“とどのつまり、ガールズカルチャーとは一体なんなのだろう?”
筆者がこんなことを言うのも違和感があるかもしれないが、たまにふと思うことがある。
「ストリート」も「カルチャー」も、よく見かける言葉だが、考えれば考えるほど、どこかぼんやりとした印象がある。本来の意味から逸脱して、ひとり歩きしたこの言葉は、90年代中期から2000年代の流行が細分化した時代によく使われた言葉だった。
そして、時代が進み、令和になった今では世の中のごちゃごちゃとした流行を、これらの言葉ひとつで簡単に包み込む魔法のような作用を持っている。
けれど、「ストリート」も「カルチャー」も適当な言葉じゃない。それは「ガールズカルチャー」も然りだ。キム・ゴードンが立ち上げたX-girlは、まさに「ストリート」と「ガールズカルチャー」に真摯に向き合ってきたブランドでもある。
今回のテーマは「ストリート」と「ガールズカルチャー」の金字塔、「
X-girl(エックスガール)」だ。X-girlの歴史を紐解くとともに、X-girlが発信してきた「ストリート」と「ガールズカルチャー」について改めて考えてみたい。
キム・ゴードンが提示する「リアルガールズ」とは?
キム・ゴードンは、1981年に結成されたニューヨーク出身のバンド「ソニック・ユース」のメンバーのひとりだ。