今まで当たり前だ ったことが変わるには大きな労力がいる。それを福祉の分野で取り組んでいるのが
ヘラルボニーだ。
へラルボニーとは、創業者であり双子の兄弟である松田崇弥さんと文登さんにより立ち上げられたブランド。知的障害のある作家のアールブリュット(正規の美術教育を受けていない人のアート)デザインを、アパレルやライフスタイル雑貨として商品化している。重度の知的障害を伴う自閉症の兄を持つ松田さん兄弟が、知的障害に対する世間の見方をアートで変えていきたいと思ったことがきっかけだ。
へラルボニーは、社会に対してアーティストの才能を最大限にプロデュースしながら、質高い素材を用いて、製品とアーティストの価値を高い位置に保ってきた。主に知的障害のあるアーティストの描くアートのライセンス管理をし、自社プロダクトや企業とのコラボレーションなどに展開。得られた収益の一部を「作品使用料」としてアーティストに支払う。そのことでハンディキャップがあるアーティストであっても、プロとして健常者と同等の報酬を受け取れるシステムを作り出し、経済的な自立も手助けする。福祉とアート、ビジネスを同時に実践していこうとする企業である。
それが今、日本から世界に活動の場を広げようとしている。