タジマ工業株式会社は11月、AIによって刺繍の仕上がりを自動化した「
i-TM(intelligent Thread Management )」を搭載した刺繍機「
TMEZ-KCシリーズ」を販売開始した。今まで刺繍機は熟練者が上糸の調整を経験と勘で行っていたそうだが、「TMEZ-KCシリーズ」では熟練者の技術をカバーするテクノロジーを搭載することに成功したそうだ。今回はタジマ工業株式会社マーケティング部、嶋田さんにその開発やテクノロジーについてお話を伺った。
「TMEZ-KCシリーズ」に搭載された「i-TM」は、通常の縫いとは違い全方位に縫い進む刺繍の仕上がりをアルゴリズム化している。その開発において、縫いに関わる技術、根幹部分とアルゴリズムはタジマの専門チームで研究開発し、上糸をコントロールするための高精度で応答性の高いモータ、及び高速応答のソレノイドの制御機能はパートナー企業と共に作り上げたという。
上記に加えて、「DCP」という布押えをデジタル的にコントロールする機能によって、素材のばたつきを抑え、刺繍を精密に美しく仕上げることができる。「DCP」はタジマの開発チームが完全社内開発で個別のモータ制御式の布押えの開発を行ったそうだ。結果的に、縫い始めの生地のばたつきを抑えるだけでなく、「i-TM」では「DCP」の技術をベースに、毎針の生地の厚みを計測できる機能に進化させ、その値を「i-TM」の制御に組み込めるように改良したと嶋田さんは教えてくれた。