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2023.05.10

インフルエンサーとマーケティングチームが協力して作る韓国発のECプラットフォーム「NUGU」

昨今、若年層へのファッションにおけるプロモーションには、インフルエンサーマーケティングがもはや必須となっている。最近では、単純にインフルエンサーの人気を活用するというだけではなく、インフルエンサーと密に連携したビジネスモデルが望まれている。
韓国発のECプラットフォーム「NUGU」がとる手法もまさにそれだ。インフルエンサーとマーケティングチームが一体となって進めるビジネスモデルは多くの若者の人気を集めている。そこで今回は、NUGUのビジネスモデルとインフルエンサーマーケティングのさらなる可能性について、NUGUの事業を総括するパク・ハミンさんにお話を伺った。

韓国から見出したインフルエンサーマーケティングの可能性

NUGUの創業背景について教えてください。
過去に韓国で8〜9年ほどファッションeコマースの事業をしており、韓国と日本でPOP UPストアを主催したことがありました。その際にPOP UPストアのスタッフとして参加されていた方が大変スタイリッシュで、ご挨拶をしてInstagramアカウントをフォローしたところ、なんとフォロワー数が8万人もいらっしゃる方でした。そのフォロワー数であればインフルエンサーとして活動されていてもおかしくないのにも関わらず、POP UPストアのスタッフとして働いていることに違和感を覚え、さらにいろんなお話を聞くなかで、日本のインフルエンサーマーケット市場に関する調査と可能性について考えるきっかけとなりました。
すると、韓国はインフルエンサーコマースの市場がすでに盛んであり、販売プラットフォームなどのシステムが整っているのに比べて、日本は韓国の東大門市場のような商品ソーシングのインフラが確立しておらず、販売サイトもまだ小規模だと感じました。これについて再度考えた結果、商品ソーシングと販売サイトさえ整えれば事業化できる可能性が十分にあると判断し、それに向けて動き出しました。
NUGUについて簡単に教えてください。
NUGUは、インフルエンサー基盤のファッションとライフスタイルコマースのプラットフォームです。一番大きな特徴は、単純にインフルエンサーにショップをオープンしてもらうだけでなく、商品調達からコンテンツ編集、マーケティング、配送、カスタマーサービス、レビュー管理までワンストップサービスを提供している点です。インフルエンサーに“商品を販売するサイトを提供”するのではなく、事業のためにValue Chainを提供し、一つのチームで動いているという考えで、パートナーという存在となるよう努力をしています。 このような点からNUGUで活動されているインフルエンサーの方々から、他の類似したサイトに比べてNUGUとの協業はしっかり仕事をしている感じがすると高い評価を頂いているのだと思います。
このような努力により、デジタルコンテンツマーケティングでもNUGUは注目すべき目覚ましい成果を見せています。特にROAS(広告における費用対効果)が2,000%に達した点は確実に強みであり、今後もさらに精進していきたいと思います。
それだけでなく、他のeコマースの弱点ともいえるオフラインの部分でも、NUGUはPOP UPストア、フリーマーケット等のイベントを定期的に開催しています。日本のようにオフラインの比重が高い市場でonline to offlineは欠かせない要素であり、インフルエンサー市場でも差別化のために重要な要素であると考えます。
また、これらのすべての成果は結局のところ顧客のニーズが何かを把握し、その部分を満足してもらえるように熾烈的に研究した結果だと考えます。現在の事業モデルは、やはり顧客がインフルエンサーのスタイリングを求め、そしてそのニーズをNUGUが満たすことで可能となっております。今後も顧客のニーズは引き続き変化し、私たちもそれに合わせて事業モデルを変えていく必要はありますが、顧客のニーズを把握し、それを満たすという基本的な考え方に関しては、これからも変わらず絶対に守っていきたい部分です。
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