日本の野生鹿による農作物の被害額は、年間60億円にも上ると言われている。この被害を抑えようと、年間60万頭が駆除され続けているようだ。そうして駆除された野生鹿の一部は、ジビエ料理としてレストランで提供されている。だが、それ以外はどうだろうか。
今回取材した株式会社A.I.Cは、駆除された野生鹿の革を扱うジビエレザーブランド「Portierra(ポルティラ)」を運営している。もともと牛革を扱っていたが、上記のような社会的な問題の解決に関心を持ち方向性を変えたようだ。いまでは当たり前となったエシカルやサステナブルにも力を入れており、その魅力を広める活動も行っている。 なぜ、これほどまでに野生鹿が問題となっているのか。そして、鹿革の魅力はどこにあるのか。同社の三木大介さんにお話を伺った。
PROFILE|プロフィール
三木 大介(みき だいすけ)
メーカーや大手アパレル企業にて生産管理に従事した後、現(株)A.I.C.にてレザーの営業を行っている。
御社の活動内容を教えてください。
弊社は新規参入のタンナーで、もともとは家畜の革を扱っていましたが、いまは野生獣を専門としています。ブランド「Portierra」ではジビエレザーを扱っており、主に狩猟で捕獲した鹿の皮をなめして販売をしています。本社は兵庫県のたつの市にあり、原皮収集は県内だけでなく近郊鳥取県や岡山県まで足を広げて行っています。