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2024.01.18

ラフォーレ原宿から発信・リアル店舗で出会う、新しいクリエイティブと才能

原宿で街中がクリエイティブに溢れていた時代があった。
その昔、原宿では、雑誌『FRUiTS』などのストリートスナップをはじめとして、マンションメーカーと言われるデザイナーたちが活動し、人気雑誌『Zipper』には、文化服装学院の生徒たちのスナップや作品が掲載され、オリジナルアイテムを自作することは、「クリエイティブな活動の一環」として流行していた時代がある。
ラフォーレの地下に店舗を構える「愛と狂気のマーケット」は、そんなクリエイティビティに溢れていた頃の原宿を彷彿とさせるショップだ。インパクトのある店名やこだわった設営から溢れる才能は、熱を帯びてラフォーレ原宿のなかでも異彩を放っている。今回は、ラフォーレ原宿運営室・愛と狂気のマーケット リーダー神田千穂さんに原宿の現在についてお話を伺った。
PROFILE|プロフィール
神田 千穂(かんだ ちほ)

ラフォーレ原宿運営室

ラフォーレ原宿は『狂気が足りない』

原宿のクリエイティブの「原点回帰」とも謳っている、愛と狂気のマーケット。インパクトのある店名は初めて耳にすると驚いてしまうが、店舗に足を踏み入れると、今まで見たことがないようなインパクトがある内装に心が躍る。
ラフォーレのなかでも一際目立っているショップだが、どのような経緯でショップは立ち上がったのだろうか。
「コロナ禍、多数有識者の方とコミュニケーションさせていただくなか、現在、雑誌『Numéro TOKYO』のエディトリアルディレクターで、株式会社gumi-gumi代表の軍地彩弓さんから、ラフォーレ原宿は『狂気が足りない』『真面目過ぎる』という言葉もあり、来館のきっかけとなる『リアルならでは』『原宿ならでは』の、できること・すべきこと・求められていることを考えました。
原宿は、元々モノづくりを志す方が自由に集まり、表現し、世界に羽ばたくきっかけを掴んできた土壌があります。ラフォーレ原宿も長年、ポップアップを開催するなどインキュベーションに力を入れており、現代に合った、インキュベーション機能を持ったリアルショッピングならではの刺激のある場を立ち上げたいと考えました。
時代がBtoBからBtoCもしくは、CtoCにマーケットが移り変わろうとしており、私どもも、PtoP(Person to Person:売り手と買い手の境目なく、人と人、人と才能が繋がるという意味の造語)つまり人と才能を繋ぐ環境を目指しています」
毎月テーマごとに変わる、凝った店内も必見だ。また雑貨だけではなく、アパレルも充実している。各クリエイターが、毎月テーマごとに作りだす、グッズや作品も見逃せない。(※1月の「餃子ランド」は今月終了。総勢35組の餃子にちなんだグッズや作品を販売)
鬼才、天才、あらゆる才能がひしめき合う、濃厚な店内
「愛と狂気のマーケット」は、毎月さまざまなクリエイター・企業が参加する。タイトなスケジュールのなかで、クリエイター自身が作品以外の独自の世界を作り上げることにも驚きを隠せないが、彼らはどのようにしてこの舞台で活動しているのだろう。
「毎月80〜90名のクリエイターさん、企業様にご出品いただいています。自らご出品希望を持ち応募くださる方や、出品いただいているクリエイターさんからのご紹介でと応募くださる方が増えており、『愛と狂気のマーケット』の認知の高まりを感じます。
残念ながらすべての方のご出品はかなわないので、『ここだけの体験』『ここだけの出会い』を提供できるかを軸に、多方面から検討しています」
また、かつて原宿の象徴でもあったストリートファッション誌、『FRUiTS』のバックナンバーが販売されているのもとても新鮮だ。1997年に写真家・青木祥一が創刊した『FRUiTS』は、まさに当時の過熱している原宿カルチャーを世界に知らしめた雑誌だった。
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