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2024.06.13

人間の足本来の力を引き出す 走れるサンダルブランド「LUNA SANDALS(ルナサンダル)」

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近年、ランニングシューズ市場では厚底シューズが主流となっている一方、薄底のランニングサンダルが注目を集めている。
その代表格が「LUNA SANDALS(ルナサンダル)」だ。2009年にテッド・マクドナルド(以下、テッド)が創設したブランドで、人間の足本来の力を引き出す“ベアフットランニング”を提案している。
今回は同ブランドのPRを行う株式会社ロータスの仲谷清志さんと西尾洋佑さんに、LUNA SANDALSの魅力や製品の特徴、デザインのこだわり、さらには今後の展望について詳しく聞いた。
PROFILE|プロフィール
仲谷 清志(なかたに きよし)

株式会社ロータス LUNA SANDALSチーフブランドオフィサー

PROFILE|プロフィール
西尾 洋佑(にしお ようすけ)

株式会社ロータス LUNA SANDALSブランドコミュニケーションマネジャー

ブランド誕生のきっかけは“走る民族”との出会い

LUNA SANDALSが生まれた経緯をお教えください。
仲谷清志(以下、仲谷)創業者であるテッドの、ランニング障害との長い闘いがきっかけでした。彼は2006年にメキシコのタラウマラ族と出会い、彼らの履き物である古いタイヤを切り出して作った「ワラーチ」に深く感銘を受けました。
タラウマラ族は“走る民族”とも呼ばれており、シンプルなサンダルで長距離を走ることで知られています。同民族の中のひとりであるマニュエル・ルナ氏よりワラーチの作り方や哲学などを学んだことから、LUNA SANDALSが誕生しました。
厚底ではなく、なぜ薄底のサンダルだったのですか?
西尾洋佑(以下、西尾)人間本来の足の機能を改めて獲得し、ケガの少ない自然なランニングフォームを身につけるためです。厚底シューズはクッションが足をサポートしますが、着地位置が不明確でランニング障害の原因となることがあります。
一方で薄底サンダルは、裸足で走る感覚を再現し、足音や筋疲労を通じて、ケガのないナチュラルなランニングフォームを身につけることができるのです。こうした点から、LUNA SANDALSは、“走り方を教えてくれるサンダル”と呼ばれています。

薄底のサンダルでも走れる理由

どのように“走れるほどタフ”な作りを実現しているのですか?
仲谷ひとつは不要なパーツを極力排除したデザインであることです。これによって、パーツの故障などのトラブルを抑えることができます。
2つ目は、調整可能なストラップシステムを採用することによって、各ユーザーの足にフィットするように仕上げています。ストラップには、擦れや痛みを防ぐための柔らかい素材を使用し、長時間の使用でも快適さを保ちます。
さらに、耐久性に優れたVibram社のラバーソールを使用していることも、頑丈な作りの要因となっています。ちなみにビブラムソールと聞くと堅牢な作りのものを想像されると思いますが、LUNA SANDALSでは、足の動きに追従するように軽量で柔軟性に優れたものを採用しています。
製品化をする際、苦労したことについて教えてください。
西尾2009年にシアトルで創業した当時は、ほぼ全てが手作業であったこともあり、製造の効率化や品質管理が大きな課題でしたし、デザインも試行錯誤を繰り返しました。
LUNA SANDALSは足の自由な動きを重視したミニマルなデザインが特徴ですが、耐久性と快適性を兼ね備える必要がありました。特に、足にフィットしつつも擦れを防ぐストラップのデザインや、長時間の使用にも耐えうるソールの素材選びには多くの時間と努力を費やしました。
さらに、製品化に際しては、市場での受け入れを確保するためのブランド構築も重要でした。LUNA SANDALSは一般的なスポーツシューズとは異なるため、そのメリットを消費者に伝えるためのマーケティング戦略も慎重に考えました。
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