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2020.04.24

過剰依存型から自律型のファッション・システムへ───ポスト・パンデミックをウィルスと共にサヴァイヴするために(Synflux)

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PROFILE|プロフィール
川崎和也

スペキュラティヴ・ファッションデザイナー / デザインリサーチャー / Synflux主宰。1991年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科エクスデザインプログラム修士課程修了(デザイン)、現在同後期博士課程。主な受賞に、H&M財団グローバルチェンジアワード特別賞、文化庁メディア芸術祭アート部門審査委員会推薦作品選出、Dezeen Awards 2019 Design Longlistなど。編著書に『SPECULATIONS 人間中心主義のデザインをこえて』(ビー・エヌ・エヌ新社, 2019)がある。

PROFILE|プロフィール
佐野虎太郎

タクティカル・ファッションデザイナー / デザインリサーチャー / Synflux 主宰。1998年生まれ。慶應義塾大学SFC在学中。デザインリサーチを軸に、未来の我々人間の身体形状・衣服の可能態を思索する研究と制作をおこなう。主な受賞に、H&M Foundation Global Change Award 2019 特別賞、Dezeen Awards 2019 Design Longlist、Wired Creative Hack Award 2018特別賞など。

Synflux
ファッションデザイナーの川崎和也、佐野虎太郎、リサーチエンジニアの清水快が主宰するスペキュラティヴ・ファッション・ラボラトリ。機械学習のアルゴリズムを活用したデザインシステム「Algorithmic Couture」の研究や、プレタポルテの次のパラダイムを実装するためのカスタマイゼーションプラットホームの開発などを通して、ファッションが持つ思索的な創造性を探求する実践を行う。主な受賞に、H&M Foundation Global Change Award 2019、Dezeen Award 2019 Design Longlist、Wired Creative Hack Award 2018など。近年の参加展示に、「ヒストポリス:絶滅と再生 展」(2020、GYRE GALLERY、「XENON」)、「Making Fashion Sense」 (2020、バーゼル、HATRAとの共作「AUBIK」)などがある。

コロナ禍が猛威を振るっている。緊急事態宣言以降、百貨店や各商業施設は休業に追い込まれ、首都圏の経済活動は事実上ストップしている。加えて、美術館やイベントなども中止または延期が相次ぎ、経済のみならず、文化への影響は甚大だろう。
ファッションへの影響も例外ではない。何より、衣服という人間の生活にも身体にも「密な」製品を扱うこの領域は、根本的に様々なレベルの身体性を前提としている。
第一に、上にも述べたように、物流や消費活動の中心として機能する都市が封鎖される「ロックダウン」は、ファッションのための「場」が奪われることに等しい。それは、人間同士の出会いの場がなくなると同時に、着用者がファッションと出会う機会が失われることを意味する。さらに、「ソーシャルディスタンス」ないしは「クアランティン」は、疫病感染を避けるために人々が物理的に距離を取ることを指すが、中長期的に見ればそれは身体間の距離のみならず、精神的な距離をも生むことになるだろう。「外に出かけたい」「大人数で集まりたい」といった、ストリートやショーでよく見かけるようなファッションの文化を形成するための基本的な欲求もまた、変容せざるを得なくなっているのである。

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