接触冷感素材の欠点
これまで
超異形中空断面糸「オクタ」や、
ポリエステルとナイロンを融合させた「ミクセルNP」といった驚くべき機能性繊維の開発を行ってきた帝人フロンティア。近年では、エコを意識してマイクロプラスチックの排出を抑制した繊維の開発にも着手している。
そのようななか、温暖化によるスポーツ衣料のクーリング機能の需要が高まっていることから、改めて汗処理の問題に取り組み始めたという。
「昔から天然素材が多く使われてきました。綿やレーヨン、シルクは素材自体が水分を含んでいるので、冷たく感じられます。
また、化繊でも繊維の中に水分を多く含むものは接触冷感性があると言われています。ですが、これらの繊維は汗の拡散性が低く、べたつくということが欠点でした」
これまでの繊維では、接触冷感と吸水速乾性は相反する機能とされている。接触冷感をもたらすためには、生地が肌に密着しなければならず、汗とは相性が悪かった。