サンダルを選ぶうえで、デザインと同じくらい譲れないのは「履き心地」だろう。どれだけ格好よくても、長時間履いて歩いていると、足が疲れたり、痛くなったりしようものなら、せっかくの夏が台無しになってしまう。
その点、アメリカ生まれの「
FREEWATERS(フリーウォータース)」は、サンダルのネックになりがちな履き心地にこだわったフットウエアブランドだ。独自に開発したEVA製のフットベッドは、クッション性に優れると同時に足をしっかり支え、疲れを軽減。さらに優れた反発力によって、スムーズな歩行をサポートする。その上素材も作りも丈夫なため、数シーズンにわたって履き続けられる。
今回は日本でもブレイク中の注目ブランド、FREEWATERSの足跡を追っていこう。
PROFILE|プロフィール
友田 暁司(ともだ たかし)
ライクス株式会社にて、FREEWATERSの国内正規輸入代理を務める。
履き心地のよさから、口コミで大ブレイク
今回お話をうかがったのは、FREEWATERSの国内正規輸入代理を務める
ライクス株式会社の友田暁司さん。一年中、このブランドのサンダルをヘビロテするサーファーでもある。
「ブランドの創業者はマーチン・キムとイーライ・マーマです。2人はカリフォルニアのアートセンター・カレッジ・オブ・デザインの学生で、旅行やサーフィンを共にする親友同士でした。大学を卒業してからは、それぞれ別のところで働いていました。その後、2人が共にサンフランシスコのベイエリアに転居したことをきっかけに交流が復活し、ブランドを立ち上げることにしたんです」
目指したのは、ビジネスの基盤に環境によいことや社会貢献性を取り入れた、まだマーケットに存在しないフットウエアブランド。メインのアイテムにサンダルを選んだのは、彼らが愛するサーフィンの必需品であり、同時に心底欲しいと思えるものがなかったからだ。
「ブランドは2010年にスタートし、ファーストモデルを翌年に発売しました。最初はアメリカのホールフーズ・マーケットなどで販売されていたようです。ほとんど宣伝もしていなかったみたいですが、その履き心地のよさから、口コミでどんどん評判が広まっていきました」
その勢いはすさまじく、日本には2011年に上陸を果たした。現在は、カナダ、フィリピン、韓国、台湾などでも展開されるグローバルブランドへと成長を遂げている。
世界中の人々の心を掴んだのは、履き心地のよさだった。
「他のブランドと何が違うか? 聞かれれば、それは独自開発のフットベッドに尽きます。素材自体はよくサンダルに使われるEVA樹脂ですが、ほかのサンダルとは履き心地がひと味違うんです」
実際に履いてみる。足がしっかり支えられていると感じられる。そして足にぐっと体重をかけてみると、たしかに、フットベッドが足裏を押し返してくるような感覚がある。
「EVA素材のサンダルは、流行りのリカバリーサンダルのように深く沈み込むような履き心地のものが多かったんです。その点、FREEWATERSが開発した『Cloud9 Footbed(クラウド9フットベッド)』には、ボーリングの球を跳ね返すほどの反発力がそなわっているんです」
その真価は歩いてみるとはっきりわかる。フットベッドが地面からの衝撃を吸収・反発し、前に進むエネルギーに変換することで、足運びがスムーズになるのだ。
「FREEWATERSは柔らかさと反発性を両立させるため、特殊な配合のEVA樹脂を使い、さらに独自の温度と時間で成型することで、柔らかすぎず、かつ硬すぎない素材を開発することに成功しました。詳しいレシピは企業秘密です」
フットベッドのかたちにもこだわりがある。土踏まず部分を支える形状になっているため、長時間履いても疲れにくい。
アウトソールも雨の日の路面でも滑りにくいラバーソールが採用されている。