2022.12.24

1本のロープから世界的なアウトドアブランドへ MAMMUT(マムート)のハイエンドなアイテムたち

誰もが知っている「MAMMUT(マムート)」というブランドだが、いったいどこまで知っているだろう? マンモスマークのブランド、ヨーロッパのアウトドアブランド、登山ブランド、どれも正解だが、今回はMAMMUTというブランドの凄さを是非知ってもらいたい。今回はマムート・スポーツグループジャパン株式会社のマーケティング部アシスタントブランドマネージャー宇津木正太さんにお話しを伺った。

MAMMUTは1本のロープからはじまった

「1862年に創業者のカスパー・タナーは小さなスイスの村で農業用のロープの製造をやっていました。その農業用ロープが大変頑丈であった事から登山家の中で評判になり、登山の発展とともに、ロープを使うシーンが増えてゆき、評判が評判を呼んで、そこからクライミング用・登山用のロープブランドとして発生していきました。
 
そして現在のクライミングロープのルーツとなるツイストナイロンロープという物を作った先駆けというヒストリーがあります。当時、マムートザイルというロープの商品があり、それが好評だった為そのままブランドがMAMMUTになりました。ロープから評判になり、山岳用品に広がっていったという流れです。
 
日本でも1980年代、1990年代から登山をされているベテランの方はMAMMUTのロープをマンモスマークのロープなので『マンモスロープ』と呼んでくれる方がいらっしゃいます。
 
アウトドアブランドMAMMUTとしては1980年代に、アパレルとクライミング用品を作ったところからスタートし、ヨーロッパはロッククライミングが昔から盛んだったということもあって、その頑丈なロープのブランドが作っている洋服やギアであれば良いものだと言う信頼は得ていたと考えます」

画像: MAMMUTに残る創業者カスパー・タナー氏の写真
MAMMUTに残る創業者カスパー・タナー氏の写真

全ての商品は命を守るギアである

ここでMAMMUTを語るうえでこれは外せないというアイテムを見せてもらった。
 
「MAMMUTを語る上でまずこれは紹介しておかないというアイテムは、やはりロープです。ロッククライミングも、登山も同じ物を使っているのですが、太さの種類はたくさんあるので使う場所や経験値によって使うロープも違ってきます。細いロープは軽量という利点がありますが、耐久力は太い方が強いので場所や用途によっていろいろ使い分けられるように取り揃えています。

画像: シングルロープ、ダブルロープ、ツインロープという種類があり、太さ、長さ等、いろいろと取り揃えられている
シングルロープ、ダブルロープ、ツインロープという種類があり、太さ、長さ等、いろいろと取り揃えられている

MAMMUTのプロダクトは『命を守るギアである』という特有のメッセージが込められています。実際に命綱として使うロープ以外の製品、ウェアも命を守るためのギアであるという考えが、プロダクトのDNAとしてあります。高機能の物だったり動きやすさであったりというのは、全てルーツであるロープと同じ思いが込められて生産されています」

MAMMUTの歴史や主軸となるアイテムを見せてもらったところで、これも外せないというウェアも紹介してもらった。

「MAMMUTの中にはいくつかのラインがあるのですが、ハイキングラインから『Ultimate VII SO Hooded Jacket』というソフトシェルを紹介します。

もともとソフトシェルは、雪山でスムーズに動ける為に作られたアイテムで、保温性が高く、動きやすさを追求し、開発された生地でスイスにあるショーラー社[1]に作ってもらいました。VII というぐらいなのでバージョンアップを重ねて7代目で、ずっと進化を続けているジャケットです。7代目となると汗の抜けもそうですし、軽量化も進み素材自体も進化しているアイテムです」

アスリートと作るハイエンドなライン、アイガーエクストリーム

MAMMUTは技術の粋を集め登山に最も適したウェアを作っている。それがアイガーエクストリームというラインだ、ハイエンドなそのアイテムづくりについて伺った。

「アイガーエクストリームは1番ハイエンドなラインでアスリートと一緒に作っています。アイガーはスイスの山ですが、そのアイガーに登れるぐらいのプロダクトと考えてもらうと良いかと思います。『Nordwand Pro HS Hooded Jacket』というハードシェルです。 

Gore-Texを使ったこのアイテムはいろんなニーズを詰め込み20,000時間位、約3年~4年ほどの年月を開発に費やしています。1番はアスリートと共同で開発しているので運動性能の向上です。例えば腕を上げた状態でパターンメイキングをしています。これはアイスクライミングをしている時に、腕を上げた状態が1番自然な状態ということでこの形になっています。

アスリートが実際に使ってみて検証しながら作っていくのがこのラインで、フロントジップのアゴの高さも鼻のところまで来るように高めになっています。これは吹雪対策で、フード周りもヘルメットをつける時を想定した作りになっています。

こうしてひとつひとつ検証しながら作ったプロダクトが雪山に入ったときに、安心感を与えられると考えています。登山の基本はレイヤリング(重ね着)なのでこの中に着るアイテムを季節や環境によって変えながら使ってもらうと良いと思います」

MAMMUTを選んだ時点で環境に優しい商材を手にしている

最後にMAMMUTのサステナブルな取組みと今後の展開について伺った。
 
「サステナブルな取組みとしてはまず、パートナーシップを結んでいる企業は世界で最も厳しい環境基準と呼ばれているブルーサイン[2]の認証を受けています。そしてフェアウェアファンデーション、これは労働者に対して正当な賃金が払われているかという事ですが、こちらにも加入しています。
 
また、全てが当てはまる訳ではないのですが、生産工場を決める際にマテリアルがどこから来るのかを加味した上で生産工場が決まります。輸送というものはやはりCO2の排出が多いので、そこは環境負荷が少ないルートで製品を作る事をシビアに取組んでいます。
 
さらにはドイツに一番大きな物流倉庫があるのですが、そこはすべて自然エネルギーで賄っています。太陽光や水力等の自然のエネルギーに100%変換済みです。スイスのヘッドクオーターに関しても、全て自然エネルギーで賄っています。
 
こうした事からMAMMUTを選んだ時点で環境に優しい商材を手にしていると考えてもらえると良いかと考えます。そして2023年SSからトレイルランニングのコレクションが誕生するのですが、クライムワークス社[3]という会社と業務提携を結びまして、CO2を回収し、それを石化、永久に地下に貯蔵するという会社なのですが、このコレクションはこの技術を利用し、CO2の排出を最小限にする取り組みを行っています。

製品を作る時や輸送時に排出してしまった、その分のCO2をクライムワークス社に石化してもらって、CO2排出を最小限にする試みがこれからの取り組みとして始まります」

画像: 2025年までに展開するプロダクトの95%以上をサステナビリティープロダクトとする具体的な目標を定めている。そして2050年までにネットゼロ(温室効果ガスの排出、吸収、除去の合計値ゼロ)の実現を目指している
2025年までに展開するプロダクトの95%以上をサステナビリティープロダクトとする具体的な目標を定めている。そして2050年までにネットゼロ(温室効果ガスの排出、吸収、除去の合計値ゼロ)の実現を目指している

1本のロープから世界的に有名になったMAMMUTというブランド。そこには本格的に登山と向き合ったアイテム作りや環境に配慮したサステナブルな活動があった。

MAMMUTはマウンテニアリング、ハイキング、クライミング、スノー、アーバンと様々なカテゴリーに分かれている。今回紹介したハイエンドなラインも日常着に転用すると、かなり快適に過ごせる事だろう、豊富なバリエーションがどんなライフタイルにも適したアイテムを提供してくれるブランドだと思う。

[1]ショーラー社(schoeller)
スイスのテキスタイルメーカー、革新的な素材製品や特殊加工技術に実績があり、多くのアウトドア・アパレルメーカーや、スポーツの分野の記事を製造している。
[2]ブルーサイン
繊維業界において環境、労働、消費者の観点における持続可能なサプライチェーンを経た製品に付与される認証のことで、スイスに拠点を置くブルーサイン・テクノロジーによって運営管理されている。
[3]クライムワークス社
スイスの企業で、空気中の二酸化炭素(CO₂)を分離・回収し、それを石に変え、永久に貯留する世界最大の設備をアイスランドに設置している。

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