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【連載】ものと人のための補助線 #05:陶芸の石ころ

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PROFILE|プロフィール
角尾舞 / デザインライター
角尾舞 / デザインライター

慶應義塾大学 環境情報学部卒業後、メーカー勤務を経て、2012年から16年までデザインエンジニアの山中俊治氏のアシスタントを務める。その後、スコットランドに1年間滞在し、現在はフリーランスとして活動中。
伝えるべきことをよどみなく伝えるための表現を探りながら、「日経デザイン」などメディアへの執筆のほか、展覧会の構成やコピーライティングなどを手がけている。
主な仕事に東京大学生産技術研究所70周年記念展示「もしかする未来 工学×デザイン」(国立新美術館·2018年)の構成、「虫展―デザインのお手本」(21_21 DESIGN SIGHT、2019年)のテキスト執筆など。
Instagram / Web

植田佳奈さんという陶芸家がいる。陶芸家ではあるけれど、彼女の主な作品は食器や花瓶ではなくて、陶芸?と疑問符をつけたくなるようなものが多い。石ころのような、サンゴのような、知らない生物の骨のような、どこか遠い昔からそこにあったような風貌をしている。一見しただけでは素材もよくわからない。自分たちの知っている陶器とは違うものを、彼女はつくっている。
植田さんの個展が、墨田区・京島の「Green thanks supply」で今月開催された。小川 武さんがオーナーを務めるこの店は古い長屋にあって、2019年から観葉植物を販売しながらさまざまな展覧会を企画している。もともとインテリアの仕事をしていた小川さんが、ほぼ朽ち果てていた長屋の2部屋分を地元大工と共に自身でも改修したという。2階部分もぶち抜いているので天井が高く、背丈の有る木々ものびのびと収まり、下町に小さな植物園が現れるようだった。植田さんも3年ほど、この場所で毎年展示をしていると言っていた。
細長い金属の展示台には、大小さまざまな作品が並んでいた。ほとんどが「なんのため」にあるのかはわからないものだけれど、ただ有るだけで魅力的で、かつてどこかで見せてもらった博物館の資料室のようだなと思った。あるいは、どこかの海の水を顕微鏡で覗くと、こんな世界が見えるかもしれない。

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