットを提供することができ、今後サービスの数やユーザー数が増えることで、より顕著になるとしている。
ココネのアバターアプリは他のRPGゲームのようなアプリと異なり、アイテムにパラメーターがないという特徴がある。そのため、ユーザーからは、あくまでアイテムそれぞれの個性やデザイン性が重視されてきた。