

Articles
なぜ選ばれ続けるのか! コロンビア「ウッドロードジャケット」ロングセラーの理由
コロンビアが展開する数あるアウターの中でも、長年にわたりユーザーから支持を集めているのが「ウッドロードジャケット」だ。2009年に初代モデル「フォレイカーシェル」が発売され、2017年に現在のモデルにリバイバルされたロングセラーアイテムである。初代の誕生から17年、今も選ばれ続けている理由を探る。
PROFILE
.jpg?w=204&fm=webp)
立花祐樹(たちばな ゆうき)
株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン
商品本部 アパレルマーチャンダイジング部
「モノ自体は本当にシンプルです。ただ、目を惹くような大胆なデザインではありませんが、それが汎用性の高さや、誰でも取り入れやすいバランス感に繋がり、多くの人からの支持に通じているのだと考えています」と語る立花さん。
ハイクシェルのDNAを受け継いだデイリーアウター
初代モデルは、ハイキングや雪上シーンでの使用を想定し、レトロアウトドアを思わせる配色を効かせた防水ハイクシェルとしてリリース。裏地付きの構造や、取り外し可能なパウダースカートにより、フィールドユースでの利便性にフォーカスした機能を備えていた。しかし2010年代に入り、2層・3層構造の高機能ハイクシェルが台頭していった。素材の進化により、裏地付きのモデルはややクラシックな立ち位置へと変化していった。それでも「日常での使いやすさという観点では、裏地付きジャケットへのニーズは依然として高いと考えました」と立花さんは振り返る。
そこでフォレイカーシェルのDNAを継承しながら、より幅広いシーンに対応する設計へと再構築。機能と着やすさの両立を図ったのが「ウッドロードジャケット」だ。

象徴的なのがポケットの再設計だ。アウトドアフィールドを想定していた大きなハの字型ポケットは、アウトドアフィールドから日常まで使いやすいサイズの4ポケット仕様へと刷新された。ウエスト部分のポケットはハンドウォーマーとしても機能し、バックパック着用時にウエストハーネスに干渉しにくい位置へと調整されている。

また胸ポケットを加えることで、収納を分散させ、アクセス性も高めた。インサイドにはセキュリティポケットを備え、鍵など重要なものを収納できる構造にしている。配色も落ち着いたトーンにまとめ、街中でも浮かないバランスになっている。

日本各地の幅広い日常に対応する汎用性
「日常使いといっても、その環境はさまざまです」東京の都市生活も、地方での農作業も、そこに暮らす人々にとってはそのすべてが日常だ。日本は南北に長く、気候も生活様式も各地で大きく異なる。その違いを包み込める汎用性こそが「ウッドロードジャケット」の真価と言えるだろう。
「コロンビアでは『ドアの外はすべてアウトドアフィールドだ』というコンセプトを掲げています。ウィンタースポーツや雨の日など、特定のシーンに特化したウエアも重要ですが、このジャケットはドアの向こう側に広がるあらゆる環境に対応し、長時間・長期間使っていただけることを目的としています」

その拡張性を支えるのがインターチェンジシステムだ。ボディの内側のジッパーと、袖・ネック部のタブを用い、別売りのフリースやセーター、薄手のダウンなどを連結できる仕組みになっている。
「春や秋はシェル単体で着ていただき、寒い時期はライナーを装着して、しっかりとした防寒着として着ていただくことができます」
対応モデル同士での組み合わせを考えて設計されているため、一般的なレイヤードに比べてズレやもたつきが生じにくく、着用時の快適性も高い。さらにフリースにはさまざまな柄やカラーが用意されており、インナーでオリジナリティを演出できることで、機能性と遊び心を両立した設計となっている。
「機能性だけを追い求めていくと、どうしても尖ったデザインや、テクニカルな印象の強い軽量素材に寄りがちです。ただ日常で着ることを考えると、汎用的かつある程度の生地のハリやコシ、安心感を生み出す、しっかりとした手持ち感も必要です。そのバランスはデザイナーと何度も検討を重ねました」
細かなアップデートを施すことでロングセラーに
さらに時代や環境に合わせて、継続的に細かなアップデートが行われていることも支持を集める理由だろう。25FWからは素材を改良し、ブランド独自の防水透湿機能「オムニテック」の性能を高めている。「雨はしっかりと弾きながらも、体から発せられる湿気は外に排出します。さらに機能性の向上により生地のハリやコシが向上し、フードや襟まわりの立ち上がりも改善されています。これにより防風性が高まるとともに、フードのフィット感が増し、動きやすさや着用時の快適性が一段と高まっています。」

さらに近年の気候変動を踏まえ、裏地は軽量で通気性の良いメッシュ素材へと変更することで、秋の残暑や春先の不安定な気温にも対応しやすい仕様とした。
「肌寒いときは先ほどのインターチェンジシステムで調整できます。だからこそ裏地は軽いだけでなく、通気性に優れた素材を採用することにしました。これにより、暑い時期から寒い季節、梅雨のシーズンまで、長い期間着用いただけるようになっています」
今後もテクノロジーの力でさまざまなフィールドで快適性を提供し続けたいと語る立花さん。年々不安定さを増す気候の中で、環境に適応しながら日常に寄り添う「ウッドロードジャケット」は、その存在感をさらに高めていくだろう。
Text by Junko Hayashida
















