パリの雨の日は、“K-WAY”のロゴ入りレインウェアを着た人々でにぎわう。1965年にパリで誕生した「
ケーウェイ(K-WAY)」は、フランスとイタリアでレインウェアの代名詞となっている。
機能性とデザイン性を兼ね備えた多彩なカラーのナイロンジャケットが特徴で、創業者レオン・クロード・デュアメルの「コンパクトで防水性の高いおしゃれなデザイン」という理念が世界中で支持されている。
近年では、ミラノ・ファッション・ウィークでの発表や有名ブランドとのコラボレーションにより、ファッションブランドとしても注目を集めている。日本では2022年に渋谷に旗艦店をオープンし、限定商品も展開している。
2004年に一度倒産したが、BasicNet SpAが事業を引き継ぎ再起。今 回は、BasicNet SpA取締役兼ケーウェイCEOのロレンツォ・ボリオーニに、ブランドの魅力や歴史、日本市場での展開について話を聞いた。
PROFILE|プロフィール

ロレンツォ・ボリオーニ(Lorenzo Boglione)
1987年イタリア・トリノ生まれ。パリのビジネススクールESCP経営大学院で、経営学の修士号を取得し、イタリア国内外で数多くの職業経験を積んだ後、2010年にBasicNet Groupに加入。現在は、BasicNet SpA取締役兼ケーウェイCEOを務める。
60年にわたり、人気を誇る理由
フランスの国民的ブランドである「ケーウェイ」。約60年もの長い間、これだけの人気を誇る最大の理由は何でしょうか?
歴史を振り返ると、「ケーウェイ」は単なるブランドではなく、発明家であることが分かります。創設当時の60年代に、スポーティなレインウェアを生み出したのが「ケーウェイ」です。つまり、アイテムというよりもカテゴリーそのものを開拓したということ。当時市場に出回る唯一の選択肢で、誰もがレジャージャケットと呼び始めました。