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2022.09.22

ファッションNFTの「未来予想図」とは? THE DEMATERIALISEDの創業者が描く世界

ファッションNFTで注目を集めるTHE DEMATERIALISEDザ・デマテリアライズド)。創業者Karinna Nobbs(カリーナ・ノブス)とMarjorie Hernandez(マジョリー・エルナンデス)は、ファッションNFTに特化する背景にどのような企業戦略を持っているのか、NFTをどう分析しているのか。
以下の前回記事に引き続き、今回はその「未来予想図」までカリーナさんに語っていただいた。

ファッションNFTを購買する3つのグループ

NFTは、多くの人にとって新しい概念だと思いますが、どのような人々が現実的な商品でなく、仮想の商品を選ぶのでしょうか?
購買層は、大きく3つにグループ分けできます。
第1のグループは、「暗号ネイティブ」と呼ばれる層です。既に他の暗号を保有、取引、売買の経験があり、「暗号ファッション」というよりは「暗号アート」への投資と考える人たちです。
次のグループは、「ファッション業界のお客様」で、当社のNFTマーケットプレイスのみならず、デジタルファッションを扱う競合他社も含めて、初めて購入される方が多いというのも特徴です。
最後は「ゲーマーのグループ」ですが、そこは少し偏りがあるようです。ゲーム業界には既に膨大な数の人々とプラットフォームがあり、それぞれの仕組みやゲームエンジンなどが異なるため、従来のゲームオーナーはNFTがあまり好きではないようです。「NFTを我々のプラットフォームに統合することに興味はない」と。
しかし過去に否定的であったTim Sweeney(ティム・スウィーニー、EPIC GAMES 創設者かつCEO)が、今では肯定的な意見に変わったように、このグループにも動きが出ているようです。
暗号ネイティブ、ファッショニスタ、ゲーマーは、それぞれ異なる目的でNFTを購入しているのでしょうか?
購買層によって、購入の動機に共通点と相違点があるようです。
クリプト(暗号)の顧客は、目利きやコレクターとしての要素、そしてNFTを購入して将来的に何が得られるかを確認するという投資家としての考えがあると思います。
ファッションの顧客にとっては、実験的な要素が強いようです。Web3のURL環境の中では、物理的な障壁もなく、自分がなりたいものになることができます。つまり、メタバースやデジタル環境でお金を使う、オフラインの自分とオンラインの自分という二重人格が存在するようなものです。多くの人が、「メタバースのクローゼットは、日常のクローゼットよりも実験的でアバンギャルドだ」と言っています。
私たちがこれまで一緒に仕事をしてきたブランド、レベッカ・ミンコフやカール・ラガーフェルドのように、特定のスペースで何かを最初に所有することで、そのコミュニティの一員であること、ブランドへの忠誠心を示すためにNFTを購入する人も多くいます。
ブランド側としても、真のコミュニティ価値を創造するために、私たちと一緒に仕事をすることにとても意欲的です。カール・ラガーフェルドはトップクラスのお客様をパリのイベントに招待し、レベッカ・ミンコフは手書きのメモとギフトカード、そして彼女の作品やインスピレーションについて話すための招待状を全員に送りました。
ゲーマーのグループは、その環境内で目立つようなアイテムを身につけたいと考えるのが起点のようです。特に高級品であれば、ステータスや目利きなどを示すこともできるし、自分のスキルレベルのアピールもできるのでしょう。もちろん、コミュニティとしての要素もあります。ブランドやスタイルを身につけることで、特定のグループに属することができるのです。
Athena by Rebecca Minkoff
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