ギャラリー1と呼ばれる部屋では「Robotic World」が展開される。千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター (fuRo)が、山中氏とともに開発してきたロボット群が一堂に介するこのスペースでは、実物のロボットたちが見られるだけでなく、巨大なスクリーンで彼らが動く様子をインタラクティブに楽しめる。iPadや「ON THE FLY」というインターフェースで操作してみてほしい。
もっとも大きな部屋であるギャラリー2は、漂うように空間に設置された軽やかな天板がまず目に留まるだろう。展覧会全体の空間設計は、萬代基介建築設計事務所が担当した。世界3ヶ国にあるJAPAN HOUSE(外務省が設置した日本文化の発信施設)を巡回してきた、山中研究室による「Prototyping in Tokyo」という展覧会の展示台がもととなっている。薄さゆえに起こる緩やかな金属のたわみをいかしており、今回は塗装ではなく無垢の金属板がその上に載ることで、その湾曲面がより強調されている。
この展示台をワークショップスペースのように活用したのは、東京大学 DLX Design Lab(以下、DLX)と東京大学 池内与志穂研究室のペアである。池内研究室は脳の神経細胞(ニューロン)を体外で培養する研究を進めており、DLXはそのニューロンと どのようにインタラクションできるかを考えた。「Talking with Neurons」はニューロンと(まさかの)「会話」を試みたインスタレーションだ。