まず"誰でも参加できる文化"についてです。
私は、服作りだけでなく、プログラミングを用いた音楽制作やWebサイト制作も手掛けています。これらの分野は全て、情報が豊富にありアクセスしやすい"誰でも参加できる文化"に属します。たしかに複雑な部分もありますが、"参加の敷居"は非常に低く、どこまでスキルを深めるかは、個人の選択に委ねられています。
この低い敷居を実現する典型例として、「フォーラム」が挙げられます。フォーラムは質問や意見交換の場であり、回答者が具体的な例やアプローチ方法を提供したり、不可能なことは不可能と伝えたりするスペースです。開発側の積極的な介入により、ユーザー同士による"共助"が多く見られ、フォーラムは常に開かれた環境を維持しています。
ファッションデザイナーにも、参加の敷居を下げるアプローチをする者がいます。その一例が、2021年に亡くなったVirgil Ablohでした。彼は、『ダイアローグ』というインタビューがまとまった本にて自身のアプローチを"オープンソース"と表現しています。オープンソースはプログラミング用語で、その定義は
Open Source Group Japanに記載されています。
Virgil Ablohは、ナイキのシューズデザインに関わった際のデータを公開することで、彼がどのようなプロセスを経てデザインしたのかを外部の人々が探る手助けをしました。データは、
こちらのWebサイトにてアクセス可能です。
このような"誰にでも参加できる文化"は、ユーザー主体で努力やシステムを構築することで、敷居を低く保ち、その文化の特性を維持しています。