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2023.03.16

更年期症状を中心に、女性の心身の悩みを専門家にLINEで相談できる「menopeer」

株式会社menopeerは2023年1月からLINEで更年期症状や女性特有の体の悩みを専門家に相談できるサービス「menopeer(メノピア)」をリリースした。

「menopeer」の特長は、対応するスタッフが婦人科や更年期専門のクリニックで勤務経験のある看護師、助産師、管理栄養士など「女性の健康」に関するプロフェッショナルである点だ。スタッフのほとんどがメノポーズ(更年期)カウンセラーの資格を有している。

なぜ更年期や女性の健康に特化したサービスを立ち上げたのだろうか。

今回、株式会社menopeer代表取締役の木村琴子さんに、創業の経緯やサービスの内容、女性に伝えたいことまでお伺いした。

PROFILE|プロフィール
木村 琴子(きむら ことこ)
木村 琴子(きむら ことこ)

2006年に上智大学卒業後、三井物産株式会社に入社。入社から退職までコンシューマーサービス事業本部にて、物流事業から投資事業まで複数の事業に従事。2019年に退職後、英国Royal College of Artのサービスデザイン修士課程に進学。個人プロジェクトでは、イギリスと日本の更年期を取り巻く状況を調査し、日本人女性向け更年期のケアサービス開発をテーマとする。
2022年1月、株式会社menopeerを設立。

婦人科疾患に悩んだことをきっかけに会社を設立。適切な医療にたどり着ける環境づくりを

木村さんは2022年1月に株式会社menopeerを設立した。創業までにどのような経緯があったのだろうか。

「私自身が会社員のときに複数の婦人科疾患に悩み、早期に適切な医療にたどり着けず後悔した経験がありました。

そこで、退職後に進学したイギリスの大学院では女性のヘルスケア、特にイギリスと日本の更年期を取り巻く状況について調査し、知見を深めました。その中で女性の心と体は女性ホルモンに大きく影響を受け、適切な情報や医療にたどり着けるためのリテラシーや環境の有無が、女性の人生においては特に重要だとわかりました。

一方で、特に更年期領域においては、適切な情報や医療へのアクセスが難しいという実態に気づき、環境を整えるサービスを提供したいと考えました」

現状として更年期の女性にはどのような課題があるのだろうか。

「働く女性およそ3,000万人のうち、45歳から54歳までの「更年期世代」は全体の約4分の1です。現在、40〜50代女性のおよそ46万人(約9.4%)が更年期症状(障害)を理由に退職を余儀なくされるというデータもあり、経済的損失は約4,200億円にも上るとされています。女性が男性と同等に長く働ける制度・環境の整備が進んでいる一方で、更年期症状によって女性が自己実現を断念せざるを得ない状況があります」

LINE通話で気軽に専門家に相談、スタッフは更年期医療のプロフェッショナル

それでは、具体的にmenopeerはどのようなサービスを展開しているのだろうか。

「menopeerでは、LINE通話を通じて、40〜50代の女性の健康全般、食事や睡眠といった生活習慣、病院選びなどについて幅広く相談できるサービスを提供しています。

また、LINEでセルフチェックTYPE診断(医師監修・アドバイス付き)を受けたり、更年期や女性の健康・生活習慣に関する記事を受け取ったりすることもできます。

LINE相談に対応する専門家は、婦人科や更年期専門クリニックで勤務経験のある看護師や助産師、管理栄養士です。ほぼ全員がメノポーズカウンセラーの資格を持ち、中にはキャリアコンサルタント、サプリメントアドバイザー、睡眠改善インストラクターの有資格者もいます。

医療職の中でも更年期領域の専門性を有する人材は少ないですが、他の健康相談サービスと異なり、更年期医療のプロフェッショナルでチームを形成しているのが弊社の特長です」

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カウンセリングのメニュー内容や具体的なサポートの流れはどのようになっているのだろうか。

「サービスには『相談』と『カウンセリング』があります。『相談』は、1回30分です。
クリニックで聞きそびれた事や、治療や対策についての選択肢、病院選びのヒント、40代からの健康づくりなど、女性の健康に関することであれば自由に相談や質問が可能です。また、栄養相談と睡眠相談も受け付けています。

『カウンセリング』は今春から提供を開始する予定で、1回50分のセッションです。おもにメンタル面で不調を感じている方や、何をどこから話せばいいのかわからないという方に適しています。女性のメンタルヘルスは女性ホルモンに関連するケースが少なくないため、看護師と公認心理師、両方の資格と経験を有する専門家が対応します。

専門家は、更年期だけではなく女性の健康全般にも精通していますので、更年期の事柄に限らずご相談いただけます」

法人向けサービスでは、女性の健康課題の可視化が第一歩に

menopeerは法人向けにもサービスを展開しているが、メニューにはどのようなものがあり、具体的なサポートの流れはどのように設計されているのだろうか。

「法人向けには①女性の健康課題の可視化を行う社内調査支援、②セミナー・研修の開催、③健康相談窓口の提供、④提携クリニック紹介と従業員特典の提供を行っています。

ほとんどの企業では、女性従業員が職場で抱えている健康にともなう課題やパフォーマンスへの影響を把握できていません。よってまずは課題の可視化を行い、そのうえで必要な対策をご提案しております。

まだまだ『更年期』に関する十分な知識を持つ女性は少なく、結果的に自分自身の課題として認識する人が少ないと感じます。さらに、『更年期』という言葉にはスティグマやタブー感があり、多くの人が認めたくない、もしくはその話題に触れることを敬遠してしまうこともあります。よって、最初のユーザーとのコミュニケーションでは『更年期』という言葉を使わずに話を進め、セミナーでも『女性の健康とキャリア』というようなテーマで広く開催しています」

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menopeerのサービスのように更年期の悩みをテクノロジーで解決する商品・サービスは「メノテック」と呼ばれている。メノテック市場における海外と日本の違いはあるのだろうか。

「更年期に関する課題は、ほとんどが世界共通であると感じています。一方で、欧米の先進国の方がメノテック市場におけるプレーヤーも多く事業内容の幅も広いです。アメリカでは、医療制度や規制の違いから、更年期に関してもオンライン診療が進んでいる印象です。また、アプリでAIを用いた個別化のソリューションを提供するサービスも複数出てきています。

日本やアジアにおいて、まだメノテック関連の企業が出てこない背景にはジェンダーギャップや更年期に対するスティグマ、タブー感が欧米より強く残っていることが関連していると考えています。

ただ、最近ではメディアでも更年期について取り上げることが多く、日本でも段々と認知が広がっていると感じます」

正しい知識を早いうちに身につけ、人生をより楽しめるように

また、更年期は症状を抱える女性自身だけではなく、男性の理解も必要といわれている。

「男性と女性はそれぞれ生物学的に異なるため、健康上の課題も異なります。お互いを理解し合わなければ、社会で生きづらさを感じ、より心身の不調を感じてしまうという事態も起こり得ます。

男性も正しい知識を得ることで女性に対する理解が深まり、誤解や負の感情を抱く場面が少なくなることで、自分自身を救うことにも繋がるのではないでしょうか」

最後に、女性の健康について伝えたい想いについて聞いた。

「女性の健康には、女性ホルモンが大きく影響しています。ヘルスリテラシー(健康や医療に関する正しい情報を入手し、理解して活用する能力)を高めることは、人生をより良く過ごすためにとても重要です。正しい知識を早いうちに身につけ、対策を講じる事で、人生をよりコントロールしやすくなり、結果的により楽しめるのではと思っています。ぜひ若いうちからヘルスリテラシーを身につけ、自分の人生を悔いのないように生きてほしいです」

Text by Asami Tanaka

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