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2024.03.11

暮らしを少し軽やかに。「北欧、暮らしの道具店」が展開するオリジナルアパレル

お気に入りの食器を使って食事を楽しむ。生地も着心地も気に入っている洋服を着て1日を過ごす。些細なことでも、好きなものが身近にあると、暮らしはぐっと彩られるものだ。
株式会社クラシコム」は、運営しているライフカルチャープラットフォーム『北欧、暮らしの道具店』を通して、お客様それぞれの“心地よい暮らしづくり”を支えている。
今回は、同社で広報を担当する馬居優子さんに、『北欧、暮らしの道具店』が誕生した経緯や、北欧のヴィンテージ食器の販売からオリジナルのアパレルブランドを展開するに至った背景などについて話を伺った。
PROFILE|プロフィール
馬居 優子(うまい ゆうこ)
馬居 優子(うまい ゆうこ)

株式会社クラシコム 広報

自分自身が「心地よい」と思える暮らしを

「北欧、暮らしの道具店」が誕生した経緯を教えてください。
当社は、代表取締役社長の青木と、取締役副社長の佐藤(青木氏の妹)が起業したのですが、最初に立ち上げたビジネスはうまくいきませんでした。
「最後の社員旅行として北欧にでも行こうか」という話になり、2人は北欧に行って。そこで、日常的に明かりを消して卓上でキャンドルを灯すなど、暮らしを楽しむ人々の姿を見たそうです。
そのときに、「この人たちは、どうしてこんなに心地よく暮らしているんだろう」と、2人は非常に感銘を受けました。私たちのミッションである「フィットする暮らし、つくろう。」つまりは、「他者からの目線ではなく、自分自身が心地よいと感じられる暮らしをしたい」という2人の思いと、その北欧の暮らしが合致したのかもしれません。
この北欧での出会いをきっかけに、2007年に「北欧、暮らしの道具店」が誕生しました。
当初は、どのような商品を販売していたのでしょうか。
はじめは、北欧旅行で仕入れたヴィンテージの北欧食器をインターネットで販売していました。当時、フィンランドの首都ヘルシンキを舞台にした映画が流行っていたり、国内で北欧人気が高まりつつあったことも後押しになりました。
ヴィンテージ以外の商品も展開し始めたきっかけはありますか。
次第に、需要が増えてきたからです。ヴィンテージの商品は数に限りがあるので、需要が増えると供給が難しくなります。そのため、現行で販売している北欧の商品も取り扱うようになりました。
そして「北欧、暮らしの道具店」独自の世界観が醸成されるなかで、北欧に限らず、日本の雑貨なども取り扱うようになって商品の種類も増えていきました。
ただ、「北欧、暮らしの道具店」を好きでいてくださるお客様が手に取らなそうなものは集めませんでした。あくまで「フィットする暮らし、つくろう。」という思いに共感していただくことと、発信する世界観を好きでいてもらうことにこだわっているからです。
そのため、好きでいてくださるお客様に対して、フィットする暮らしをつくるお手伝いをできるよう、その方々が暮らしの中で使える雑貨を増やしていきました。
2009年には、実店舗を一時的に運営されていたそうですね。
当時は、Webショップのみでは仕入れられないブランドもあったため、商品の幅を広げるために実店舗を設けていました。「北欧、暮らしの道具店」が成長していくにつれて、実店舗がなくてもブランドから信頼を得られるようになったので、2014年には実店舗を閉じています。
また、実店舗を閉じたもうひとつの理由は、売り方がWebショップとはまったく違うので、一旦は弊社の強みが発揮できるWebショップに集中しようという考えに至ったことです。
どのような強みが、Webショップで生きたのでしょうか?
私たちの強みは商品の色や形だけでなく、使い方を紹介したり、シチュエーションを変えて使ってみたり、ひとつの商品に関して膨大な情報をお届けする点だと思っています。
ですので、実店舗も実際に触れられたりと良い点はたくさんあるとは思うのですが、その時点ではコンテンツで伝えられる情報量が多いWebに集中しようと判断することになりました。
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